Trial41―――「今度は―」―――


      『ん……あ、あっ』


      なぁ、

      お前がそんなに積極的だなんて知らなかったよ。

      
俺たちの通う城成湘南中学校は昨日から冬休みに入った。

      
今日は、クリスマス。

      
予定が部活以外入ってはいなかった俺は、二年生でマネージャーの

      終了後の予定を聞かれた。

      
顔を赤一色に染めたのを見ただけで彼女が何をしたいのか分かって

      ないと答えた。

      
みんな、悪いな。

      
部員の奴らはを狙っていた。

      
勿論、この俺も。

      
おっちょこちょいだけど、いつも一生懸命な姿にみんな心惹かれ

      ていたんだろうな。

      
こんなことを書いている俺自身そうだったから。

      『ん、くっ……』

      待ち合わせは十八時ちょうど、お前は俺より先に来て白い息を吐き

      ながら待っていてくれた。

      
クリスマスが俺に贈ってくれたプレゼント。

      
俺は、しばらく振りにサンタクロースと言う存在を信じてみたく

      なった。

      
恋人らしくショッピングをしたり食事をしたり、としたらあっという

      間に22時を軽く過ぎていた。

      
俺が慌てて帰そうとしても、は首を振るだけで帰ろうとはしない。

      
逆に華奢な体を無防備に抱きしめてくる。

      
ヤバイ、そう思った時にお前の一言が俺の理性を壊した。

      『今夜はこのまま帰りたくない!』

      俺はその場で呼吸すら許さないキスをした。

      
夜の学校に忍び込んで外と同じく暗闇に閉ざされた部室の中に駆け込む

      ように入ると、俺はを一人の女にした。

      『はぁ……っ…はぁ』

      お互いに感じていた痛みは次第に違うものに代わり、これが快感

      というものだと本能で解った。

      
苦しそうな息遣いで俺を求めるお前が愛し過ぎて何度唇を合わしたか

      知れない。

      『ふぅ…ん、あぁ』

      奥まで突き上げの中に思いの丈を吐き捨てると、頭の中がぼやけた。

      
これが射精というものだろうか?

      
刺激が強すぎたのか俺の下で荒い呼吸を肩で繰り返している。

      
初夜がクリスマスなんて出来すぎだよな、俺たち。

      
でも、俺はサンタにも神にも感謝せずにはいられないんだ。

      『今度は俺から誘うから』

      今度は、お前がクリスマスの予定を空けておく番。



      ♯後書き♯

      
Trial41「今度は―」はいかがだったでしょうか?

      
初梶本手紙は、裏Dream手紙の年下マネージャー設定でお送りしました。

      
我ながらクリスマス企画を作成していたのですが、見事撃沈して

      急遽今作をupしたのですが、皆様に喜んでいただけると嬉しく思います。

      
それでは、ちょっと遅れましたがメリークリスマス!