造られた身体。
作られたカラダ。
俺に与えられたモノなんてそんな出来損ないだった。
ひょっとしたらこの心自身もガラクタなんじゃないかって思う時がある。
だが、俺はそんな気持ちはいつも放っておいた。
誰に本当の俺が解るって言うんだ?
なのに…お前には俺が見えていたんだな。
『
月が赤く染まるってコトはあるのかな?』
そんなガキみたいなコトを聞いてくるはあと少しの時間しか生きていられない
らしい。
俺はどうだって良かったんだ。
ホントに…。
ただ、お前が変な奴だから傍にいるだけで、執着心なんてこの寄せ集めには
ないって思っていたのに…。
『エンヴィ……泣いてる…の?』
俺が泣く?
知らない。
そんなことは俺は何十年も生きているって言うのに、したこともなかった。
なのに、俺の目から流れる水は何だ?
腕で擦ってもこみ上げてくるものは何だよ?
ただ、目の前で息も絶え絶えの女を見ているだけなのに。
こんなのいつだって見てきたことだろ?
なのに、何だよこのザマは。
『ダイッ…スキダッ…タヨ……』
それだけを言い残しては本来俺が待っているはずの場所に逝った。
元々、病弱だったお前がここまで生きられたのは奇跡だったって医者が
言っていたぜ。
奇跡ねぇ。
俺はそんな言葉は嫌いだ。
聞いただけで反吐が出る。
なぁ、。
今夜の月をお前に見せてやったらどんな顔をするんだ?
最後にが口に出した言葉を思い出しながら夜空を見上げると、そこには見事に
赤く染まった月がいた。
なぁ、親父。
こんな壊れた俺をくれてありがとよ。
おかげで、月を見上げていると、雨が降るようになった。
♯後書き♯
久しぶりに「返事のない手紙」の方をupしました。
一応、「光と闇の間に…」は、よろず小説サイトなので、一重に「Trial」
と言っても何題も扱うことになるので、そっちの方に集中していました。(反省)
でも、その初を飾るのが死ネタでどうするよ、と突っ込みたくなりますね。(汗)
私自身は「やっとできた!」と喜んでいるわけですが。(土下座)
黒い部分が出ると、ホントにこういうネタができるんだなぁと、後書きを書いている
今、思っています。
それでは、ご意見ご感想をお待ちしています。