瞳を閉じてみる。

          すると、いつもその瞬間に一人の少女が姿を現す。


          ……俺が本気で好きになったヤツ。

          その表情は時に、降る雨のように俺の心を癒し、花が咲き

          乱れるように締めつけてくる。


          なぁ、お前はどうして俺の傍にいてくれるんだ?

          俺はあんなことをしているのに…。

          幼稚だと思われるだろうけれど、俺は一度誰かを気に入ると

          確かめないと不安になる。

          それが俗に言う意地悪というヤツだ。

          俺はの前でしか本性を表さない。

          それはお前への隠しきれない想いだから。


          ……俺だけを愛していろ。

          俺という籠の中で鳴き続けるカナリアであってくれ。

          天地を舞うこの想いはお前に届くだろうか?

          いや、俺が迎えに行くついでに届けてやる。

          まだ見ぬ春に、迷い立ち止まる日々など俺にはない。

          そんな余裕はない。

          ポーカーフェイスのままでいたらがどこかに飛び立って

          しまいそうで怖かった。

          俺が「怖い」なんて言うのは、お前だけだ。


          昔の頃のように素直に慣れたらはもっと早く俺に気づいて

          いただろうか?

          だが、今となってはどうでも良い事だ。

          俺は残り少ない高校生活を堪能するかのように出来るだけ

          一緒にいる。

          会う度に頬を染めるお前に欲情しながら唇を十分味わう。

          真面目なのか単なるヘタなだけなのかはいつだって

          咆哮と化した俺に流されている。


          ふふっ…そう言えば、まだちゃんと言ってなかったよな?

          愛しているよ…。

          お前がどこに行ってしまったって解るほどのことを

          知り尽くしてやる。

 

 

 

          ♯後書き♯

          柚木君誕生日おめでと〜!

          黒か甘いか解らない中途半端なものになってしまいました。

          まだ彼をクリアしていない柊沢が、何故今作を作業したか

          と言いますと、プレイ中に本性を見てしまったからです。

          そのままだったら優しい先輩でどうこうしたい(笑)という

          欲求は起こらなかったのですが、あの件に遭遇してしまった

          日から闘争心が燃えました。(笑)