Trial35―――最初で最後―――
なぁ、石田。
こんなことは最初で最後にしようぜ。
お前が俺の前から消えるなんて俺は認めねぇし、離さねぇ。
俺はいつだって石田のことを考えている。
なのに、井上に言われるまでお前の異変には気づかなかった。
なぁ、石田。
だから、こんなことは最初で最後にしようぜ。
そりゃ、誰だって言えないことがあるかもしれないがこれは俺の責任でもあるんだからよ。
一緒に悩んで、一緒に探そうぜ。
お前の奥底に眠る力を、よ。
そして、いつでも石田らしくいろよ、俺の隣で。
お前に惹かれた俺だからこそ想うカクゴ。
それは、死神と滅却師と言う対立を超えた恋。
唇を重ねるたびに濡れる息の激しさに二人の思考回路も滲んでくる。
なぁ、石田。
これはきっと、最初で最後の恋だな。
言うことを聞かなくなった口ん中に舌を突っ込んで、かき回して、もっと俺のことしか
考えられなくさせる。
お前が潤んだ目で俺を見たら熱を出し始めた合図。
俺たちはきっと昼休みが終わってもこうしてキスし続けるんだろうな。
片手で眼鏡を外し、自由の利かない目の石田の腰を強く抱きしめディープをする。
胸を押し返そうとするお前は何だか可愛くてこのままどうにかなるんじゃないかって
想うくらいヤバかった。
ゼッテェ、離すもんか。
もし、離れたとしても俺が迎えに行く。
そしたら、石田は俺に捕まるしか選択肢はねぇんだよ。
だから、最初で最後にしよう。
落ちる所まで落ちてやろうぜ。
お前となら怖くない。
♯後書き♯
Trial35「最初で最後」はいかがだったでしょうか?
「BLEACH」手紙第二段は黒崎×石田BL手紙でした。
今作は、前回の「苦悩」の黒崎版です。
最近、裏の修行(どんなだよ)してる所為か健全作なのに、中間になってそれらしい表現に
なってしまいました。
まぁ、恋人なのでもうキャラには存分に暴れてv、とほとんど放し飼いにしています。
それでは、「最初で最後」をご覧下さり誠にありがとうございました。