ねぇ、ちゃん。
そんな顔をするなんて君って本当、反則だよね。
今日はひな祭り。
俺は男兄弟だから、女の子がこの日にお祭りをしてるのが羨ましかった。
カウントダウンも残り僅か、今までのようにちゃんの前にいられなくなる。
だけど、俺が君の前から消えちゃうわけじゃないから心配しないでね。
俺は今までの通りちゃんの傍にいるよ。
森の広場で寝転びながらひなあられを食べてると、やっぱ喉が渇いて。
甘酒を腰に手を当てて飲んでたら、空が眩しくてもう少ししたらぽかぽかと暖かくなるん
だろうなぁって思うと嬉しくなった。
ねぇ、ちゃん。
春になったら、どっかに出かけよう。
君と一緒なら近所の公園だって楽しいよ。
俺の隣ですやすやと寝息を立てているちゃんは、俺がずっと憧れてたひな祭りに
混ぜてくれた自慢の彼女。
だけど、甘酒を飲んだらそのまま寝ちゃった。
ねぇ、その無防備な寝顔は反則だよ。
俺はこんなにちゃんが大好きでこんなに幸せなのに、そんな顔をされたら俺、ど
うすれば良いかなんて解んないや。
頬を染めて時々、「和樹先輩」って呼ぶ声だけが俺は俺でいなくちゃって教えてくれる。
大好きだよ、ちゃん。
君がいるから俺は何処までも行けると思う。
唇に付いたあられのカスを舌でそっと拭う。
柔らかいそこは一瞬硬くなるけれど、俺を拒もうとはしない。
それは、いつもの優しいちゃんを感じさせてくれる。
ねぇ、明日も晴れたら良いね。
そしたら、また君と空の下で会えるから。
#後書き#
Trial40「お酒」は金色のコルダの火原和樹君でした。
あぁ、コルダ作upしたくても出来ない〜。
不満はないけど、ほとんどテニプリリクだし。←贅沢な!
来たれ!コルダファンの方!!