Trial25 ―――学校―――
なぁ、。
今日は……そのぉ……すまなかった。
教師である私があのようなことをしてしまって本当に申し訳ないと思っている。
私と君が出会ったのは、私が数学教師を勤めるはばたき学園でだった。
君は三年間も私のクラスの生徒で、私達は知ってはいながらも禁断の恋に
落ちてしまった。
卒業式後の曰く付きの教会で私達はお互い素直になり、改めて「恋人」と言う
存在になった。
だが、私とは卒業後も生徒と教師の関係は変わらない。
私は、君を冷静で入られるよう「」と呼び、は私のことを「氷室先生」と呼ぶ。
デートのことも恥かしさからいつも「社会科見学」と評して逃げている。
それでも君はいつも笑っていてくれるから、このままの関係でも良いと思っていた。
しかし、今日、私の誕生日で、それは誤った考えだと言うことが解った。
『氷室先生…』
放課後のはばたき学園の音楽室。
私がいつものリストの曲を弾いていると、教室のドアがおずおずと開かれた。
そこには、頬を染めた愛しい女性が立っていた。
『っ!?どうしてここに!』
私は、思わず大声を出してしまった。
ここは、恋人同士である私達が会う場所ではない。
まして、ここには私達しかいないとは言っても学校という公共の場である。
この場で理性を保てるほど、私は冷酷な人間ではない。
私が君のそばに歩み寄ろうとすると、大袈裟に目の前で手を振った。
『そのまま続けて下さい!私、氷室先生のピアノが好きなんです』
そう言われてしまうと、私は苦笑して冷たい鍵盤の上に指を走らせる。
私のそばに来たは瞳を伏せ、記憶の譜面を読み上げるように優しい表情をした。
微笑みを浮かべる度に痛む私の理性。
君をどうにかしてしまいたいと思う俺。
そんなことを考えてはいけないのに、を欲しいと願ってしまう。
俺という色に染め上げた君はそれでも私を愛してくれるだろうか。
『氷室先生…』
私が複雑な気持ちで旋律を奏でていると、は瞳を伏せたまま私の名を呼んだ。
『今日、お誕生日ですね。おめでとうございます』
そうか、今日は私の誕生日だったのか。
それで、今日はこんな所に来たのかと、再び複雑な気持ちで気づかれないように
ため息を吐
いた。
『でも、今年は何もプレゼントを用意してないんです』
「気にすることはない、私はが入れば何も入らない」と言おうとした。
だが、君は私がそう言おうとする前に意を決したように瞳を開いた。
『だからっ…だから、私を抱い…』
その続きは婦女子には言わせないのが男としてのプライドだった。
オフとなった俺はの唇を深く求め、服の上から秘部を掴んだ。
『んっ!?』
ダイレクトにお前自身に絡みつくと、器用にジャケットのボタンを外し床に
軽い音を立てて落
とした。
『…氷室先生っ』
『先生じゃない。俺はの恋人の氷室零一だ。名前を呼べ』
『えっ…零、一さん?』
俺はその言葉を待ちきれずにブラウスの中に手を忍ばせ、円を描くように
胸を揉みしだく。
一度目覚めてしまった俺はなかなか言うことを利かない。
いや、私自身が望まなかった。
『や、あぁっ!零…っ…さ!!』
『良いのか?そんなに声を上げて。ここは学校だぞ?そんなに見られたいか?』
理性の欠片もなくなった私は意地の悪いことを平気で言う。
もっと、を知りたい。
例え、それがお前を困らすことでも良かった。
口を両手で塞ぐが可愛くてつい、腰を揺らしている最中に耳のそばで「愛している」と
囁いてし
まう。
体中を赤らめたお前の中に俺を放つと、今度は逆に襲う形で押し倒した。
だが、それは、私の考えすぎだった。
私の体に倒れこんだ君はきれいな寝息を立てて眠ってしまった。
なぁ、。
今日という誕生日は生涯忘れそうもない。
来年の三月には、一流大学を卒業する君を今度こそ浚おう。
その時は、。
私は、お前のために俺になる。
♯後書き♯
皆様、こんにちは。
Trial25「学校」は如何だったでしょうか?
今作は、彼のBDに作業致しました。
しかし、学校で…(爆)
良いシチュエーションだぁ!!!←おいっ
こんなことを申していると、なかなか問題発言ですからこれにて逃亡させて頂きます♪
それでは、皆様のご感想心よりお待ちしております。