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キューバのエコ素材



プロジェクトの目的


 スイス開発協力機関や他の組織の支援を受けて、構造資材調査開発センターが成功した試験に基づき、建築材料の不足を緩和すること。それが、今のプロジェクトが目指すものだ。

 1980年代後半、ソ連からの補助金付きの原油供給がストップすると、キューバ政府はそれまでのプレハブ産業をベースとした中央集権的な住宅建設体制を維持できなくなってしまう。だが、このプロジェクトで、ムニシピオ段階でエコ的な建築素材を販売する革新的なシステムを開発することが可能となったのだ。アパートや家の修復に欠かせない必要なすべての素材を地元住人は買うことができるし、とりわけ、天災を受けやすい領域ではそうなのだ。

 1959年以来、キューバにおける住宅供給システムは、建築資材を国が運営する大規模施設で中央集権的に製造することに頼り切っていた。プレハブ住宅が国中で建設され、建築資材は広範な道路や鉄道網を通して遠方へも供給された。このシステムは、エネルギー集約的なもので旧ソ連からの廉価な石油供給に基づいていた。

 だが、1980年代末の東欧社会主義の崩壊は、全体の文脈を変える。エネルギーは不足し、道路はもはや維持できず、トラック部隊も老朽化し、スペアの供給は滞っていく。建築素材の安定供給、とりわけ遠隔地への供給はもはや維持できなかった。

 自宅を自分で建てたり、修理する資材と同じく、ポルトランド・セメントも不足して、既存住宅が急速に劣化し、新たな住宅建設プログラムが収縮していった。

 この新たな状況がパラダイム変化をうながしたのだ。エネルギーや輸送コストを削減するため、建築資材の現場生産に重点がおかれる。こうした背景で、スイス開発協力機関や他の組織が支援する構造資材調査開発センターのタスクは、プロジェクトの初期段階では、一般民衆レベルで、この改革を支える技術を工夫し実施することだった。


 その結果、この方法はムニシピオ段階での建設資材の生産や流通の革新的なシステムの開発・普及に、何よりも災害を受けやすい領域で貢献していく。

 このシステムのコアには、再生建設廃棄物でエネルギーを多くかけずに生産された建築素材、いわゆる「エコマテリアル」がある。生産は、きわめて小規模なワークショップで組織化され、特定タイプのセメント(CP-40)を含む。生み出された主なエコマテリアルは、空洞のコンクリート・ブロックや敷石(flagstones)だ。ポルトランド・セメントがCP-40に一部取り替えられたのだ。

 とりわけ、興味深い事例は、セメントに混ぜあわせた竹の繊維で作られたパーティション用のボード製造だ。もし、このテストがなされれば、このイノベーションで、地場産の素材で頑丈な住宅を建設することが可能になろう。

 その全工程は、南から南への努力として組織化され、機械やノウハウは、キューバや他のラテンアメリカ諸国からもたらされている。

「すぐに使える」との概念のもとワークショップが所有者に提供され、スタッフの研修や販売後のアドバイス・サービスも提供された。2000~2005年にかけてなされたすべてのこの革新的な仕事に対し、構造資材調査開発センターは国連「建物と社会的な住宅財団」から授与される国際賞、「世界住宅賞」を勝ち取った。

ムニシピオの提供サービスを改善


 現在のプロジェクトは、パイロット段階での調査結果の全国普及を支えている。この目的のため、エコ的建築素材生産用の広範な分散型のプログラムがムニシピオ・レベルでセットされる。これは国民とローカル政府との密接なつながりを奨励するやり方でもある。

 例えば、ローカル政府は、小規模で効率的に管理された企業の立ち上げをファシリテートし、規制、支持する。キューバの文脈での改革を協力のために大通りを開くことができる。そのうえ、新たな雇用がワークショップそのものやワークショップの周りで創出され、結果として地元経済の発展を促進している。そして、例えば、限られた資金しかない家族をターゲットにし、その住居の改善資金の融資を可能とするクレジット・システムを含むことで、これは、新たな分散マネジメント・モデルの導入を奨励している。

手にとれる成果


このプロジェクトのおかげで、5ムニシピオの小規模なコミュニティは、自前の資源を用いて、地元で手に入れられる建築素材を作り出し、ローカルな市場でそれらを販売でき、ハリケーンや洪水で住居がダメージを受けた家族がとくに強調された。材料は直接コミュニティで生産・販売され、非常に低エネルギー投入と低い輸送コストで、2010年には、17のムニシピオがシステムから恩恵を受けるだろう。
2300戸の家が過去5年間改新された。過去5年間で19のワークショップが立ち上げられ、2010年までには、さらに6がセットアップされよう。200の仕事が直接生み出され、間接的にも多くの仕事が作られた。
このモデルは、中央政府から認識・支援されており、キューバにおける新たな住宅プログラムの開発に影響することだろう。


 Increasing the availability of locally produced, ecological building materials, Swiss Agency for Development and Cooperation.