Trial31―――また明日―――

         ねぇ、日吉さん。

         あんたは何で上を目指してるの?

         そんなことを前に聞いたら、こう答えよね。


         『俺はこのままで終わるつもりはない。それはお前も同じだろうが』

         ねぇ、日吉さん。

         それなら……さ。


         あんたなら、これはどう答える?

         俺、アメリカに、全米に出るために全国行けないんだ。


         ねぇ。

         日吉さんなら何て言ってくれる?

         「行くな!」って言う?

         それとも「行って来い」って応援してくれる?

         俺は……まだ迷ってる。

         あんたの気持ち次第じゃないけど、声が聞きたい。

         耳元で「リョーマ」って呼んで欲しい。

         答えの良し悪しじゃなくて日吉さんは、どう思っているのか聞きたい。

         それは怖いことでもある。

         だから、俺はこうして返事のない手紙に今、不安に思っていることを

         書いてる。

         「また明日」。

         そんな日常的な言葉さえ掛けられなくなったら……俺は…。


         日吉さんは平気?

         俺は嫌だ。

         あんたの低くて俺を呼ぶ声が耳から離れない。

         いや、抱きしめられる瞬間もキスされる感覚も体が覚えている。


         ねぇ、日吉さん。

         俺がそうならあんたもそう思っているよね?

         今なら、言えるかな?

         俺…。

         どんな結果が出ても俺は日吉さんのことが好きだから。

         例え、何日も「また明日」って言えなくなっても俺は何処からでも

         あんたを呼び続けているから。


         ねぇ、日吉さん。

         だから、あんたもちゃんと答えてよね。

         「リョーマ」って。



         ♯後書き♯

         Trial31「また明日」は日吉×越前BL手紙作です♪

         たまには違ったジャンルを書いてみると楽しい柊沢です。

         来月にはおそらく行ってしまわれる越前君の餞別にと今回作業させて

         頂きました。

         まだ未完なのですが、次回にはそれをネタに小説を書こうと考えています。

         upしてこのBLも少し取り扱う方がいらっしゃるかな?と首をかしげながら

         作りました。←だから、拘るなよ

         それでは、ご感想をお待ちしております。