親愛なる様へ

          突然の手紙を大変驚かれていると思います。

          ですが、僕の中ではあなたへの想いが溢れてしまいそうで、こうして

          文字にして残して置かないと消えてしまいそうで、怖いんです。

          あははは…もっとしっかりしていなくちゃいけないのに、

          本当にごめんなさい。

          また、さんに迷惑をかけてしまいましたよね?

          僕は、うまく言葉にはできないから。

          だから、手紙として残していたいんです。

          これを見てこんな頃もあったんだなって、あなたと笑い会える時が

          来るのでしょうか?

          その時までこれは渡さないで隠しておきますね。

          だから、ずっと、僕のそばにいて下さい。

          そういえば、まだちゃんとさんに僕の気持ちを伝えていませんでした。

          卒業式の時は、アネモネさん達に助けてもらいましたしね。

          言葉にできなくても文字になら伝えられます。


          僕は、さん……あなたを愛しています。

          だから、ずっと、僕のそばにいて下さい。

          ……やっぱり、文字にしても緊張してしまいます。

          この手紙を書いている今だって頬が熱くなってあの時を思い出します。

          あの瞬間だって、泣いてしまって…… 僕は……ダメですね。

          でも、きっと、さんを守れるよう強くなります。

          これからも僕たちはゆっくりだけど、前に進んでいきます。

          あなたは僕より前に進んでいってしまうかもしれないけれど、

          いつだって立ち止まって僕を待っていてくれます。

          それは、あの教会で交わした約束の所為でしょうか?

          でも、さんはいつも微笑んでくれるたび、そんなことは

          どうだって良くなってしまいまうんです。

          あなたが僕に笑いかけてくれる時、僕は敢えてあの時勇気を出して

          本当に良かったと思えるんです。


          だから、さん。

          あなたを愛している僕自身にもどうかその強さを分けて下さい。

          いつか、この手紙がさんと読める日が来ることを願って…。

          守村咲弥

 

 


          #後書き#

          今回一緒にupした『フルーツバスケット』の紅葉手紙と違って

          短くてすいません。(土下座)

          それでは、初守村手紙をご覧下さりありがとうございました。