「ほんとうに、ありがとうございました!」
「こちらこそ、君との演奏で初心に帰ることが出来た」
「楽しかったよ、火村くん」
「今日の演奏で…玲に俺の気持ちが上手く伝わったかどうかはわかりません。
だけど俺はこれからも、玲に伝わるような音を探して行こうと思います」
「上手くいくといいね、ふたり」
「…香穂子」
「え?」
蓮が指さした窓の向こうには、
裏口から出て行った優樹のもとへ駆けていく玲の姿があった。
「あれ…?」
「どうした?」
「今、リリがいたような…」
星奏学園コンクール 第1セレクション終了後、
新たにコンクールに参加を決めたヴァイオリン奏者が、
再びヴァイオリン・ロマンスを起こすのか…
…それはもう少し、先のお話。
「終わったねーっ…」
ふたりは屋上に上がって来た。
「ああ。そして俺たちはまだ始まりにすぎない」
「うんっ頑張らなきゃ」
「あたし…今ここで、蓮の隣にいられて…幸せ。」
「香穂子」
「ん?」
「…その…」
蓮は俯くと、そっとポケットから、小さな箱を取り出した。
「え…」
蓮は香穂子の手を取ると、指輪をそっとはめた。
「蓮…」
「受け取って欲しい。
俺は、これから先もずっと…ずっと、香穂子と音楽を続けていきたい。
ずっと側で君の音を聴いて、俺の音を聴いていて欲しい。
…結婚しよう、香穂子」
「れ、ん…」
香穂子は蓮の首に抱きついた。
「ありがと、蓮!!
あたしもずっと蓮のそばにいたい。
ふたりならきっと、もっと最高の音に出逢えるよ!!」
7年前。
ふとしたきっかけで出会った、ふたりのヴァイオリニストは、
いつしか、恋におちた…
誓いのキスを交わすふたりを、沈みゆく夕日が照らし続けていた。
誰もが夢見る、ヴァイオリン・ロマンス。
金色のコルダで結ばれたふたりの愛は、永遠に───────
あとがき
初のコルダドリームとなりました。
ラストまで随分時間がかかってしまい、ご迷惑おかけしましたっ;;
歌穂の素敵なサイトに私の作品を置いていただく以上、
何とか納得のいくものに仕上げたかったのですが…
少しでもふたりの未来を楽しんでいただけたら幸せです。
月影れゆ
†ありがたくもない柊沢の感謝状†
れゆ、今回も参加してくれてありがとう!
ご多忙にも関わらず、作業して頂いたのでこちらとしても敬意を表さねば、
とこのような壁紙を設定してみましたが、気に入ってくれると嬉しいです。
そして、連載無事終了おめでとう!!(拍手)
二人の未来が月森君たちのようになれば良いなぁと、願うばかりです。
それでは、これからもよろしくお願いしますね。