Trial22―――決めポーズ―――

 

      なぁ、跡部。

      自分、ほんま俺のイイ所ばかり見つけよるなぁ。

      誰もいないシャワールーム。

      部活終了後、俺が着替え終わると、自分がここへ押し込んだんや。

      理由は解るんやけど、な。

      眼鏡を壊れるんじゃないかと思うほどの勢いで外し、吐息が掛かるのを感じる前に

      舌を入れてきよった。

      『んっ...』

      俺が腕を絡ませ舌をその荒々しい動きに合わせると、性急な手つきがベルトを外す

      金属音を鳴らした。

      『ちょい待ち...そんな...っ』

      開放された口の端から首元までイヤらしく垂れた唾液。

      乳白色のタイルの壁に体を固定されたまま犯される俺。

      腰には力が入らんで、跡部がおらへんかったらこの場で尻餅着いてまうところや。

      下着ごと強引な手つきで脱がし、俺を口に含んだ感触に思わず声を出してしもた。

      発ち上がっとらんはずの俺は主に反して自分を指してその窪みからは先走りが

      見る間に溢れておる。

      『はぁ、ああっ』

      あかんっ!

      跡部の舌の動きがめっちゃイヤらしゅうて、もう、我慢ができんわ!

      俺は自分の頭を強―抱いて射精した。

      下腹部からは苦しそうな咳が何度も聞こえる。

      せやけど、それが俺への復讐の合図やった。

      『ぅ…あ……跡部っ』

      俺を飲み干してから中を一気に貫く。

      抜き差しの快感とじれったさが俺を虜にさせる。

      もっと、壊して乱れさせて欲しいと、涙目で自分を見た。

      額に汗を浮かべながら右手で顔を覆った。

      ふっ、こんな時もそれかい。

      せやけど、そのお陰でもう、俺は跡部しか見ていられへん体になってもうたわ。

      ほんま、ヤラしい奴や、自分。

      何度も腰動かしてもうて疲れきった俺は吐息で肩を動かすたけで、立てへんかった。

      『っ……忍足……』

      それが、跡部にはヤラしゅう見えたようで、俺はまた犯されるんや。

 

      ♯後書き♯

      Trial22「決めポーズ」はいかがだったでしょうか?

      今作は跡忍で作業しました。

      このBLはメジャーな方なのは知っていながらこのお題に似合った人物は跡部君しか

      いない!と、柊沢の勝手でupさせちゃったわけです♪

      考えてみれば、忍足君は裏にした事はあってもまだ受けにしたことがなかったので、

      今回頑張って頂いたのですが、その初(?)を飾ったのが何度も情事をヤラせてしまい

      半ば水商売や戦時中の日本と大して変わらないなぁとまた失礼なことを考えています。

      それでは、こんな作品ですが、お気に召されたら掲示板にどうぞ。