ねぇ、君はどう思う?
僕はこの気持ちが整理出来ないでいる。
三ヶ月前に確かにさんに言われた否定。
だけど、その言葉は何か大切なコトを失くしてしまったかのように思えた。
僕は君の前では14年生きているだけの子供。
だけど、君はそれこそ何百年もその成長を止めはしないんだね。
サボテン君。
ねぇ、さん。
僕は本当のあなたを知りたい。
それを思っているのは僕だけじゃない。
みんなさんを待っている。
『えっ…』
不意に握り締められる小さな感触。
僕はそれにすぐ隣を見ると、目の前で待っていた人と視線が合った。
それはさん。
あなたなんですね?
こげ茶のカーディガンの中に来た白いキャミソールが何だかとても年上だなんて思えない
くらい可愛い。
あ、キレイだって言うべきかな?
いつもは泣かせてしまうその顔はそれとは比べ物にならないくらいに笑っていてくれる。
ねぇ、さん。
僕は夢の中じゃなく現の世界であなたと逢いたい。
さんが落とした大切なコト。
それはいつも微笑んでくれること。
ねぇ、僕にはできない?
あなたが悲しむ顔なんてもう、たくさんだ。
僕は、さんのすべてが見たい。
あなたがいつも浮かべているのはニセモノだから。
僕はいつでもここで待っている。
さんの手を握り締めて。
僕はこのサボテン君の前で誓うよ。
どうかあなたが僕の傍でずっと笑ってくれますようにってね。
♯後書き♯
Trial36「大切なコト」はいかがだったでしょうか?
今作は「ガラスのシンデレラ」side手紙でした。
不二君にはサボテンの前でと言う夢設定にしたので、頑張ってみたのですが彼らしかった
でしょうか?
サボテンの花言葉は、「枯れない恋」と言う素敵なものなので、七夕のように彼に願わせ
ちゃったのですが、これも何だかキャラの一人歩きのような気がした人は無視しちゃって
下さい。←無視かい
それでは、本作も宜しくお願いします。