★Kiss, ONE MORE
TIME★
────夏も終わろうとしています。
今朝もこっちは良い天気です。
こんなに空が澄んでいると、あなたのいる東京の雲が見える気がします。
あなたが行ってしまった朝も、空は雲一つなく、澄み渡っていたよ…
「聞いたことない」
「そうでしょう、まだ無名校ですから」
中2の夏、はじめは東京の中学校から優待生として招待された。
全国の精鋭選手を集めるそうだった。
「行くんだ」
「ええ。チャンスですから」
はじめは行くってわかってたのに、
そんなこと聞いたあたしはバカだった?
ちょっとだけ、悩むフリをして欲しかったの。
が止めるわけ無いとわかっていたのに、
あんな風にしか言えなかった僕はバカだったのでしょうか?
少しだけ寂しそうに、応援して欲しかったんです。
──あれからあなたとは何の連絡も取りませんでしたが、
恋人が出来たと聞きました。
…幸せになれると良いですね。
僕は今年のチャンスを失ってしまいました。
こんな僕でもセンチメンタルになることもあるんです。
久しぶりに、故郷の空気が吸いたいです───
「はじめ君、帰ってくるってね」
忘れた頃にやってくるなんて、本当にはじめらしいよね。
都大会で敗退したって聞きました。
あなたは何を求めてここへ帰ってくるのでしょうか。
あなたがここを発ってからも、ここの時間は流れているのに。
──蝉が五月蠅いのは、いつもより感覚がとぎすまされてるせいなのでしょうか?
意識より先に、神経が、あなたを追っていると──?
「お久しぶりです」
「うん」
髪、伸びたね。 少し痩せた? そういえば、背も…
─あなたはこんな表情をする人だったでしょうか?
誰があなたをこんなに綺麗にしてしまったのでしょうか。
「、学校のみんなは元気ですか?」
「うん」
話したいことなんて、はじめから無かったよ。
「高校もそっち行くんでしょ」
まだあたしは、かわいくないことを言う。
『疑問』じゃなくて、ただの『確認』なのに。
はじめは黙った。
──はじめが何て言えば、あたしは満足するのでしょうか。
──僕が何というのを、は待っているのでしょうか。
いつでも僕とあなたの心は、何かを隔てたところにある。
ただふたりの間に、中身のない言葉ばかり降り積もる。
それを一掃できるなら、それは────…
───僕はに歩み寄り、その唇に口づけた。
───はじめはあたしに近寄ったかと思うと、キスをした。
「キスする時くらい目を瞑りなさい」
「─ん…」
あたしが目を瞑ったら
あなたがまぶたを閉じるから
キスしてくれるでしょうか
キスして良いのでしょうか
「しないじゃん」
あたしは笑った。
あたしに、『彼』がいるからですか?
───あたしたちが一番近くにいたのは
───僕たちの心が確かに同じ場所にあったのは
あの時で
今はもう戻れないとわかってて
それぞれの道を確かに歩いているはずなのに
本当はあたしたちを繋いでいたのは
僕たちを塞いでいた意味のない言葉で
もしあの時あたしが
僕が
行かないでと言えば─
ついて来いと言えば─
───それでも空は青いけど───
────────クチビルが アツイ────────
†柊沢のありがたくもない感謝状†
れゆ〜っvプレゼントありがと〜〜!←こわっ
切ないお話しになるかもしれないと思って読んでいたんだけど、最後まで読むと段々甘くなってきたか
ら新たな開拓を垣間見れたようで感動しました!!
てゆーか、私が無理やり甘い方に持って行かせちゃったかな?
前に、切な系に弱いって話をしちゃったから・・・。
もし、そうだったら、ごめんね。
わざわざキレイな文の構造でとても良かったんだけど、私なりに組み立てたけれど、どうかな?
そして、次回は、どんな作品を展開してくれるのでしょうか?
お互いの気持ちに巡り合う二人の気持ちがとてもストレートに表れて素敵な作品です。
それでは、次回もどうぞ宜しくお願いしますね。