越前。
お前は覚えているだろうか。
越前が赤也と草試合をした日。
お前が恐らく無我の境地に始めてたどり着いた特別な日。
俺の腕の中で寝入る越前に理性を保つのに精一杯だった。
蓮司に越前を預けても心はまだ乱れていた。
俺の前で俯く赤也を殴ることで平静を保つことができた。
お前を倒すのも独占するのも俺のみで十分。
アイツの口から初めてお前の話を聞いた時もそうだったな。
あの頃は幸村もいて、度々越前の話題が出た。
アイツも穏やかな性格をしている割には、なかなか熱い所があることは同期であり
仲間である俺が良く知っていた。
だが、幸村は病を患っている。
俺はアイツとの約束を守るために今まで以上に練習に集中した。
だが、お前はその何もかもの記憶を無にする。
何かを成し遂げそれを続けるということは、そういうことではないと教えられたあの日。
俺は、何に見向きもしなかったのか気がついた。
それは、俺自身の気持ち。
今までは誰かの期待に副うように強くなれば良いと考えていた。
俺はお前に感謝しているんだ。
だから、越前。
今一度、試合を申し渡す。
今度こそお前に勝つ。
♯後書き♯
皆様、こんにちは。
今作は「光と闇の間に・・・」全作100作突破記念に作業しました。
初真リョ手紙はいかがだったでしょうか?
いや、かなり微妙にBL要素を含んでいますが、パッと見では、どちらかと言うと
YFに近いです。←またかよ
あぅ…またもや不発弾気味!
今回は原作で切原君と越前君が掟破りの草試合後の話を作業してみました。
我ながら23巻を手にしながら怪しい笑いを含みながら虎視眈々と企んでいたわけです。
それでは、これからも「光と闇の間に・・・」を宜しくお願い致します。