親愛なる君へ
今日降る雪を見ていたらふいにあの時の君の顔を思い出してこうして今、
君宛てに届くことの無い手紙を書いている。
君が初めて草摩に来たあの日、君は泣いていたな。
私や十二支のために…。
その涙はいつかの存在に似ていた。
君、覚えているか?
私が君に「雪が溶けたら何になる?」と聞いた事があったな。
あれは、昔、大切な人から聞いたなぞなぞなんだ。
そして、答えも君、君と同じなんだ。
私は、その女性を愛していた。
だが、今は、もう、私のそばにはいない。
それは、呪いだから仕方のないことだった。
しかし、私はその瞬間だけ、普通のどこにでもいる男になった。
なぁ、君?
もし、紫呉や慊人が君を利用しようとしているのなら、君は逃げてくれ。
元々、君には縁もない話しだ。
だから、君には危害を加えたくない。
こんなことを言うのは、私としてはずいぶんと久しぶりなことだ。
今だって、自分のことながら驚いている。
私以外、十二支以外なんてあの頃から不安に感じることはなかった。
だが、今は、違う。
君を愛しいと感じている。
だからこそ、君を危ない目になんか合わせたくない。
そう、ちょうど佳菜のようになって欲しくないんだ。
俺は、……もう、あんな想いをしたくない。
だから、。
お前だけは逃げてくれ。
#後書き#
初はとりレターはいかがだったでしょうか?
彼もそうですが、十二支のみんなに幸せになって欲しいですね。
今はまだ、考えてはいないのですが、いずれフルバDream小説を書いて
みようかと考えています。
では、皆様のご感想をお待ちしております。