何で、俺が卒業したガッコーのために模擬店手伝わなならんねんっ!
…なんて思うても他人に頼めんトコが俺の悲しき関西魂つぅヤツや。
うまいヤツは業者くらいで関東にはそないなヤツはおらんっちゅうのが
俺には理解できへん。
それに、キチョーな収入やなんだから文句ゆーても始まらへん。
一年時の担任が俺に「本場のたこ焼きを頼む」っちゅー言われて雇われたの
が今や。
せやかて、こう時間が過ぎて行くのをメチャ熱ぅ中で待ってるとそないな
ことを考えたくなるっちゅうもんや。
『来年の文化祭も一緒に来ぇへん?』
俺にしては珍しゅー弱気だった。
今までだって女の子を誘ったことは何回もある。
せやけど、。
自分は今までと勝手がまるで違うた。
俺が初めてに声を掛けてから俺と同じ輩が周りにおることを知った。
花見しておったら酔っぱらいのおっちゃんからあの守村が自分を守っとる
し、体育館裏で葉月と仲よぉ喋っておったり、三原がびしょ濡れになってと
喋っておったり、俺らが三年ん時の体育祭で走っとる瞬時に見えた保健室で
氷室センセが自分の手当てをしておったり、クリスマスパーティーの時
なんか俺らが話してるとオッサンが割り込んでくるし、スキー場でコーチの
バイトをしてると和馬がを背負っとるし、あと他にもあるけど、
一々挙げても切がないねんっ!!
なぁ、自分。
ほんまは誰がイッチャン好きやった?
その中には俺は入っとるやろうか。
後片付けを済まして独りの家に帰る。
この家ってこんなに広かったやろうか?
それとも虚しい気持ちでいる俺の心が見せてる幻なんやろうか?
ソファーにどっかしと座ると、朝忘れていったケータイが充電器の上で
点滅してるのが見えた。
俺はため息を吐いてそれを手にすると、目を丸くした。
それは、今、俺の気持ちを暗くしている張本人だったからや。
俺は急いで開いた。
『今日は、約束を破っちゃってごめんね。急に今日シフトの子が風邪で来れ
なくなっちゃって仕方なく私が代りに入っていたの。バイト終わったから
今からそっち行くね!』
切羽詰った走り書きでも良かったんや。
が俺との約束を覚えていてくれて守ろうとしてくれただけでメッチャ
幸せな気分だわ。
せやけど、どうしよか?
ちょい怒ってみよか。
…なぁ〜んてな。
そないな悪戯を考えたって自分が笑えば俺は何もできなくなる。
なぁ、。
卒業式で言えんかった俺の気持ちをこの返事のない手紙なら言える。
俺は、自分のことが好きやで。
♯後書き♯
皆様、こんにちは。
「Freedom」第二作目姫条Dream手紙は如何でしょうか?
前作は裏夢でしたので、今回は健全を作業して見ました。
それでは、これにて失礼しました。