Trial29 ―――おはよう―――


      はぁー…。

      うん、今日も良い朝だね。

      雲一つない晴天。

      だけど、やっぱ、寒いなぁ。

      今日は俺の誕生日。

      だからか、何か朝から良い事がありそう。

      ひょっとしたら、リョーマ君に会えるかもしれないなぁ。

      って、山吹と青学って結構、距離あるから寝坊助君には無理か。

      なぁんて思ってたら、ホントに本人に会っちゃったんだよね。


      『渡したいものがあるんすけど…』

      そう言って、君は帽子を深く被って俺に赤い派手なラッピングの長方形の

      包みを渡してくれた。

      うん、恥かしそうにしているリョーマ君もなかなか可愛いよね。

      俺は了解を得てその場で開けることにした。

      すると、中から出てきたのは、いかにも高そうなタロットカードだった。

      俺が高かったでしょうって聞くと、君は素直に首を縦に振った。

      俺のためにお正月やお小遣いを貯めて買ってくれたんだ。

      とっても嬉しくて俺は街角でリョーマ君にキスをした。


      『うんっ、んっ』

      何か言いたそうな唇の中に舌を忍び込ませ、絡め捕る。

      『ふぁ…ん…んっ』

      声が甘くなった所で唇を離し、耳元でありがとって囁けば俺を感じた君が

      大きく脈打つ。

      ははっ、そんな体にさせたのは俺だけどね。

      もう一人のリョーマ君を制服のズボンから取り出すと、こっちを睨みつけているようだ。

      『あっ、ちょっ……んんっ!』

      俺の頭を押さえつけようとする君の両手首を片方で覆い、もう片方で崩れそうな

      腰を抱いてそれを口の中で愛撫する。

      ビクビクと波打つリョーマ君は舌で攻め続ければどんどん固くなっていく。

      ……イイよ。

      俺が君を口で愛してあげるからイっても…。


      「ん…あっ、ああっ」

      必死に声を堪えようとしているところがまた可愛くて俺もそろそろ限界かと思った

      その時っ!


      『っ!?』

      リョーマ君は一気に俺の中で放出した。

      けほっけほっ……今日は、つい、見蕩れてて鼻まで入っちゃったよ。

      俺は苦いそれをコクコクッと飲んでから何事も無かったかのように君を腕に

      抱き上げて歩き出した。

      俺もそろそろ限界。


      ねぇ、リョーマ君。

      君が目を覚ましたら真っ先に「おはよう」って言おう。

      だけど、今夜は、寝かさないからね。



      ♯後書き♯

      皆様、こんにちは。

      久々に裏BLを作業したと思ったら、初の口の中でヤラせちゃいました。

      やっと、出来たよぉと、一息吐いているわけです。(疲)

      でも、あんまりさせたくないなぁという考えもありますから、今作は珍しい

      分類に入るかもしれませんね。

      それでは、皆様のご感想を心よりお待ちしております。