Trial46 ―――王子様―――


      なぁ、


      俺は昔、王子様になりたかった。

      物語の王子みたいにお前を守ってやりたかった。

      だけど、そんなのは俺の勝手な我がままだった。

      あの時、祖父さんの故郷に行くことが決まっていて俺はあの場所で

      会うのを待っていた。


      約束。

      絡めた小指が熱かった。

      もしかしたら、あの場で予想していたかもしれない。

      次に俺が日本に帰ってきた時には、どこを探してもはいないことを。


      あれから何年経っただろう?

      俺達はこうして日が落ちるたびに互いを求めることが多くなった。

      もう、二度と離さない。

      卒業式の日、そう、心に決めた。

      お前の左手の薬指には、今も俺が渡したクローバーの指輪が光っていた。


      なぁ、


      これを俺がどんな気持ちで作ったと思う?

      今度こそお前を離さない。

      これが完成したら絶対告白しようと思っていた。

      『あっアッ!』

      唇をの敏感な所まで這わすと、いつもお前はビクッと体を震わせる。

      そんなに俺の愛撫で感じてくれるとこっちまで熱くなってくる。

      『んっ……あっ……』



      の中は熱くていつも甘い匂いがした。

      それがいつも鼻を掠めるたびに俺はクラッと来てヤメられなくなる。

      指の本数を増やすたび、分身は俺を締めつける。

      『あっ、んっふっ』

      腰を揺らす回数を増やすたび、お前は女の声で俺を攻める。

      なぁ、

      お前のためなら俺は王子様にでもなれる。

      その光るクローバーの指輪に誓ったようににも言えること。

      それは…。

      あの頃よりも、お前を愛している。



      ♯後書き♯

      皆様、こんにちは。

      Trial46「王子様」は如何だったでしょうか?

      そして、久し振りに「ときめきメモリアルGirl’s Side」の葉月君を

      作業してみました。←ごめんよ、

      葉月君(泣)

      そして、久し振り作がこんなに短くてごめんよ!

      言い訳でも哀れみを買って欲しいわけではありませんが、この作品を書き上げ

      ている最中も後書きを書いている現在も頭痛が酷いです。

      かと言って、昔の古傷が偏頭痛のように痛むだけですからあまりお心を

      痛めないで下さいね。

      病床で書いた作ですが、どうぞごゆるりとご覧になって下さい。

      それでは、またの次回をお楽しみ下さい。