Trial8―――思春期―――

      『はぁはぁ…んっ』

      俺……何やってんだ?

      毎晩こうして自分で自分を握り締めている。

      声を殺して…指の腹一つ一つの動きに妙に敏感になって…一人で妄想している。

      あれから何度思い出しただろうな。

      宍戸さんと鳳の姿が目に浮かんでは振り切るかのように筋トレをいつもの

      何倍も増している。

      あれは関東大会で俺ら青学が優勝してから始まった長距離ランニングの時だった。

      もちろん、俺以外のレギュラーだってしているだろう。

      だから、俺もほかの奴らの重荷にもならねぇためにも今できることをするまでだ。

      『よぉ。最近ガンバッてんな、海堂』

      何故だ?

      そう声を掛けてもらうと、顔を赤らめる俺がいる。


      他人にほめられるのが恥ずかしいからか?

      それともあんただから?

      あいつが何であんな顔をしているのか分かった気がした。

      宍戸さんは褒め上手なんだ。

      だから、俺も鳳もこんな骨抜けヤローになったのかよ。

      あんたに会いたい。

      ぎゅっと自分を抱きしめる腕に力を入れる。

      神なんて信じねぇ……けどよ。

      もし、いるんだったら、今すぐあの人に会わせてくれないか?

      今日は特別な夜だから…バレンタインデーの夜だから…。

      ♯後書き♯

      皆様、こんにちは。

      暴走管理人柊沢です。(笑)

      このたびはTrial8「思春期」をご覧下さり誠にありがとうございます。

      今作は前回の「遅刻」に引き続き、バレンタイン企画に作成しました。

      しかし、裏BL手紙を手掛けて今作で12作目になりますが、今作はなんと

      一人Hをさせてしまいました。(爆)

      そして、今回は海堂裏BL手紙の宍戸×海堂を作業させて頂いたのですが、

      皆様がどんな反応を示すか楽しみです。

      それでは、皆様からのご感想を楽しみにしております。