クリスマスツリーと願い


      12月24日。

      はばたき市はクリスマス一色に染まり、夜のネオンも今日ばかりは年に一度の光を

      放っていた。

      プレゼント片手に走る男性。

      自分より大きいプレゼントを抱える子供の手を引く優しい母親の笑顔。

      駅前には人々が思い思いの場所に行き来し、幸せそうな顔をしている。

      高校三年生最後のクリスマス。

      はばたき学園の近くにある天之橋理事長の邸で毎年催されるパーティーには、多数の

      学園の関係者が招かれる。

      その中の一人である髪を肩の上まで伸ばした少年は一通り、知人に挨拶を済ませると

      ベランダに出て一息吐こうとした。

      元々、人ごみが好きではない彼は誰にも気づかれないように閉められた2メーターはある

      のではないかと思われる大きな窓から音を立てないように寒い空気の中に躍り出る。

      外は漆黒の暗闇。

      こんな街中でも光り輝く星々が点々と存在していた。

      吐く息はやはり白く、後ろを振り返れば少し髪を引かれる気がした。

      目の前にはこの邸に似合っている大きなクリスマスツリー。

      たくさんの飾り付けが施され、聖夜をより一層彩ってくれる。

      こうして、この樹を見上げていると昔のエピソードを思い出してしまう。

      まだ、この少年守村桜弥の家がたくさんの笑い声で満ち溢れていた頃、 毎年この日が

      来ることを心待ちにしていた。

      しかし、いつの日からかサンタの存在を信じなくなった。

      それからだろうか、急に家の中がギクシャクしだしたのは…。


      「あの頃は良かったなぁ…」

      「何が良かったの?」

      「うわっ!?さん!」

      不意に掛けられた声に振り返れば、同級生で大好きな彼女であるが立っていた。

      赤いドレスにピンクの花柄のショールを掛けた少女が微笑みながらあの頃の母親のように

      近づいてくる。

      「えぇ、少し昔のことを思い出していたんです。そういえば、あなたは何歳までサンタ

       クロースを信じていましたか?」

      「ん〜……本当は今も何だけど、いないかもしれないと思い始めたのは、小学六年生

       の頃からかな」

      片方の手で頬に触れて考える仕草をする。

      「さんは純粋なんですね。僕は五歳で信じなくなりましたよ」

      「えっ…?」

      言葉を失った顔は予想した通りで、彼女がそんな顔しなくて良いんだとできるだけ

      優しく微笑んだ。

      その隙に自分が羽織っていた深緑のストールで少女の体を包む。

      そう、あの時もこんな風に父親が母親に寄り添っていた。

      背の低いあの人を抱きしめていた。


      「ちょうど今頃の時間、僕は何だか眠れなくて居間にいるはずの家族の所へ行きました。

       すると、サンタ・クロースが母親にキスをしていたんです」

      「えぇ!?」

      想像したとおり、は衝撃の事実を知ったかのように体中を固まらせる。

      声と共に唇から発せられた息はそのまま雪と化してしまうほど白かった。

      「当時の僕は母をサンタクロースにとられたのが悔しくて思い切り長い顎鬚を

       引っ張りましたらそれはのびて代わりに覗いた顔は、父だったんです

      終わりに近づくと、少年の顔は発した言葉とは違って悲しみに溢れていた。

      細めた瞳にはうっすらと遠い日が過ぎっている。

      楽しみにしてきた聖夜。

      プレゼントを届けてくれる優しいお爺さん。

      赤々と室内を照らす彩り鮮やかなキャンドル。


      その全てが彼の大切な家族との思い出。

      そう、この目の前にあるクリスマスツリーでさえ…。

      「桜弥君……っ」

      「…えっ?」

      急に彼女が自分を呼んだかと思えば、強く抱きしめられていた。

      「さんっ!?」

      対して身長の変わらない二人の影は一つのものに変わる。

      鼓動が高鳴り、それは聖夜に響くどんなメロディーよりも甘く彼女へと伝わっていた。

      彼の顔は熟れたトマトのように真っ赤になっている。

      「悲しまないで…独りで悲しまないで……私がそばにいるから。だから……」

      そこまで言って途切れた。

      首に回された腕が力強くなっている。

      「さん?」

      「……」

      世界中で一番愛しい名を囁いてもその答えはなかった。

      確かに伝わるのは彼女の激しく脈打つ鼓動と精一杯の腕の温もりである。

      この行動は、自分が起こさせているのだと考えるだけで少年の心に愛しさが胸に

      押し寄せてくる。

      「すみません。僕は…あなたを悲しませるつもりはありませんでした。僕のために

       そんなに悲しそうな顔をしなくて大丈夫ですよ。これでも僕結構タフなんですよ」

      「桜弥君…」

      ようやく彼女が彼を見上げる。

      その顔はいつものように優しいものだった。

      だが、この少女は何を思ったのか顔中にしわを寄せ、自分の中で決意が固まったのか

      頬を染めて彼に近づく。

      「えっ!?」

      だが、一瞬で元の位置に戻ったは顔中を火照らせていた。

      触れるか触れないかだったが、二人が付き合いだしてから初めての彼女からキス。

      いつも一方的に奪ってきたものとは違った甘い感覚。

      彼女は少年から少し離れた所で指をもじもじさせながらこちらを見ていた。

      「こっ、今年はなかなか良いプレゼントが決まらなくて……そのぉ…」

      口篭もる仕草が幼く思え、一生懸命弁明を述べる少女に気づかれないように笑う。

      「僕へのプレゼントだったんですね?ありがとうございます。嬉しいです。さんから

       してくれることが無かったから僕が一方的に想っているのかなって思ってました」

      「そんな訳ないでしょ!私も桜弥君のこと好きで好きでしょうがないもの!!…あっ」

      言ってから自分がとても恥かしいことを口にしていることが解り、穴が合ったらは

      入りたい気分に陥る。

      ささやかなキスだったが、唇に呪文を掛けたつもりだった。

      もう、独りで悲しまないように……その悲しみを自分も支えられるように…

      それで彼が楽になるのなら……

      「ねぇ、桜弥君。私じゃ、あなたの支えになれない?」

      「そんなことはありませんよ。僕はこうしてさんと一緒に居られるだけで勇気が出るし

       気持ちが安らぐんです。本当に不思議ですね。あなたは」

      彼はまた微笑み、今度は自ら唇を求めてきた。

      それは先程の彼女とは違い、深いもので軽い眩暈のようなものを感じさせる。

      「んっ…」

      思わず漏れてしまった自分の声に驚き、思わず口を開けてしまった。

      それが少年自身を誘う行為になろうとは考えもしないで。

      彼の細い体のどこにあるのか少女の両肩をしっかりとした力で押さえつけ、

      自身を口内に侵入させる。

      直ぐ自身を探し当てるとそれに自分のものを絡めた。

      「んっ……ふぅ」

      ようやく状況が飲み込めた少女は瞳を強く閉じ、荒々しくなった息を彼に聴かせる。

      その声だけで理性がどこかに飛んでしまいそうだ。

      しかし、それは外気の寒さでどうにか保てた。

      唇の端に銀の糸を伝わせて放すと、天空から白い贈り物が舞い降りてくる。

      それは降り始めの雨のように濡らすだけのものだったが、次第に空中を浮遊する数を

      増やし地上に生きるもの達へ存在主張をし出した。

      二人もそれに目を奪われ、暫くの間それを眺めた。

      この雪は積もるかもしれないが、それは永遠のものではない。

      いつか溶けて消え失せてしまう。

      だから、この舞い降る白い天使のようになんて例えない。

      どんな美しい花だって色あせてしまう。

      強いて例えるとしたらそれは思い出のかけらを集めたのが恋とか想いというものなのでは

      ないだろうか。

      少女の肩をそっと抱き寄せ、もう一度それを見上げて天之橋邸に入るよう促す。

      すっかり冷え切ってしまっただろうと心配をしていたが、可愛らしいことにまだ鼓動が

      脈を打っていることに気づいた。

      笑いをどうにか堪えてみせるが、それと一緒に理性が再びどこかに飛んでしまいそうで

      胸が苦しかった。

      「さん……すみません……辛かった、ですよね?」

      「…うん……でも、私……桜弥君なら」

      その続きを言わせる前に彼女の唇を奪った。

      それを耳にしてしまった瞬間、穢れを知らない少女をどうにかしてしまいそうだ。

      心臓は狂ったように脈打っている。

      でも、それは彼だけではなかった。

      驚いて放した唇からそれが聞こえてしまいそうだ。

      「私…」

      何かを伝えようとして赤面する彼女が狂おしいほど愛しい。

      もう一度、軽く口づけを交わし、その体を引き寄せた。


      「その続きは言ってはだめです。…いくら鈍感な僕でも……その一言でさんを奪って

       しまいたくなりますから」

      「そんなこと構わない!私を…私を奪って下さい……」

      「っ!?」

      彼の中で何かが音を立てて崩れ去る。

      それが始まりの序曲なのか破滅へのものなのか解らなかった。

      ただ自分の背中に回された彼女の腕は、その言葉を証明するように強いものだった。


      天之橋邸で催されたクリスマスパーティーはお開きになり、後は教師の目を掻い

      潜った生徒達の時間である。

      仲間同士でゲームセンターやカラオケに行く者や恋人と待ち合わせて夜の闇へと

      消えて行く者など様々だ。

      その中には当然二人も入っていて、教師に見つかれば優等生である彼らがどうして、と

      嘆かれるだろう。

      だが、それは意図的なものではなく極自然なことだった。

      無意識に惹かれ合った二人は当然のように付き合いだし、今はこうして互いの家を

      行き来する仲にまでなった。

      天之橋邸を後にした彼女達は一言も喋ろうとせずただ、アスファルトの冷たそうな

      バージンロードを見つめて歩いている。

      沈黙が重く圧し掛かって気が利いた言葉が思いつかなかった。

      本当のことを言ってしまえば、自分がこの少女に酷いことをしようとしているのではと

      思えて怖かった。

      彼女が好きで他の誰にも奪われたくなくて、卒業式を待たずあの教会の下で

      待ち合わせをした。

      約束の時間ぴったりにそこを訪れると、いつもは重い扉で閉じられているのが今日だけは

      守村を迎えるように観音開きをしていた。

      中に入ると真紅のバージンロードの先にが待っていて、まるで花嫁のようでドキドキした

      ことを今でも覚えている。

      もし、俗に言う勇気があれば、校舎から離れたこの場所を選ばなかっただろう。

      しかし、この少年は教会に伝わる言い伝えを信じていた。

      それは様々な噂話からこれがいいと思ったものをノミネートしたものだが、縁結びのような

      場所であることは解っている。

      そして、その効果は合った。

      目的地である彼の自宅に辿り着くと、二人は歩みを止め、一息を吐くように足を進める。

      新しい建築が人気な中で、この少年の家は日本家屋で、庭には上品な空気を漂わせる

      インテリアが置かれていた。

      「お家の人は?」

      ようやく耳にした少女の声はどこか震えているように聞こえる。

      「今夜は僕、一人なんです。父が大学病院の方に呼ばれて出かけてしまって帰ってくるのは

       明日の昼になるんですよ」

      「そう、なんだ…」

      「……はい」

      玄関に靴を揃えて上がると、直ぐ傍に彼の部屋がある。

      通い慣れているはずの場所は暗闇の所為かいつもとは違った風に見えた。

      「本当に良いんですか?もう、後戻りはできませんよ」

      ここに来るまでの間、ずっと胸の内で考えていた疑問を隣に居る少女へ言う。

      しかし彼女は儚げな微笑を浮かべて彼の頬を撫でた。

      それは今にも消え入りそうで、この手で捕まえていないと、陽炎と化してしまいそうだ。

      「…私……桜弥君のこと大好きっ」

      「さん…っ……愛しています!」

      彼女の可愛らしい唇にもう一度深みのあるキスをし、互いを絡め合う。

      その際に漏れる声の一つ一つが愛しくてそれをもっと聞きたくて、新たな快感を与えようと

      首筋に流れる銀の液体を舌で舐め取った。

      その都度、少女の体は女性のものとなり、守村をどんどん奥へ誘っていく。

      清潔そうな白いシーツを敷かれた敷布団の上に、生まれたままの姿で抱き合った男女が

      頬を染めて見つめ合っている。

      枕元にはお互いの衣服がきちんと畳まれていた。

      部屋中のあちらこちらには植物のツルが存在し、闇の中だと異様に不気味なものに変わる。

      彼女も何度かそれに驚いて、少年に抱きついたことがあった。

      組み敷いた形を取ると、軽く口づけ、体中に赤い証を残す。

      「あっ……っ……桜弥君っ…ぁ」

      「声を殺さないでっ……さんの声を…僕の名を聞かせて下さい…」

      形を変えようとしている二つの丘の頂きを口に含み、舌先でころころと転がす。

      もう片方は掌で包み、そこを揉んで攻め続けた。

      呼吸と共に荒くなっていく少女の声が、次第に女性のものへと変わっていく。

      「んっ…あ……んんっ」

      それだけで刺激に酔いしれてしまいそうなのをぐっと堪え、彼女の一番敏感な部分を触った。

      「アっ!?サクヤ…君……だめ…」

      そこは既に濡れて、彼の訪れを今か今かと首を長くして待っているかのようである。

      触った瞬間、体中を奮わせた少女は何かに溺れているのか、頬を蒸気させたまま守村を

      見上げていた。

      可愛い……

      その瞳にはうっすらと涙の影が映っていて思わず見惚れてしまう。

      「大丈夫、ですよ……僕にさんの一番キレイな場所を見せて下さい…」

      「でも……」

      「大丈夫です。僕はあなたの全てを知りたいだけですから…」

      彼女は渋々開脚すると瞳を強く閉じた。

      自分の最も醜い場所を見られたくないからなのか、はたまたその場所を見せることで

      彼の想いが変わってしまうのではないかと恐れたのか閉じられたそこからは雫が零れる。

      少年はそれを唇で拭い、開かれたそこに顔を寄せてじっと見つめた。

      「やっ……そんなに見ないで」

      「どうしてですか?こんなにキレイですよ。あなたをもっと欲しくなる……」

      唇から舌先を出してちろちろと彼女のそこから溢れ出る蜜を舐める。

      「あっ……あぁ…んぅ…ダ、メ…そんなっ……キタナイ」

      「さんは汚くなんかないですよ!寧ろ、清楚で誰よりも素敵です。だから、僕は

       あなたが好きなんです」

      そう言うと、指を秘部に刺し込み、ぐるぐると円を描くように動かした。

      新たな快感に酔いしれながら、先ほど彼の口にした事を考える。

      今、こうして守村に愛されているが、その後はどうなってしまうのだろう。

      俗に言えば、処女ではなくなるので「穢れた体」ということになる。

      ということは彼の言う「清楚」ではなくなるわけで、もう、自分を愛してくれ

      ないのではないだろうか。

      そう思うと心配で激しい痛みに堪えながら、少年を見上げた。

      だが、彼は何かを考えているようでそれには気づいてくれない。

      「あっ、サク……あぁ…」

      口を開けばそれは彼の名を呼びたくとも鳴き声に変わってしまった。

      もし、先ほどの自分が考えたことが事実だとしたらどうしよう。

      そんなことを考えていると甘い痛みよりも鼓動が高鳴って呼吸が苦しかった。

      「そろそろさんの中に入りますよ」

      自身を少女の敏感な部分に宛がう。

      待って、と言いたくてもそれが怖くて口に出せなかった。

      今はまだ、今だけは彼に抱かれてしまいたい。

      例え、抱かれた後に別れることになっても後悔しないように。

      「あ、ああっ……アアッ!!」

      「んっ…さんの中は気持ち良いですっ……熱くて…僕を締めつけてくる……っ!」

      「いやぁ……ぁ、んんっ」

      繋がった部分が、最奥を目指す彼自身が、少女に激しい痛みを駆け巡らせる。

      「…さん…好きです……愛していますっ!」

      「サクヤっ!んぁぁ・・んっんっ・・・はぁぁぁんっ!!」

      その言葉を聞いた時、彼女の中の迷いは朝靄のように守村桜弥という太陽の中に

      消えて行った。

      彼はこんなにも純粋に自分の事を想っているんだと再認識をして今までの自分が

      恥かしかった。

      だから、言おう。


      世界中が明日に儚く終わってしまったとしても、愛していると…


      「サクヤっ…く……私…」

      「くっ!さんの中……気持ち良いです。僕を締めつけて…イキそう……」

      それを耳にして我に返る。

      今はこんなことを口に出来る状態ではない。

      口を開けば押し寄せる快感に喘ぎ声を上げてしまう。

      「んぁっ……私も…イキたい……」

      「ではっ……イキましょう…っ!」

      「ん…あ、アァ!」

      自分の体内で何かが飛び立つのを感じた後の意識はそれのように消えて行った。




      「…ねぇ……桜弥君」

      「何ですか?」

      そのままの姿で抱き合った二人は気がついてから何度も口づけを交わした。

      彼女は彼の顔をじっと見ながら言い迷っていた事を訊いてみる。

      「私のことを……もう……処女じゃないけど、こんな私のことを愛してくれますか?」

      「さんっ?!」

      思ったとおり、少年はこれ以上ないくらいに驚いた顔をした。

      自分でもこんな質問するのは、ばかげていると思っている。

      だが、それでも尋ねずにはいられなかった。

      数分間、だらしなく口を開けていた少年は優しく微笑んで少女の髪を触る。

      ドキっ!?

      その指使いが妙にいろっぽくて鼓動が高鳴り出す。

      「すみません……僕があんなことを言ったからずっと気にしていたんですね…」

      「…うん」

      その瞳にすがるように見つめると、それは愛しそうに笑った。

      「僕が言ったのはあなたの性格ですよ。いつも見ていてそう思うんです。だから、

       卒業式まで待てなかった」

      「桜弥君……ごめんなさい、あなたの気持ちを考えなくて……」

      「仕方ありませんよ。僕がそんな言い方をしてしまったのが悪いのですから」

      彼はどこまで優しいのだろう。

      この人こそが「清楚」と言う言葉に一番近い気がした。

      「私…ずっと桜弥君に伝えたかったことがあるの…」

      「何でしょうか?」

      「もし、世界中が明日に終わってしまったとしても、……私はあなたを愛しています」

      「さんっ!」
      

      思いもしなかったのか少年は瞳を丸くして彼女を見た。

      それには涙さえ浮かんでいるように思え、こちらも目頭が熱くなる。

      「あはっ……やっぱり、恥かしいよね。「愛している」なんて」

      「はい。でも、僕はもう慣れましたよ。あなたをずっと心の中でそう言い続けましたから…」

      「…桜弥君」

      その言葉で胸が一杯になり、謝罪も込めて自ら唇を重ねた。

      「好き…」

      「……僕もさんが大好きです」

      暗闇で抱き合う二人の他はいない。

      いつもはただ空虚な寂しさがあった少年の心は彼女によって満たされる。

      クリスマスツリーに掛けた願いはずっと、のそばにいられますようにだった。

      一方、彼女の願いは守村が幸せにいられますようにだった。

      一方通行だと思ったその望みは意外に繋がっていたのだ、と後で知ることになる。

      その頃にもどうか一緒に笑え合えますように…。




      ―――…終わり…―――




      #後書き#

      
後書きというより反省文です。(土下座)

      
当初は裏物ではなかったんです。←反省文というより懺悔?

      表物のつもりが異様に短く終わってしまってどうしようと考えた揚げ句の果て裏作に

      という有様でございます。(爆)

      
一作でもろくに出来ないものが何作も抱えるのは、やはり駄目ですね。(笑)

      
しかも、桜弥君のキャラ変わっていたし。(汗)

      
冷静に女子を抱くお方だとは知らなかったと言おうか新たなキャラ発見?

      
うわっ、造語ならぬ造キャラを作ってしまいました。(滝汗)

      
それでは、皆様、メリークリスマス!←英語が駄目な柊沢はカタカナです♪