忘れて...
僕は中途半端な気持ちで女の子と付き合いたいなんて思っていない。
お互いを何度も求め合った夜も二人で迎えた朝もすべて僕の大切な時間。
だけど、ある日、君は先に起きたのか、窓の外を見ていたね。
僕はちょっとした悪戯心で背後からこっそり近づいて驚かそうと思っていた。
だけど、いざ近づくと...君は、泣いていたね。
変に胸をそらしている格好をしているから遠目ではは解らなかっただろうね。
その瞳に映っているのは涙で揺らいでいる夜明けの空?
それとも、僕らを待っていた別れ?
どうしたの?と、心配に訊いてみると、は僕の望んだとおりに驚いた顔を
したよね?
ベッドから数分間も離れた所為だろうか、君のきれいな指先が震えたような
気がした。
立夏を通り越したといっても、まだ早朝はうっすらと冷気を残している。
僕達はお互い惹かれあうように恋に落ちた。
そして、体を求め合うのもあの時までは当たり前になっていた。
だけど、。
君には、僕達の未来が見えていたんだね?
急に外国で一人暮らしをしているお祖母さんが倒れたから引っ越すことに
なったんだと
は泣きながら僕に話してくれたよね?
だから、僕達は約束をした。
ここで僕は待っているから。
君が君でいて欲しいから。
掌に残った温もりを愛しく思いながら、別れを告げた。
でも、それは今であって、永遠なんかじゃない。
が僕の前から姿を消してから一体、何回、陽が昇っただろう?
そっちはこっちのように晴れているのかな?
があの時、涙を流していた窓際にはサボテンが花を咲かせている。
それを見つめながらいつも君の姿を思い出すんだ。
ここで僕は待っているから...どこに行ってもは僕のものだよ。
君という花に彩られた僕は、道化師かい?
それでも僕はを放さないから...ね?
♯後書き♯
はい、皆様、こんにちは。
不肖の管理人の柊沢です。
今作品は、『テニスの王子様 LOVE OF
PRINCE』の彼の歌「花」
から頂いてきました。
それにしても、手紙作で初めて性的表現を使いました。
私はこの歌を何回も聴いている内に、作品にするのなら裏になるだろうなぁ
としみじみと思ってました。
それでは、ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。