カラカス。ベネズエラの陸軍士官学校の会議室で、兵士たちがキューバのインストラクターの話に耳を傾けている。そこで、教えられているのは、フィデル・カストロやチェ・ゲバラによって、以前になされたような革命的ゲリラ戦ではない。「オルガノポニコの農業革命」なのだ。それは、共産主義キューバが、その最も親密な南米の同盟国であるベネズエラに輸出している最新の製品なのだ。
オルガノポニコ菜園は、集約的な有機都市野菜を生産するシステムであり、ゴミの山、ホームレスの乞食の群れ、そして汚染ガスを外に吐き出す何万もの自動車の中で、カラカスの中心部に定着している。
世界の第五位の石油産油国で食料自給を開発しようと企て、革新左派のウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は、キューバの都市市場菜園システムにインスパイアーされ、ベネズエラでも同じような集約的な都市菜園を作り出すよう命じたのだ。
「我々の都市に有機的な水耕栽培のミニ菜園をまこうではないか」
人民主義者であり、以前は落下傘部隊の兵士であり、一年前にも生き残り、さらに12月と1月の反対ストライキをも生き残ったチャベスはこう語った。
フエルテ・チウナ(Fuerte Tiuna)の軍司令部内で、キューバからのインストラクターに監督され、レタス、トマト、ニンジン、コリアンダー、パセリを世話するため、crack
Ayala の兵士たちは、ライフル銃をシャベルやくわに交換した。
1998年後半の選挙以来、チャベスは、彼が自称する一連の「社会事業革命」の役に立てるため、貧困層に医療サービスを供給することから、廉価な食物市場を運営することまで、軍隊の設計図を書いた。フエルテ・チウナ内の軍の野菜畑に加え、政府はカラカスのダウンタウンのべラス・アルテス(Bellas
Artes)地区にも1.2エーカーの土地を設けた。そびえるオフィスビルのそば、都市の主要な博物館の近くにだ。ベネズエラの独立運動のヒーロー、シモン・ボリバルに敬意を表し、「ボリバル1」と称された市場向け菜園は、貧しい近隣の地区に設立された農業協同組合によって運営されている。
■疑う人民たち
カラカスの中心街のフェンスの後で、コンクリートの列状の土のベッドで野菜を発芽させている光景は、多くの通行人を困惑の中で凝視させている。
「これは家族を扶養するのには十分でしょう。ですが、国は扶養できません」
失業中のビジネスマン、ディエゴ・デ・コキオ(Diego Di Coccio)氏(40歳)は嘲笑する。
「むしろ、排水管の障害物を取り除くために金を使うべきですね」
化学の専門家エクトル・ゴンサレス(Hector Gonzalez)は、通りの廃物を指差して言った。懐疑論者は、未利用の豊かな農地を何十万エーカと大量に持っているのに、なぜ資源に富んだベネズエラが、都市野菜菜園を必要としなければならないかと疑問視する。全国農民連合フェデアグロ(Fedeagro)は、国全体にある52のローカル協会からなる団体だが、都市食物プログラムには原則としては反対しないと言う。だが、1998年から2002年にかけ約10%も収縮した農業セクターへの多くの政府支援を要求する。
「まるで都市農業に政府の努力をすべて集中するように見えることが問題なのです」とフェデアグロの技術顧問ネルソン・カラブリア(Nelson Calabria)氏は言う。
個人農家や大農場経営者も、未利用の農村の土地が取り上げられ、土地を持たない農夫に提供できる社会主義に刺激された農地改革法によって私財が脅かされている、と政府を非難する。
だが、チャベスは、タフで饒舌な国家主義者であり、食料不足の兆しを防ぎ、かつ輸入品への高い輸入依存から国を引き離すために必要な戦略であるとして、都市菜園計画を防御する。伝統的に、ベネズエラでは食料需要の60%以上が輸入されている。批評家たちの愚弄に対して、チャベスは、カラカスのスラム街の居住者たちの崩壊寸前の丘の上の住宅は、都市に警告を発しているが、そのバルコニーや屋上で作物や鶏を育てるべきだと示唆した。
「あなたの家を垂直のニワトリ小屋に変えてください」そうチャベスは言う。
チャベス大統領は、反資本主義のレトリックや干渉政策を持っているため、石油に依存する経済を破滅させる、と敵対者から非難されている。だが、チャベスに反対する豊かな「寡頭政治家」により保持された国内の食料生産への強圧になる破壊をさらに誓った。最近の反対ストライキでは、いくつかの私有の食物プラントを一時的にとらえて探索するようにチャベスは軍隊に命じた。チャベスはそれが慎重に食物供給を貯蔵していたと言う。
■キューバの影響
チャベス大統領を批判する者たちは、こう言う。
「チャベスは、ビジネス敵対者に対して復讐を行なうために、不足する米ドルを与えず、それらの価格を低下させることを彼らに強いることにより、今年導入された厳密な外国為替と物価統制を使用しているのだ」。
それ以外の人々は、都市野菜菜園を嘲る。わずかな政治的な種以上のものではなく、そしてチャベスの友達で同盟であるキューバの大統領フィデル・カストロとの密接なイデオロギーのつながりのサインだと。チャベスは革命的な心の友としてカストロに規則的に挨拶をしている。
チェベスが政権を握って以来、ベネズエラは、単独でキューバの最も大きな貿易相手国となり、キューバに相互エネルギー協定で1日当たり53,000バレルの石油を供給している。数百人のキューバの医師やスポーツ・トレーナー、そして砂糖農業のような分野での技術アドバイザーが、ベネズエラで働いている。国連と国連食料農業機構
(FAO)も、ベネズエラの都市農業プロジェクトを支援しているが、主なインスピレーションとトレーニングはキューバの専門家からのものだ。
ソ連圏は、キューバの主要な政治的同盟国で供給者でもあったが、1989年末からの崩壊でキューバを経済危機になげこんだ。そして、政府は、肥料や殺虫剤といった農業の鍵となる輸入品の損失で引き起こされた深刻な食料不足に対抗するため、都市農業を始めたのである。
キューバは、国内で生産された野菜の50%が都市菜園由来だ、と主張する。だが、地元住民は生産は貧弱で、いまだに不足があると苦情を口にしている。
「革命の主なタスクが、食物を生産すべきであることは確立された」
キューバの将軍、シウ・ウォン(Sio Wong)はカラカスでこう発言する。氏は、ベネズエラのプロジェクトを監督している。
■健康に益があるのか、ハザードか
シウ・ウォン氏は、カラカス市内の土地のメリットを喜び、こう語る。
「化学製品は使用されていません。ですから、これらはベネズエラ人が口にする中でも最も健康な野菜なのです」
だが、ベネズエラの専門家は、カラカス中部の汚染された大気が、都市中心での野菜を健康上に有害なものに変えるかもしれないのではないかと懸念する。彼らは、スモッグで一杯の大気が、一酸化炭素や鉛の集中を含むため、育っている植物を汚染すると言う。
だが、そうした批判にもかかわらず、チェベス政権やキューバのアドバイザーたちは、約200万ドルの初期投資を含んでいるプロジェクトに熱狂している。農業省は、今年そうした都市の野菜菜園を1000ヘクタール設けることを望み、プログラムによって国の野菜の約20%を供給するつもりである。
「聖書に現われるバビロンの吊り庭、それは、基本的に都市菜園だったのです」
キューバの都市農業プロジェクトのヘッド、アドルフォ・ロドリゲス(Adolfo Rodriguez)氏はこう語った。
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