どれくらい経っただろう。

      僕はに笑って欲しかっただけなんだ。

      あの頃、君のお父さんが経営しているバーに酔ったばっちゃんを僕と兄さんと

      ウィンリーで迎えに行くのが日課だった。


      昔は僕達の父さんも良く付き合っていたみたいだと言うことをおじさんから

      聞いたことがある。

      でも、必ずそのことを聞くと兄さんは怖い顔をしていつも父さんのことを悪く

      言っていた。

      一歳しか違わない兄弟だから兄さんも父さんの記憶はないはずだ。

      だけど、兄さんは何かを僕に隠しているような気がして仕方が無かった。

      酔ったばっちゃんは、まだまだ子どもだった僕らがどうにかできるようなもの

      ではなくて、本当に泥酔した時はおじさんにお願いしてウィンリーの家まで

      送ってもらったよね?


      ねぇ、

      僕らが幼い時、良く遊んだよね。

      カード遊びすれば兄さんがズルするし、ウィンリーがよくみんなで遊べるおも

      ちゃを作ってくれた。

      だけど、僕はいつも不恰好なものしか練成できなくていつも居心地が悪かった。

      でも、君はいつでも笑ってくれた。

      それだけで僕は何も入らなかった。


      だけど、はあの日から変わった。

 

 


      いつでも笑ってくれたのに、今はもう笑わない。

      僕の知らない父さんやばっちゃんが通っていたバーは内乱に巻き込まれて跡形

      もなく崩れ去ってしまった。

      その中にいたはずの君達がもう、助からないんじゃないかって心の奥で諦め

      掛けていた。

      だけど、は崩れ去ったバーの残骸の前に座り込んでいる。

      僕達は急いで駆け寄ると、君はまわりを気にしないで大声を上げて泣いていたね。

      そんなを思い切り僕は抱きしめた。


      泣かないで欲しい。


      いつものように笑わなくてもいい。


      けれど、今何かに苦しんでいるのなら僕がそばにいるから泣いても良いから……

      だから、せめて明日にはいつものように元気になって欲しい。


      でも、それは叶わなかった。

      後から知ったことだけど、おじさんは崩れる寸前、だけは無事でいて欲しいと

      力の限り突き飛ばしたらしい。

      もし、自分と逃げていたら二人とも助からなかった。


      それならば、自分の宝である君だけは助かって欲しいと願って…。

      あれから月日が流れて僕達はあの頃より大人になった。


      だから、……なのかもしれない。

      大人になったからこそ、次第に知ってはならない事実を目の当たりにしてしまった。


      あれから全く笑わなくなったを僕は救いたい。

      でも、そう思った僕自身も笑えなくなった。

      ねぇ、

      僕が元の姿に戻ったらその時は君に触れたい。


      良いかな?


      もう一度、幼い頃何度か感じたの温もりを知りたい。


      今はあの頃よりうんと成長しているはずだからきっとモテてるだろうな。

      絶対笑わない少女として。



      どこかの偉人さんが描いた絵画の良さは、僕は解らない。

      だけど、僕はそんな君をキレイだなんて思わない。

      笑ってこそ僕の大好きななんだ。

      あぁ、またこんなことやっていると兄さんに茶化されそうだから今日はこの

      辺で……。

      じゃあ、また書くね。

      僕の大好きな

      愛を込めて…



      #後書き#

      うわっ!恥じらいないー。

      ん〜…でも、もともとこんなキャラなのかも。(ある意味大物?)

      何か、最近、小説の変わりに早く更新をするために始めたこの手紙も段々、

      遅くなっている気がするような……あぅぅ。(撃沈)