
可能性と戦い、他の国々と異なり続けるキューバは、心を奪うことを決して止めない。2000年11月に、女性と環境(WE=Women &
Environments)のRegula Modlichさんはハバナにいた。彼女は、キューバの女性たちがその住宅問題にどう取り組んだかを目にするため、アビタット・クーバを探し出し、その質問に答えるテレサ・ビヒルさんと出会った。
キューバ革命は、スラムを一掃すると約束しましたが、どうだったのでしょうか
革命の初期には、本当に数多くのスラムが一掃されました。ですが、ソ連崩壊に続くスペシャル・ピリオドでキューバへの援助がなくなるとすべてが変化しました。
キューバには、ソ連の影響を受けて導入されたプレハブ大部の住宅に欠かせないセメント製造用の石油他のエネルギーがわずかしかなく、経済はとても困窮し、新たに建設される住宅数も減ったのです。ですが、完全ではありませんが、最近は、一般的な経済状態は回復しています。
キューバでは住宅を建設するのは国家の責務です。典型的には所得の10%ですが、収入に応じて借りられ、20年後には居住者はその家を所有するようになります。これは、アパートや一戸建て住宅にも適用されています。中には自分で家を建てる人もいます。最近では、例えば、農業、鉱業、観光等の職場の近くで必要な労働者のために、最新住宅は、国の経済開発目標と関連して建てられています。
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1959 |
2000 |
| 人口 |
800万人 |
1100万人 |
| 住宅ストック |
150万 |
350万 |
| 電気のある住宅 |
10% |
95%以上 |
既存住宅の多くはどうして痛んでいるのですか
資材不足で修理が難しいからです。多くのことが個人のやる気や非公式の経済のもとにおかれています。この問題は認識されています。ですが、優れたスペイン風の建築物のあるアバナ・ビエハの修復イニシアチブは、有望で、かつ、エキサイティングなものです。当初は、プロジェクトは海外から資金を受けていましたが、今は、自己持続型で、建築だけでなく社会的、経済的なプロジェクトとなっています。
アビタット・クーバは何をしているのでしょうか
アビタット・クーバのモットーは、持続可能な住宅のための集団的なアクションです。アビタット・クーバのプログラムのひとつは、スラムを撤去し、新たなコミュニティを作り出すことです。地元政府と協定し、アビタット・クーバは14州のうち6 州でプロジェクトを立ち上げています。
| 実施評価基準 |
政府の政策やアクションを補完・支援
生産や社会的なマネジメントでのすべてのパートナー、とりわけ、コミュニティの積極的な参加
技術的、エネルギー的、経済的、環境上の解決策の持続性
社会的平等、男女平等
民主主義と透明性
効率的で効果的なマネジメント
(Estrategia de Desarrollo (Development Strategy), Habitat-Cuba, Aug. 2000)] |
ノルウェー、ドイツ、フランス、イタリア、カナダの国際機関、そして、米国のメソジスト教会さえ資金を出しています。こうした資金はドルで支払う必要のある資材を得るのに使われます。州政府は、地方の住宅オフィスと調整し、全国的に生産された資材を調達します。スタッフに賃金を払ったり、管理するため、アビタット・クーバは、建築資材としての粘土の利用、アルゼンチンの建築家ロドルフォ・リビングストンにより創設された参加型のデザイン手法などの専門コース、サービスを提供しています。
これはコミュニティの建築家によって用いられたメソッドです(代表を含め、ほとんどのスタッフが女性で、テレサさん自身は、退職した建築家で、多くの時間がボランティアだ)。キューバではすべての建築家の少なくとも半分は女性です。コミュニティの建築家は、アビタット・クーバのエキサイティングなプログラムの一つで、私のお気に入りです。それは、1995年に始まり、1996年のHabitat
IIでベスト実践賞を受賞しました。以来、約500人の建築家たち、そのほとんどが女性なのですが、自分たちのユニットを改良や改新したいオーナーにアドバイスをしています。
10歳以上の子どもを含めた家族全員が、初期の議論のために建築家と一緒に集まります。建築家が代替え案の概念をもって戻るとき、プランが完成する前に二回目に家族は集まります。
1998年以来、住宅庁がプログラムを管理しています。アビタット・クーバは、オルターナティブなローカル資材、とりわけ、粘土と竹を探る運動を起こしています。スペシャル・ピリオドで建築家は利用可能な資材に適応しなければなりませんでした。竹は、住宅の大工仕事や家具に役立ちます。キューバにはどんな特有の樹木もないため、すべての木材を輸入する必要があります。プログラムはキューバの様々な地域の状態に順応できる植物種さえ探します。
そうした建設資材は、労働集約的ですが、どんなエネルギーも石油も必要としません。それらは、パーチクル・ボード、窓、ドア、家具に適当ですが、小規模の公営住宅団地を構成するだけに適しています。ですが、5階建ては大都市では理解できますが、農村地域では意味がありません。農村住民は低層住宅を好みますし、そこでは、粘土での工事が最も効率的なのです。
別のプログラムはコミュニティ開発です。1999年だけで、アビタット・クーバは19ものプロジェクトにかかわりました。そのプロジェクトのすべてにジェンダーの見解を導入するのもアビタット・クーバの別の任務です。キューバにやって来たスペインの教授は、プロジェクトにどのようにジェンダーの感度を組み入れるかコースを提供し、それは、この目的を実行するのを大いに助けました。
私たちがスラムを取り替えるために家を建てるとき、女性の戸主の多くは、同居する男性と結婚しないことを好みます。新しいユニットの所有権を共有する必要がないからです。
コーポラティブ・ハウスはどうでしょう
キューバの住宅一般法は、住宅協同組合には対応していませんが、アビタット・クーバには実験的なコーポラテイブ・プロジェクトがあります。私たちは、サンクティ・スピルトゥスとシエゴ・デ・アビラと2つの町で2つの実験なコーポラティブ・プロジェクトのための特別条項を取得しました。今、開発中ですが、成功すれば、住宅庁は実験を評価し、それを再現させるかもしれません。
それ以外の国にもあるようなホームレス問題がキューバにもあるのでしょうか
私はカナダ滞在中にホームレスを目にしたことは私に大いに関係がありました。多くのキューバ人が粗末な住宅状態で暮らしていますが、実際には誰もホームレスではいません。精神的に病気で、病院を離れてさまよった人がごく少数いますが、病院では、慢性的に狂気なひとは、家族から無料で受け入れられています。
女性たちにとって地元での支援サービスはとても重要ですが、それはどう開発されているのですか
デイケアセンターと小中学校も住宅と同時に建てられます。いくつかのケア・センターは3カ月から子どもを受け入れますが、一般的には子どもたちが歩くことを学んでから入ります。ヘルスケア、研究や教育といった重点分野で働く女性の子どもは、公共のデイケアセンターで優先権を持っています。また、保育の料金も収入に適合させられています。許可を得た多くのインフォーマルな介護人がいて、5歳までの子どもにサービスをします。
そうしたケアを受ける子どもは週に2~3回の追加教育を受けています。障害児を健常児と統合されるよう奨励することがその目標ですが、障害を持つ子ども向けの養護学校のネットワークもあります。
ラテンアメリカやカリブ海の15%と対照的に92%が幼稚園プログラムを受けている。ラテンアメリカとカリブ海域では、5グレードに達する子どもはわずか73%だけだが、キューバでは小学校はほぼ100%が卒業し、高等学校か専門学校に進学する。
[2000年11月26日グランマ] |
キューバはスペシャル・ピリオドに都市農業の奨励キャンペーンで対応しました。これは続いていますか。もし、そうならば、男性も女性もいずれも参加しているのでしょうか
ええ、このキャンペーンは続いています。それはスローなプロセスで、男性も女性も都市菜園で仕事を得ていますし、これで、生野菜を買えるようになっています。
キューバでの女性の状態は一般にどうなのでしょうか
男女の賃金は同じです。15~60歳の女性の就業者は1990年の42.2%から2000年に68%まで増えました。離婚率はとても高く、世帯主の35%以上が女性で、出生率もとても低いのです。所得に応じた料金と子どものケア、無料の教育とすべてが無料の医療費で、シングルマザーへの経済的な負担はとても緩和されています。
女性は出産前後の1・5か月、3カ月を給与の満額で産休を取れる権利を与えられます。その後は、1年までは仕事に戻れる権利がありますが、給料の半分であれば6カ月の産休をとれる権利があります。
家庭内暴力や子どもの性的虐待はありますか
家庭内暴力はありますが、それはあまり深刻な問題ではありません。女性たちは、自分たちの権利をよく知っていて、警察から保護を得られ、家庭内暴力で罪に問われた男性を起訴できると感じています。同じく、公共の場でもほとんど安全であると感じています。暴行事件よりは窃盗の方がありそうです。子どもへの性的虐待もありますが、とても稀です。それは大罪と考えられ、人々がとても顔をしかめるので、長い実刑判決か死で罰せられます。
家庭内での責任を共有するよう男性に要求する家族法(Family Code)は有効ですか
とても大きな影響力があり、ほとんどの男性が自分の義務を理解しています。ですが、実施するのは大変です。というのも、他のラテンアメリカの社会のようにキューバには、いまだにマチスモが強いからです。学校では授業に家族法が含まれ、それは結婚式でも読まれます。
高齢女性はどうしているのでしょう
高齢者用の建物や介護ホームがいくらかありますが、ほとんどの高齢女性は、その家族や子どもたちのひとりと同居しています。私もそうです。どこでも、女性のためにケアがほぼ完全になされています。いくつかの地区では、シニア用のデイケアセンターがあります。これで、働いている高齢者の子どももその仕事にしっかり就くことができます。少子化と高齢化から、この問題は進行することが認められています。
米国の経済封鎖、「スペシャル・ピリオド」、そして、数度に及ぶ大きな天災にもかかわらず、キューバは他のいかなる国とも異なる住宅政策を固守している。女性やその住宅ニーズを目的とする特別の政策はないものの、女性たちは、キューバのまさに進歩的な政策から社会益を得ている。アビタット・クーバのプロジェクトやこれらのプロジェクトのために働き、恩恵を受けている多くの女性の努力は重要な影響を与えている。アビタット・クーバの目標、過程、プロジェクトは、革新的な解決策を見出し、発展させ、決断を下し、そして、最も重要なことは住宅を提供する際に、コミュニティや家族がかかわっている。このやり方で、アビタット・クーバは、草の根レベルで、共同のオーナシップ、コントロールとイニシアティブの感覚を育んでいる。社会主義の理想にとって重要だが、旧社会主義の実験では、無視されていたのだ。
テレサ・ビヒルさんは住宅デザインと研究で年功を積んだ建築家だ。公式に引退はしたものの、彼女は、また、建築家であるアビタット・クーバの代表、セルマ・ディアスアシスタントとして働き続けている。アビタット・クーバは、キューバ革命の社会的な目標のいくつかを実施する助けのため、キューバ住宅庁と国際開発援助期間と密接に協働している。
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