Trial9―――お風呂―――
なぁ、丹羽。
たまには風呂に入るのもいいな。
俺はいつもシャワーで済ましているから。
でも、こうして顔を赤らめているお前と真向かいに入ると、
自然とそう思える。
『…あんまりこっち見ないでよ。恥ずかしいから……』
丹羽は一度だけ俺の方を見ると、蚊の鳴くような声で呟いた。
今、俺たちがいる日渡家には誰もいない。
お父さんは、いつも帰ってこないことが多い。
だから、俺は敢えてお前を連れてきた。
そう言えば、浴槽で誰かと向き合うのは初めてだなと思えば、
俺の中の欲望が疼き出す。
『ど…どうしたの?日渡君』
怯えきった顔をしたって俺の欲望が増加するだけだって丹羽も
知っているはずだ。
そんな解りきったことを俺に尋ねるなんて今は、単なる俺を誘って
いるしかみえない。
『欲しい…』
お前の耳元でそれだけを囁く。
敏感な丹羽は俺の声だけでイクのを知り尽くしている。
肩を掴んだまま唇を求め、お前が放つ吐息と共に舌を絡める。
お湯は40度に設定したわけでもないのに、互いを求め合う
俺たちにとっては熱湯に近かった。
胸の突起を味わってから下腹部に手を伸ばす。
登りきったお前を待たすほど俺は強くない。
壊れ物を扱うかのように両手でそっと握り締めれば、もう、戻れない。
何回も丹羽を抱いて何度も愛を囁いた。
だから、もう、聞き慣れてしまっているだろう。
お前の足を持ち上げそのまま腰を抱き寄せる。
もう一人の硬い存在が甘い蜜を溢れ出している。
最奥を目指す俺と押し寄せる快感に拒む丹羽。
浴室に木霊する自分の声と甘く刻む音に俺たちは白い湯船で果てた。
なぁ、丹羽。
俺をいつも温かく包んでくれるのはお前だけだ。
♯後書き♯
皆様、こんにちは。
Trial9「お風呂」は如何でしょうか?
今作で初めて「D・N・ANGEL」を裏BLにしてみました。
日渡×丹羽。(爆)
実は、彼らを最初原作で見た時に作業してみたいと思ったのが
今回のお二人です。
あれから五年後にやっとup出来たと、感無量状態で失礼しました。