Trial26 ―――部活―――


      ねぇ、


      今日は、ありがとう。

      俺の誕生日をわざわざ覚えてくれて嬉しかったよ。

      お前はウチの誇るテニス部のマネージャーでマンモス部であるにも関わらず、

      テキパキと働いている。

      ちっちゃい体を精一杯使って俺たち正レギュラーでもない俺らにも

      気を使ってくれる。


      同い年の俺らはタメで話しているけど、部長や一年生とダベると、

      いつも敬語を使うよね?


      ねぇ、

      そんな無防備な顔しないでよ。


      気づいてないかもしんないけど、お前はウチのマドンナなんだよ?


      誰が取ってっても不思議じゃないくらいに、さ。

      だけど、今日、それは間違った考えだってことが良く解ったよ。

      部活中、俺は今日が日直だったことを思い出して抜けてきたんだ。

      急いで教室に戻ると、そこには制服のまま机に突っ伏しているがいた。

      だけど、お前は何かを枕代わりにして寝ていたね。

      それは、俺が書くはずだった日誌。


      とはクラスが違うのにどうしてってパニックを起こしていると、誰かに

      呼ばれた気がした。


      『滝君…』

      それは、間違いなくお前の声。

      俺の名を呼ぶはやっぱり寝ている。


      なぁ、どんな夢見ているの?

      俺はその中に出てきているの?

      お前の閉じられている瞼に下りた髪をそっと耳に掛けてやる。

      『んんっ…』

      キレイな寝息を立てているが一瞬、色っぽい声を上げた。

      それを耳にした俺はどうして良いのか解らずにただ辺りを確認した後、

      その無邪気すぎる唇を自分の物で覆った。

      頭では何をしているんだと慌てているくせに離したくはなかった。

      お前が好きだから。

      あまりの息苦しさに目覚めたを抱きしめ、俺たちは一つのシルエットになった。

      艶かしく瞳を潤ませるお前も俺の欲望を更に高める。

      互いの匂いが移るまでを組み敷いていた。

      白濁した俺自身をお前の中に放った後、日誌を職員室に届けてから

      俺はこの手紙を書いている。

      制服を着せたのにはやっぱり、ちょっと惜しい気がする。

      俺はその寝顔を見ながらこれからどうするか考えている。


      『誕生日っ…あっ…おめっでとっ!』

      甘い痛みに耐えながらそう言ったが愛しい。

      無邪気な寝顔を見ていたらまたしたくなる。

      でも、今日は無理をさせちゃったからこのくらいにしておかなくちゃね。

      くすっ、お前には何度も囁いたけど、この手紙上にはまだ書いてなかったね。


      愛しているよ。



      が俺を想っているよりもお前のことが好きだ。



      ♯後書き♯

      皆様、こんにちは。

      影を得て輝きを増す柊沢です。(笑)

      Trial26「部活」は如何だったでしょうか?

      ついに氷帝まで部活をサボらせちゃいました。(汗)

      えっと、今回は滝君のBDに作成しました。

      全作九段目で、裏Dream手紙で三段目になりまして、気づいたら致している

      時にお祝いさせちゃいました。(爆)

      懺悔と言いましょうか言い訳ですが、彼の登場シーンが極少ないので、

      言葉遣いに手こずりました。

      「あの一言だから…」と悩んだ挙句、このようなものに成り下がりました。(沈)

      それでは、皆様のご感想を心よりお待ちしております。(逃)