Trial15―――ナイスサーブ!―――

          なぁ、


          お前はもうすぐ日本に帰っちまうんだな。

          こっちには休みを使って旅行しにきたんだってあの日話してた。


          なぁ、

          こっちに残れよ。

          英語なら俺が教えてやるからさ。

          だが、そんなことを言ったってお前が困るだけだから何も言わなかった。

          俺達が出会えたのだってその休みが始まりなんだからさ。

          『ナイスサーブ!』

          そう俺が声を掛けたのが、きっかけだった。

          がおふくろさんとテニスをしている時、俺はいつもの練習に行く所だった。

          そしたら、何だか楽しそうな声が聞こえて振り返ってみたらお前がいたんだ。

          楽しそうでそれでいてどんなゲームにも妥協はしないって言う強さが目に

          映っていた。

          だから、俺はあの時お前を柄にもなくナンパしちまったのかもしれない。

          挨拶代わりにしたキスがまだ俺を虜にしている。

          は顔を赤くしてバカって捨て台詞を言ってホテルに戻っちまったけど、その

          次も俺はあのコートに行った。

          お前への気持ちはウソじゃねーって態度でしめしたくって。

          きっと、だって分かっていたんだよな。

          だから、こっちで出来たダチらしい女とのゲーム中に痺れを切らしたような顔

 

          でこっちに近づいてきてフェンス越しに二度目のキスをしたんだよな、俺に。

          なぁ、近頃のヤマトナデシコ≠チてこうでも良いんじゃねぇー?

          少なくとも俺はそんな積極的なお前が好きだぜ。

          今夜帰るって言ってたに夢中で何回もキスをした。

          これからどれくらい離れるか分からない。

          だから、少しでも長く覚えていられるようにお前の体に焼きつけたかった。

          ...今はまだ、飛行機の中だよな。

          別れ際に交わした互いの唇の温もりとアドレス。

          きっと、この恋は俺の独りよがりじゃないって信じてもいいよな?


          なぁ...



          ♯後書き♯

          Trial15「ナイスサーブ」はいかがだったでしょうか?

          良いですねぇ、連休中の恋。

          柊沢はGW中どこにも行かなかったので、少しでも気分を味わいたくて西海岸

          まで彼に会いに行っちゃいました。←それは行きすぎだろ

          良いんです、作者の横暴で拗ねて何作か作業していますから。(笑)

          さてさて、ケビンDream手紙なんですが、こちらもちょっとメジャーではない

          ですよね?

          ただ、私は時が経つに連れ忘れているだけなんですけどね。←待て

          彼は最初の印象的な登場と最終話とでお目に掛けたので今回作業してみること

          にしました。

          いつかは西海岸チームを制覇してみたいなぁと思いながらそれがいつになるか

          は解らない柊沢でしたv(逃)