Trial43 ―――うさ耳―――


         ねぇ、


         だけはボクの変身した姿を気持ち悪いとか怖いとか言わないよね。

         ムッティは逃げちゃったけれど、いつかボクを抱きしめてくれた時、

         泣いてくれたよね。


         ありがとう。

         ボクはその時、ほんの少しだけれど温かかった。

         ねぇ、

         ボクはウサギだからいろんなものが聴こえてくるの。

         特に怖い声は。

         ムッティの声もそうだった。

         ボクをいらないっていつも泣いていた。

         パパもボクを可愛がってくれている分、心が疲れている。

         ボクは誰にも必要とされていないバケモノ。

         だけど、ボクは鳴かないウサギだからそれをどう表現したら良いかなんて

         解らないよ。

         助けて、助けて。

         心の中で誰かにそう呼び続けていた。

         でも、そんなことをしたって願うことのないもの。

         だから、簡単にすむアキラメチャウことを選んだの。

         ムッティのように…みんなのように…。

         でも、は違ったね。

         ボクの耳にはの声が聞こえてくる。

         温かくてくすぐったい気持ちと一緒に。

         ボクを今呼ぶのは、だ。

         大好きだよ。

         そう、ボクに言ってくれただから言えること。


         ボクもが大好きだよ!



         ♯後書き♯

         皆様、こんにちは。

         Trial第二段に作業しました「Trial43うさ耳」いかがだったでしょうか?

         今回のお題は「Trial42猫耳」と一緒に悩みに悩んだ作です。

         ですが、そこはよろずサイトの強みです!←威張ってどうする

         うさ耳とくればウサギ。

         ウサギとくれば「フルーツバスケット」の十二支で兎である紅葉君です!!

         ありがとう、紅葉君!!!

         それでは、皆様のご感想をお待ちしております。