なぁ...

         お前はもし、俺が突然消えたらどう思う?

         悲しむか?

         それとも、何事もなかったように過ごすだろうか?

         いや......お前と何日間もずっと同じ屋根の下で暮らしていてそれはない。

         むしろ、だったら死に物狂いで俺の姿を探すだろう。

         独りきりでいた俺の中に簡単に入ってきたお前はどこでも、どんなヤツの

         中にもは入れるマスターキーを持っている。

         答えなんていらない。

         今さえ幸せであればそれだけでいい。

         閉ざされたはずの俺の闇にそう話しかけてくるのは、いつだってだから。

         刻まれた時を超えてお前とこの現実から逃げ出せたら...。

         ......何て、俺の独りよがりな泣き言だろうな。

         だが、俺の心はいつだってそう思わずにはいられない。

         まもなく、俺は草摩家に監禁される。

         この事実はお前には話さないでいよう。


         のことだ。

         また、草摩家に押しかけて慊人と何かやらかすに違いない。

         頼むから......もう......そんなことはしないでくれ。

         俺はいつだってお前のことが心配で、それは他のヤツらだって思ってる。

         他人には当然自分自身でさえ信じられない俺たち。

         なのに、はそんなことなど気にせず笑ってくれる。

         物の怪憑きの呪われた体ということも忘れさせてくれるお前の温かさ。

         俺は、そんなだから好きになった。

         いつまでも一緒に暮らしたい。

         こんな返事のない手紙に想いを綴る術よりも直接お前に伝える術を選びたい。

         でも、そんなことはできない。

         俺は他の十二支よりも猫憑きだから。

         戒めが余計に働いている。


         それでもは、微笑んで外してくれるのだろうか?

         やっぱし、俺はお前に期待しすぎているんだな。

         お前も一人の女。

         そんな危ないマネはさせねぇ。

         だから、最後の時まで俺に微笑んでくれ。



         ♯後書き♯

         皆様、こんにちは。

         私のフルバ手紙を待ちに待ったという方、お待たせしました。

         やっと、夾手紙第二作をupさせました。

         最近、テニプリ手紙の方を何かと仕上げています。

         それでは、ご感想の方をお待ちしております。