なぁ、

      俺、負けちまったよ。

      関東大会、最初の試合だった。

      氷帝が今年も栄光の全国を掴めるはずだったんだ。

      それが...俺が...。

      もう、お終いだ。

      先輩達は何とか慰めてくれたけど...俺があの時負けなければ、氷帝は勝てたんだ。

      俺さえ...俺さえっ、強ければっ!


      『自分をそんなに責めないでっ!!』

      失意で家路に着いた俺にお前はそう言った。

      俺達は、今では珍しい許婚同士。

      だからだろうか、には今日試合があると伝えただけなのに、俺ン家の前で自分の腕を

      抱きながら立っていた。

      その顔は不安気で、何かに耐えているようだった。


      お前には勝負の結果が解っていたんだな?

      俺の姿を見つけたは何も言わず、笑った。

      そんな顔をされたら、俺はどうすれば良いのかわかんねぇよ。


      『ただ、私を抱きしめてくれればそれで良いの』

      お前は、全て解っていたんだ。

      俺が無表情のまま誰にも惨めな自分を悟られたくなくて、帰ってきたことを。


      『や...んあ...あっ...』


      抱きしめて......ガキみてぇに泣きじゃくった。


      は俺より一つ年下なのに、ずっとしっかりしている。

      折り曲げた俺の背中を黙って擦り続けてくれた。

      そんなお前だから俺は惹かれているのかもしれない。


      『はぁっ......あっああ』

      明日は学校があるってのに、俺はを抱いた。

      お前を布団の上に跪かせるような形で、一つになった。

      自分から腰を揺らすお前が愛しくてつい、無茶をさせちまう。

      だから、俺の隣で寝ているお前に何度もキスをしながら好きだと何回も呟くんだ。



      ♯後書き♯

      皆様、こんにちは。

      「手紙」と言う作品が初めてな方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に申します

      と、Dream小説を一般に言われている詩のように短く手紙のようにキャラの気持ちを

      綴るというのが私の作業する「手紙」です。

      今作もそうですが、メニューにあります「返事のない手紙」はキャラが相手(Dreamで

      あれば、あなた)に渡さず思いのまま綴ったものです。

      それでは、これにて失礼しました。