Trial11―――コンビネーション―――

      ねぇ、

      もう、僕は怖くないだろ?

      君は僕を、僕達日本人を怖がっていた。

      だけど、それは仕方がないことなんだよね。

      もし、僕らがのような教育を受けていたら随分な恐怖心を抱いちゃうと思うし。

      どうしようもない気持ちにだってなるんだと思う。

      だけど、少なくとも僕は怖くなんてないよ。

      は中学に上がるまで外国暮らしをしていてそれまでずっとこっちとは違ったことを

      教えられていた。

      ねぇ。だから、高校中で浮いていたんだね。

      僕はそんな居場所を探しているような目が気になっていつの間にか君に溺れていたんだ。


      ねぇ、

      君は努力していたんだよね。

      教科書の日本と違う俺達のことがどんどん好きになっていた。

      だから、苦しんでいたんだね。

      何を信じていいのかって…。


      ねぇ、

      これからはどんなことでも僕には話してよ。

      僕だけじゃ君の力になれないかもしれない。

      だけど、が苦しむところはやっぱり助けてあげたいのが彼氏の役目だから。

      『あっ、やあ』

      放課後の教室は俺達二人しかいない。

      部活のない日はいつでもここでしている。

      今にも壊れそうな顔をした日は特に念入りに愛してる。

      涙に潤んだ瞳でこっちを見てくれたりしている時に僕の名前を呼んでくれること

      全部が滅法好み。


      ねぇ、

      君はこんな僕を怖いと思うかい?


      例え、今までの習慣や何かが違うとしてもを何度でもイかせることが出来るほど僕達の

      
コンビネーションは身も心も最高なんだから、もう離さないよ?



      ♯後書き♯

      さて、Trial11「コンビネーション」はいかがだったでしょうか?

      今作は、今までの裏dream手紙と比較したら何かさっぱりとしたものになりました。

      これもしばらく手紙を作業していなかった報いなのかなと痛感しております。

      それでもこのTrialに対してどうしてもこのようなヒロイン設定にしてみたのは

      ちょっとした情報の影響ですね。

      それを有名な劇作家の作品風にしてみたのが、Trial11を生み出した由来です。

      もし、あの事件がこうだったら……さて、皆様はどうお考えでしょうか?

      話は変わりますが、振り返ってみれば柊沢の作品にはある意味訴えているものが

      多いかな
と作者自ら思っています。(笑)

      それでは、皆様のご感想を心よりお待ちしております。