親愛なる様へ


      元気で…なんて君が音楽科に編入してきて毎日顔を合わせているな。

      そして、登下校時も…。

      生まれてから十七年間、誰かに手紙を書いたことはあるが、こうして恋文を綴るのは初め

      
だからうまく書けないものがある。

      だから、もう少し、文字を言葉にして君に送れるまで待っていて欲しい。

      俺がヴァイオリンを弾くと、もそれに合わせて甘い音色を奏でる。

      それは天にまで届きそうな確かな二人の想いで、実際には見えないメロディは今にも

      絡み付いてしまいそうだ。

      もしも、それが見えるものだとしたら、既に、俺達は身動きが取れないほどになっている

      ことだろう。

      事実、俺達は常に互いを自然と意識している。

      鼓動も…唇も…。

      コレは現実なのかと戸惑うことは正直言ってある。

      だが、君の笑顔や音色をそばに感じるとそんな考えも愚かだと思えてくる。


      


      君は、俺のすべてを変えた。

      俺はに何が出来る?

      こんなことなど、とても君自身に聞く事は失礼というものだろう。

      だから、この手紙はには届くことのない。

      だからといって、俺の泣き言を書くわけにはいかないが。

      もしも、俺に何か出来ることがあるとしたら、君と合奏することしかない。

      コンクール参加者のみんなと合奏した時も楽しそうだった。

      そんなを見ているのが俺の幸せな気持ちになれる。

      その気持ちが君にも伝われば……俺達の間にある絆さえ見えるような気がする。


      だから、


      君はどんな時も微笑んでいてくれ。

      それが俺の胸の中に広がって、を幸せに出来る唯一の自信に繋がるから……。

 

 

 


      #後書き#

      久しぶりに月森君の手紙を書きましたが如何なものだったでしょうか。

      私は忙しさを理由にのんびりと締め切りを遅らせている名前だけの管理人です。(爆)

      このようなものですが、ご感想を下さると嬉しく思います。

      それでは、簡潔ですが、ここで失礼致します。