Trial23―――跳びすぎ―――
なぁ、侑士。
今日はマジでごめんな。
俺の横で寝息を立てているお前に迷惑掛けちまった。
今日は、関東の緒戦だった。
俺たちは、青学のゴールデンペアと呼ばれている大石と菊丸と戦うはずだった。
だが、向こうが事故ったらしく、急遽二年の桃城を代役に抜擢した。
侑士は仕方がないことだって言ってたけれど、俺は納得できなかった。
ダブルスをできるのできないの問題ではなく、それにプライドを持った奴かが問題だ。
しかし、奴は違う。
菊丸のぎこちないプレイとそれが俺を狂わせ、俺をキレさせた。
結果的に俺は、侑士を乱れさせるマネをしちまった。
そして、氷帝は負け俺たち三年は引退する。
俺が落ち込んでいると、お前は真顔で責任取ってもらおうかと俺を近くにあった
公衆トイレの中へ連れ込んだ。
『やっ、あぁ…』
壁に押し付けられた俺が着ていたジャージを首の辺りまでたくし上げ、反応を
楽しむかのように突起を甘噛みした。
『なんや、岳人。もう、感じるんか?』
何でこんな恥ずかしいことをしなければならないんだって言いたかったけど、
耳元でお仕置きと言われ、体が火照り始めて言うことを聞いてしまう。
俺ってマゾだったのかって思うほど侑士の声にゾクゾクしてもっと壊して触って
欲しいと無意識で思った。
下半身はもうむずむずしてきて腰をすりつける俺自身がイヤで目を閉じて
快感だけを吐息と一緒にお前に伝える。
きっと、侑士なら知っていると信じているから。
『あ、やぁ…っ!』
『きっつ……自分、シメすぎやで』
股を抱えられ繋がった場所からはヤラしい水音がトイレと言う密室に響いた。
突き上げられる快感とそこから体中に流れる激痛で腰を浮かせるけれど、
それに気づいた
お前は色っぽい声で笑う。
『っが…岳人……はぁ……跳びすぎや、自分』
そう言って何度も抜き差しを繰り返され、次に目を覚ました時には
侑士の部屋のベッドの中だった。
俺は下半身の痛みに顔を歪めながら隣で眠る侑士にごめん、と
その唇にキスをした。
♯後書き♯
Trial23「跳びすぎ」はいかがだったでしょうか?
Trial22に続き忍足君に攻めて頂きましたv
忍岳も一般的ですね、と思えば最近オーソドックスな道を踏んでいるなぁと
振り返っています。
それでは、「跳びすぎ」をご覧下さり誠にありがとうございました。