Trial3―――本気―――

      『清純なんて信じられないっ!』

      ねぇ、

      君は俺の精一杯な告白をそんな言葉で跳ね返したね。

      まぁ、日頃の行いがそうだから仕方ないンだけど、ね。

      でも、俺はいつも本気だった。

      本気で女の子に恋をして本気で「好き」を伝えていた。


      なのに、......何処で間違ってしまったンだろう?

      一番大事な君にはそんな俺の本気はこの秋の空に浮かぶホウキで掃いたように薄い

      雲とまるで同じだったなんて、ね。

      情けないよ。

      俺はただ、と目を合わせるのが怖くて...君に恋してる気持ちが知られてしまいそう

      で...ずっと逃げていた。

      それが、偶々、女の子だった。

      あの子が可愛い、あの人いいなぁ...とかいろいろ口走ってたけど、今じゃどんな

      言葉をに向かって言ってしまったかなんてもう、覚えてはない。

      だけど、俺はいつだって君に囁いていたんだ。

      俺は、が好きだ......って。

      妬いてくれる君を知りたかったんだ。

      だけど、それはいつも空周りで、その度にに恋をしていた。


      俺、気づいていたよ?

      君が誰にも負けないくらいどんどんキレイになっていくのを。

      今じゃ、俺が見捨てられそうなくらい。

      だから、俺は...

      『俺、ずっとが好きだよ』

      跳ね返された告白。

      衝動のキス。


      ねぇ、

      俺が本気だってようやく解ってくれたよね?

      明日の朝、ベランダ越しに君を迎えに行こう。

      無防備な格好で出てきたら保障しないからね。



      ♯後書き♯

      Trial3「本気」はいかがだったでしょうか?

      千石Dream手紙だったのですが、今回は青春チックに仕上げてみました。

      …と言いながら煎茶を啜りながらupした柊沢は幼少の頃から若年寄りと言われてい

      ました。(爆)

      えっと、一応恋人になった後日回想ということで作業しましたが、微妙です。(苦笑)

      個人差もあるんでしょうが、一体何処から恋人って言うのか解らなくていつも

      新鮮な風を吹かしてしまうのですが、皆様に厭きられない程度に頑張ります。

      それでは、こちらまでお読み下さりありがとうございました。