あ〜、こんなことを書いているなんて他のヤツラに知られたらぜってぇ
何か言われるだろうな。
特に、綾女に。
アイツは何を言うかわかんねぇし、とにかく神出鬼没だから何処から湧いて来るか
わかったもんじゃねぇ。
でも、俺はこれを書かずにはいられない。
......いや、書かなければならない。
俺はずっと草摩に、十二支に入りたかった。
物語では鼠に騙された猫。
アイツが悪いのに、俺たち猫はそれだけで仲間外れかよ。
ふざけんなよ。
ガキの時、最初に聞いた時、そう思った。
何で猫はダメなんだよ?
何で悪いことをした鼠は特別なんだよ?
どうして俺はこんなに惨めなんだよ?
誰かっ...誰か、教えてくれよ。
望んでもない生活。
迫害を受けている日常。
常に代わらない時の流れ。
...終わっている人生。
猫憑きで生まれてしまった者への仕打ちがあのバケモノなのか?
神ってヤツが本当にいたら教えてくれよ。
鼠の方が一方的に悪いのに、問答無用で猫が悪いのかよ。
どうすれば好きになる。
どうすればこっちに振り返る。
それは、神にも他の十二支にも家族にも向けられていた願い。
あの人達は、俺を見ようとはしなかった。
父親は母親を責め、母親は愛情で俺を責め続けていた。
全てを愛してくれなくて良かった。
それは俺自身をちゃんと見てくれていること...。
......だけど、それは叶わなかった。
狂ったあの人は勝手に死んでいった。
俺のせいじゃない、俺のせいじゃないっ、俺のせいじゃない!!
馬鹿のように何度も同じ事を言っていると、全然知らないヤツに声を掛けられた。
それが、師匠との...親父との初めての出会いだった。
父親に捨てられた俺は連れられるがまま、師匠の道場で厄介になった。
本当は隙を狙って逃げるつもりだったが、そのたんびに見つかっていつの間にか
武道を習うようになっていた。
それは新鮮でいつまでも幸せが続くように祈った。
だが、そこに由希がいた。
アイツは俺達を騙した薄汚い鼠だ。
そんなヤツが猫憑きの俺の前で何しに来たんだよ。
嫌われ者の俺とは違って何でも出来て何不自由しない由希。
俺はぜってぇ許さねぇ。
アイツさえ居なくなれば、由希さえ居なかったら、俺はその溝を埋めるために迎えられる。
そう、自分自身で納得するように何度も念を押し、俺はアイツを襲撃しだした。
けど、流石といおうか、由希の野郎、全然ヤラレやしない。
これも鼠憑きに生まれた特権てヤツなのか?
何故、俺は努力してもアイツに勝てないんだ?
何故、俺は弱いんだ?
師匠が旅立つあの日、俺は山で修行することを決めた。
由希に勝つため...十二支の仲間に加わるため...俺を今まで侮辱してきたヤツらの
鼻を明かしてやるためと俺は思い込んでいた。
それが、寂しさだと気づいたのはと知り合ってからだった。
お前はそんな俺が、十二支の猫が好きだと言ってくれたな。
俺のために涙まで流してくれたんだな。
なぁ、......。
サンキュー、な。
全然解らないのに、無理して俺なんかに接してくれたあの日。
一人で泣かせてしまう所だった大晦日。
お前の母親の墓参りに行った時。
本当の姿になった俺を癒してくれた瞬間。
色々、に伝えたいことはたくさんあるのに、いざとなると言葉にすることができなくて
今、こうして手紙を書いている。
だが、これはお前に届くことのないもの。
この手紙は一生、に渡すことがないだろう。
もし、渡すとしても、それはお前の前にいないころだろう。
俺はもう直ぐ、強制的に幽閉される。
師匠の祖父さんが居たあの場所に...。
それでも、俺はといた時間を忘れない。
だが、お前は俺のことを忘れろ。
......頼むから......忘れてくれ。
俺といた時間を、草摩夾と言う存在をの頭の中から消してくれ。
お前はどうし様もないくらいお人好しだから泣くかとんでもないことを
ヤラかすに決まっているからな。
心配するなよ、俺なら大丈夫だ。
紫呉の家で、と過ごす今があるからどうにか一生を閉じてやるさ。
だから......泣くな。
あの日のように...。
#後書き#
あははは...自爆ものです(土下座)
ラブポエムになりませんでした。(ぼ〜ん)
コレなら先に書き上げた由希君の方がまだましのような気がします。
どっちかと言えば、過去の人生が大幅を占めてしまい、期待されていた方は申し訳ありません。
次回は頑張りますので、何卒宜しくお願い申します!