2004年11月16日 本文へジャンプ

ベネズエラのアグロエコロジー



農民たちの知識


ベネズエラのバリナス(Barinas)州のバリナスの自宅でのミゲル・アンヘル・ヌネス(Miguel Angel Nuñez)
IPIATの農学者ラウラ・ロレンソ・マレロ (Laura Lorenzo Marrero中心)と最近、収穫がなされた穀物畑のオルタ一家 (左から、オスカル、オスカル・ホセ、アナ・マリア)
コミュニティ、ラ・バリネスカ(La Barinesca)で、シード・バンクの種子会合で説明するIPIATの農学者、ラウラ・ロレンソ・マレロ。コミュニティでのメンバーはほとんどが女性である。彼女は教授(la Profesora)だが、同時に、その女性は、自然な虫よけ、種子のケア、そしてアグロエコロジーの他の様相に関して彼女に多くを教えている
ラ・バリネスカへの山に向かう途中の豊かな生物多様性

 ミゲル・アンヘル・ヌネス氏は、IPIAT(Instituto para la Produccion e Investigacion de la Agricultura Tropical)の国際関係・コーディネーターで、ウゴ・チャベス大統領の大統領官邸のアドバイザーでもある。IPIATは1989年7月26日にメリダ(Merida)州で結成され、今は、ファルコン(Falcon)、ポルツグエサ(Portuguesa)、バリナス(Barinas)州でも組織化されている。このインタビューは、ニック・クラーク(Nic Paget-Clarke)氏により、ベネズエラのバリナス周辺、バリナス州、そして、カラカスで、2004年9月4~7日と数日間にわたって行なわれた。そして、ミゲル・アンヘルとニック・クラーク両氏により共同編集された。

ニック IPIATは何をやっているのですか。

ミゲル IPIATはベネズエラでアグロエコロジーを推進しています。

ニック アグロエコロジーについて、どのように定義しておられますか。

ミゲル 私たちは農民たちから知識を得て、農民たちの知識を評価します。そして、それを環境にダメージを与えないよう科学的な農業の知識へと統合しています。アグロエコロジーは、社会経済的な展望や技術的な展望、生産システムの発展やその社会的・文化的な存在基盤をデザインやマネジメントで考慮に入れています。

ニック あなたはベネズエラで、どのようにアグロエコロジーを推進しておられるのですか。

ミゲル IPIATが取り組んでいることのひとつは、実践し、それを評価・議論するため、いくつかの提案をテーブル上に置いていることです。まず、私たちは、ミシオン・ブエルバン・カラス(Misión Vuelvan Caras)にアイデアを提供しています。例えば「すべての手に種子を」、「内発的発展(Endogenous Nucleus Development)」、「全国種子プログラム」「全国土壌回復プログラム」といったプロジェクトです。

 そして、IPIATは、生産と関連したプロジェクトを組織化しています。例えば、私たちは土壌の回復や流域管理、アグロエコジカルな種子生産に対応しています。

 そして、三つ目の主なプログラムは、トレーニングと普及活動です。私たちは、アグロエコロジーによる管理、複合作物、生物的防除、参加型の方法論、職人仕事の短期コースを持っていますし、とても重要なひとつのトレーニング・コースもあります。それは、アグロエコジーの技術・政治コースです。私たちは、これを年に一度教えています。それは、ハイ・レベルのコースであり、民主主義、生物多様性、多国籍企業、政治、そして、私たちがどのように農業の政治課題にアプローチできるかといった課題と関係しています。要約すれば、私たちは政治的なアグロエコロジーを推進しているのです。あなたが昨日目にされたように、私たちは生産・研究的なプロジェクトを呼びかけ、トレーニング・プログラムを持っているのです。

アグロエコロジーと多国籍企業

ベネズエラのバリナス(Barinas)州のアンデス山脈に水源を持つサンタ・ドミンゴ(Santa Domingo)川


ニック アグロエコロジーは多国籍企業の農業へのアプローチとはどのように違うのですか。

ミゲル 多国籍企業のアプローチとアグロエコロジーのアプローチとの間には大きな違いがあります。例えば、多国籍企業のアプローチは、いつも大規模で生産をしようとし、多国籍企業の生産は換金作物やモノカルチャーを求めます。ですが、アグロエコロジーは、複合農業や生産の多様化を進めています。多国籍企業は、遺伝子組換え農産物を使いますが、アグロエコロジーは遺伝子の進化に依存し、遺伝子組換えには頼りません。アグロエコロジーのアプローチは、生産上で少なくとも200%もエネルギーの消費量を削減しますが、多国籍企業のアプローチは、エネルギー浪費も最大なのです。アグロエコロジーのアプローチはより小さく、多面的によく組織されています。

緑の革命

アグロエコジーの方法を用いて牛を飼育しているロス・パフエラス(Los Pajueles)のルビオ・ララ協同組合(Rubio Lara Cooperativa)。背後(右側)は、農民、カルロス・エンリケ・ヒメネス(Carlos Enrique Jimenez)


ニック 緑の革命はベネズエラにもやってきたのでしょうか。

ミゲル ええ、もちろん、そうです。

ニック その影響はどうだったのでしょうか。

ミゲル とても悪影響がありましたね。緑の革命は、生産活動にアプローチするうえで配慮しなければならないアグロエコロジカルなファクターをまったく考慮しませんでした。例えば、緑の革命は、熱帯地方の農業生態系の違いを考慮に入れません。アンデス山脈を車で走れば、海抜0mから5,000mまで、6か7つの異なる農業生態系が見出されます。ここでは、緑の革命は働きません。なぜならば、緑の革命は、効果がでるようしなければならないレシピを与えるだけだからです。このやり方では、作物で働くことが支えられています。

 私たちはIPIATとともに、ここでは多様性を用いることで仕事をしています。様々な農業生態系それぞれに、様々なタイプの生産システムがあります。これが緑の革命とアグロエコロジーとのとても大きな違いです。アグロエコロジーは、文化的な価値、社会、文化、そして、宗教の価値を考慮に入れますが、緑の革命はそれを考慮しません。

模倣と農薬


農業化学資材 (左)とアグロエコジーな農法でのトウモロコシの育ち具合を比べるオスワルド・ヒメネス(Oswaldo Jimenez)
バリナス州のサバネタ(Sabaneta)近郊のクレモリノ(Cremolino)コミュニティ。IPIATとともに働く農民、ロベルト・コルミナレス(Roberto Corminarez)がアグロエコロジーな農法でトウモロコシを育てている

 このように緑の革命の農業は、アグロエコジーでの状態では働かない技術を使ったことから失敗しました。ラテンアメリカのほとんどの政府、そして、多くの開発途上国が犯す最初の誤りは模倣なのです。彼らは、技術モデルをコピーしようと努力し、環境や社会にかかるコストをものともせず、それらを導入しようと試みます。例えば、多くの潅漑システムは機能していませんし、実際に作物が必要とする水量を提供しない一方で、他ではあまりにも多くの水を浪費しています。これが、アンデス山脈の平原で土壌侵食を引き起こしているのです。

 そしてまた、これとは別の劇的な事例は、化学肥料や農薬と結びついた種子です。ベネズエラでは、栽培用の種子を輸入しなければならないので、これは私たちにとって決定的なのです。言いかえれば、私たちはモンサント社とパイオニア社に依存しています。今シーズンには、トウモロコシやじゃがいもを生産する農民たちの多くが、種子の病気や発芽問題のために収穫を失いました。そして、農民たちも動機づけられていないので、それはかなり悪いことなのです。

 ですが、その一方で、今では、多くの人民の参加を目にしています。多くの人民たちが自分たち自身の資源、自分たちのコミュニティで見出せる資源で働き、自分たち自身で物事をやっています。ですが、緑の革命は、コミュニティ外部からの投入資材を必要とし、コミュニティ外部からの投入資材は、農業化学資材です。それが、土壌、水、人民、健康などに明らかにダメージを与えているのです。


緑の革命から遺伝子組換え農産物へ


作り出したアグロエコロジカルな害虫防除法、種子と植物をケアする液体について説明するラ・バリネスカのシード・バンクのメンバー
噛み煙草を作るためタバコの葉を処理している
ラ・バリネスカ(La Barinesca)シード・バンクのメンバーとIPIATのメンバー

ニック ここでは緑の革命はいつから始まったのですか。

ミゲル 緑の革命が実際に始まったのは、1950年代半ば、56年、57年ですね。

ニック そして、いつまで進んだのですか。

ミゲル それは今も続いています。ベネズエラでは、緑の革命がどう失敗したのかを実証するのがとても簡単なので、これはとてもよい質問です。例えば、私たちは口にする食料の86%を輸入しなければなりません。これは食料安全保障や食物主権にとって、とても危険なことです。私たちは食品の86%を輸入しているのです。

 食料には、穀物、脂肪、砂糖と3グループありますが、エネルギーの視点から見て、ベネズエラでは、これらの3食料の75%が輸入されています。これは国にとって、とても危険です。それは食料生産を持っていません。

 これが、この部門にアグロエコロジーのアイデアを導入する好機であると私たちが思う理由なのです。熱帯諸国で持っている農業生態系に基づく本当の農業の新しいモデルを持つことから始め、緑の革命が、私たちに与えた課題を回避できるためです。

ニック 緑の革命に資金供給をしたのは誰なのでしょうか。

ミゲル 主には政府で、多国籍企業もそうです。

ニック それはどのような企業ですか。

ミゲル モンサント、AgroEvo、シンジェンタ、デュポン、シェル、エクソン、フィリップスです。多くの企業は多国籍石油企業と関連しています。熱帯諸国は生物多様性が豊かで、私たちは多くの農業生物多様性を手にしています。そして、その農業生物多様性は、多国籍企業から「グリーン・ゴールド」と呼ばれています。多国籍企業が「石油」を「ブラック・ゴールド」と呼ぶようにです。多国籍企業は、農業生物多様性、そして、熱帯と語る背後で、私たちの緑の遺伝子を探索しています。

遺伝子組換え作物の攻撃


ニック 遺伝子組換え農産物について、あなたはどう思いますか。

ミゲル 私たちの植物、土壌、そして健康に対して、遺伝子組み換え製品がもたらす結果については、とても本質的な科学的な見解があります。どの国であれ、遺伝子組換え食品や遺伝子組換え種子を、農業に導入するリスクについて、知り、認識すべきですし、農民、学生と人民誰しもが敏感になるよう、私たちは多くの活動を始めるべきです。我が国ではチャベス大統領のように、経済、農村地域開発、農業、科学・技術に対処しなければならない全省庁も、多くの人民が、遺伝子組換え食品を導入、商業化、分配、流通させることに反対していることをわかっています。そして、憲法の視点から見れば、遺伝子組換えの食物を用いて仕事をすることは、条文301、305、306、307とあらゆる条文、そして、私たちの憲法で定義される持続的農業の原則のすべてを破ることになるので、遺伝子組換え食品を用いて仕事をすることができません。

 多国籍企業は、研究や多くの生産を行い、遺伝子組換え種子と遺伝子組み換え食品の背後にある技術モデルを販売していますが、私は、遺伝子組換えに「ノー」と言うアフリカの多くの大統領のように、その他の国々も多国籍企業に「ノー」と言っていると思っています。

汚染されし大地


ニック あなたは、多くの大地、とりわけ、バリナス(Barinas)が汚染されると言いますが、それはどういう意味ですか。どのようにしてそこは汚染されたのでしょうか。

ミゲル 大地の汚染にはいくつかタイプがあります。ひとつは、かなり悪く、とても非合理なやり方で使われた農業化学薬品、農薬、除草剤、化学肥料と関連しています。こうした化学薬品は、土壌を汚染し、地下浸透もし、水やその他の天然資源を汚染しています。水の汚染に加え、生物多様性も失われています。土壌がそのバイオ構造を失ったために、土壌浸食が生じています。バイオ構造を失うこととは、土壌中の微生物を失うという意味です。微生物は、土が呼吸できるよう水と空気の間の平衡を作り出し、土を育てるのを助けますが、農業化学資材は、土を生きているようにはさせません。

土を作ること


このポンプは、ロス・パフエレス(Los Pajueles)のルビオ・ララ協働組合(Rubio Lara Cooperativa)で農民カルロス・エンリケ・ヒメネス(Carlos Enrique Jimenez)が使っている。水には微生物が加えられ、その後、牧場を育て、牛を飼育するため、フィールドに送り込まれる

ニック アグロエコロジーの目標のひとつは、土の浄化であるとおっしゃっていましたが、それはどのようにやれるのですか。

ミゲル アグロエコロジーで仕事を始める場合は、土づくりから始めます。では、どうやって土づくりをするのか。土壌タイプの正しい混合を行い、有機物を入れることで、土を作ります。有機物は多くの微生物を持っています。微生物には食物を与えなければなりません。微生物が育ち、再生できるよう微生物のための食物を加えなければなりません。微生物が再生され、その生産的なサイクル、その完全なサイクルが遂行されれば、すぐにも土を作っていきます。有機物と微生物をあわせたものと一緒に、砂、粘土と異なるタイプの土壌の複合体が、バイオ構造と呼ぶものを作っています。バイオ構造は、主な土層中で0、10、14、18センチメートルあります。

 これが、私たちが手にしたい土なのです。私たちは、土壌のバイオ構造を維持したいのです。また、それを理解することはとても簡単です。微生物を殺してしまえば、アグロエコロジーで仕事をすることはできないでしょう。

人民参加の多くの可能性


カルロス・エンリケ・ヒメネス(Carlos Enrique Jimenez)とその妻。農家の前で
クレモリノ・コミュニティのまた別のメンバー

ニック アグロエコロジーのプロセスは、そのプロセスに参加している農民たちの日々の暮らしに何を意味しますか。それは農民たちをより安らげるものなのですか。

ミゲル アグロエコロジーの展望からは、暮らしの質を高める多くの機会が持てるでしょう。アグロエコロジーの活動が、生産システムのいくつかの活動で、ほ場のいくつかの活動を一緒にする可能性を与えるからです。あなたが目にしたように、IPIATは私たちの農民を誇れるようにする、いくつかのアグロエコロジーでのフィールド・イノベーションと技術を手にしています。

 飛行機で肥料や農薬を散布し、大型機械で行う、モノカルチャー、大規模生産での緑の革命は、ごく少人数にしか雇用をもたらしません。ですが、アグロエコロジーの方法では、ほ場で行う作業に多くの注意を払わなければならないので、多くの人民のための仕事があります。

 アグロエコロジーの展望は、コミュニティがより生産的な活動をすることを助け、人民が参加する可能性を増やし、人民がコミュニティ内のその他の課題やその他の状況と結びつく可能性も増やします。グループで働き、どのように参加的に協働しともに働くかを学ぶことになるのです。

コミュニティの健康


クレモリノ・コミュニティの子ども

 そして、それはコミュニティの健康さです。私が健康について話をするとき、それは、あなたが今日、目にしたように、とても貧しい農村人民についてです。こうした人たちはお互いに集わず、彼らの暮らしで朝にも話さず、女性や家族の間でも語らいません。彼らはこう言います。

「私たちには機会を持てませんでした。私たちは、他の人民と関わる機会を持てませんでした」

 それは友情です。それは尊厳です。それは、隣人と関係を持ち、プロセスや課題をわかちあえるとても質の高い関係です。彼らの勝利をわかちあってください。

 アグロエコジーはとても意味があります。アグロエコジーは、あなたの原則、イデオロギー的な価値観、政治的な価値観を強化するのを助けます。アグロエコロジーは、あなたが何を人生で行いたいのかについてより確実にすることを助けます。あなたが人生でどうありたいか、そして、あなたの家族に、息子に、娘に、その他の親戚や友人に与えるどんな機会がありえるか、そして、よりよい人間になる可能性をもたらします。

新しい種類の経済


ニック 経済状況はどうでしょう。

ミゲル 経済状況もアグロエコロジーの視点からアプローチされます。アグロエコロジーのシステムでは、栽培プロセスで、平衡が保たれ、安定する時、生産的なシステム過程でいくつかの収益が得られるでしょう。お金を獲得し始め、経済の視点から見ても暮らしの質が高まり始めることでしょう。

 しかし、社会問題や経済問題に加えて、アグロエコロジーがさらに長所を持つことも考慮に入れなければなりません。緑の革命を用いて仕事をし、環境にダメージを与えているときには、私たちが外部性と呼ぶコストがあります。アグロエコロジーは環境的な活動ですから、そのコストは最低限であるか、まったくありません。将来的に、私たちが新たなタイプの経済を定義する時、アグロエコロジーの活動が土壌や水を汚染しない機会を与えるであろうことを考慮に入れなければなりません。

チャベス大統領


ニック あなたは、1989年とチャベス政権の以前からIPIATを始めましたね。チャベス政権は、あなたがアグロエコロジーの技術を追求し、こうしたアイデアを広めるうえで、どのような影響を、力をあなたにもたらしましたか。

ミゲル いくつかの変化がありましたし、それらの変化を、人民参加ということで、直接、要約しましょう。最後の前政権では、私たちにはさほど参加の機会がありませんでしたし、緑の革命は、人民が参加しなかったことで、これほど多くの仕事を行なえました。とりわけ、小規模農民に対してです。

大規模農業の解決策


ニック 最後の政権の大統領は誰でしたか。

ミゲル ラファエル・カルデラ(Rafael Caldera)です。ですが、代議制民主主義からの大統領は誰も小規模農民には機会を与えたくありませんでした。それ以外のラテンアメリカ諸国のように、私たちは小規模農民のための政策を持っていませんでした。そして、それが専門家として、私たちが職業上で犯したとても大きな歴史上の誤りなんです。

 私たちは、大学に行った時に、大規模農業、大規模な生産システムのための問題解決策を学びました。そして、大学では、大規模農場の解決策で、小規模農民たちの課題を解決することを私たちに教えます。大規模農場のための技術が、小規模農場にとっても完璧な技術であるとして使われていたので、私たちは、技術概念を間違えていたのです。どの政府も、小規模農場の問題を大規模農場の解決策で解決しようとし、それを進めようとしたのです。

ボトムからトップへ


 政権が変わって何が起こったか。そう、私は、まだ、それを理解してないチャベスの省がいくつかあることを申し上げたい。彼らは、いまだに小規模農場のための解決策が大農場の解決策であると思い続けています。そして、起きたことは、矛盾をかかえつつも、人民たちがボトムからトップに参加するようになり、民主主義に実際に参加できるまで人民がやってきたということでした。とてもゆっくりですが、人民たちは、小規模な農民たちのためのアグロエコロジーの技術を求めています。

農民たちはアグロエコロジーを求めている


 そのひとつはミシオン・ヴエルヴァン・カラス (Misión Vuelvan Caras) を意味し、それは、多くの農業化学資材を必要としない60万人もの農民たちなのです。いくつかの省やいくつかの機関は、ミシオン・ヴエルヴァン・カラスに農業化学資材を投入していますが、アグロエコロジーを求めている農民たちも何人かいるのです。なぜ、こうした農民たちはアグロエコロジーを求めているのでしょうか?。それは、彼らが、参加型のプロセスにかかわっているからです。彼らが、獲得している参加型のプロセスは、彼らにアグロエコロジーについての知識を得る可能性をもたらしていますし、彼らは違いを生み出しています。

「それがさほど金がかからず、農業化学技術に依存しないので、私は農薬よりもアグロエコロジーを選ぶだろう」

 チャベス政権は、そして、これは私たちが今まさに戦っていることですが、異なるタイプの知識レベルを推進しています。大学、フィールド、農村住民、異なる場所の異なるタイプのフォーラム。私たちはアグロエコロジーへとあらゆる道の中で動いています。

参加型のプロセス


教育ミッションは「Misión Ribas」と称されている。
この生徒は、ミゲル・アンヘル氏と英語文のスキルを練習していた

 以前はすべてのドアが閉じられていたので、アグロエコロジー運動をすることは、とても困難でした。「彼らはラジカルな人々だ」「彼らは共産主義者だ」「彼らは過激派だ」。私たちはそのように「ラジカル」ですから、私たちは農業化学資材を用いて仕事をしたくはありません。いま、人民たちは、自分たちがアグロエコロジーを必要としていることを理解しています。参加型のプロセスによってです。参加型のプロセスは、彼らに自分たちが何を行いたいかの知識を持つ可能性を与えます。それは大きな違いです。そして、ベネズエラでは、あなたが目にされたように、多くの人民が語り、多くの人民が参加し、多くの人民が騒がしくなり、多くの人民が議論しています。多くの人民が矛盾を解決しようとしています。多くの人民が参加するようになり、お互いに語り、学んでいるように見えます。これは変化です。これこそが、この革命のプロセスの主な変化のうちのひとつなのです。

 ですが、私たちが、ベネズエラ政府から、チャベス政権からはどんな支援も受けていないことは明確にしなければなりません。私たちは、期待していますし、アグロエコロジーがさらに進展できるような支援が実際に持てれば、本当にうれしいのです。なぜでしょうか?。私たちが、それに相当するからです。私たちは、より良き農業に向けて、アグロエコロジーで動いています。そのやり方で、私たちは、食料システムを改革し、農村地域でほ場で、革命的なプロセスを支援していると確信しています。私にとっては、それは、革命の一部です。

ミシオン・ヴエルヴァン・カラス


ニック ミシオン・ヴエルヴァン・カラスについて、そして、それが農業や農民ともどう関係するのかについてお話いただけますか。(編集者:ウゴ・チャベス政権は、ベネズエラの国民の中でも最も貧しい人民の間で、教育、農業、ヘルスケアといった様々な社会問題に対処すべく、多くの人民を巻き込むいくつかの「ミッション」若しくはキャンペーンを始めている)

ミゲル ミシオン・ヴエルヴァン・カラスは、とりわけ、貧困層の間で、ベネズエラ社会の社会的疎外を克服するために働く使命を持っています。そのミッションには、5つの仕事の分野があります。ひとつは60万人もの農民が集っている農業です。別のものは農村工業で、それは2000近くを含んでいます。別のものは約15万人を取り入れている観光業です。別のものはサービスで、それはさらに1000をとっています。そして、最後に別の10万人を含んでいるインフラがあります。

新たなタイプの労働関係/オルターナティブ経済


バリナス大学技術研究所 (UTEBA)に保全されている古代のアイテムのコレクションの一部。この石の道具は、数字、そして、宇宙論のスパイラルで震動させると、それはがたがたとし、何世紀も前の土着農業文化のとうもろこしの儀式で使われた。

 ミシオン・ヴエルヴァン・カラスには、革命的なプロセスで新たなタイプの雇用を創出するミッションがあります。新たなタイプの雇用とは、新たなタイプの労働関係を意味します。それは、私たちが生産システムを評価しなければならず、生産システムで改革しなければならないものは何であるのかをわからなければならないことを示唆します。

 ミシオン・ヴエルヴァン・カラスには、ソーシャル・エコノミーのアプローチで働くミッションがあります。ソーシャル・エコノミーは、私たちの憲法でよく定義されています。私たちがソーシャル・エコノミーについて話すとき、私たちは新たなタイプの経済関係を創設していると私たちは信じています。そこには、違ったタイプの仕事があり、違ったタイプの関係性と相互関係を持つ機会を得るのです。
 ソーシャル・エコノミーは、誰しもが経済について知らなければならず、誰しもがいくらかの意見を持ち、経済について語らなければならないことを意味します。

 経済の話題は「エコノミストは正しく、経済学について話せる人々だ」という特徴があります。ですが、なぜ普通の人民ではないのでしょう?。なぜ技術者ではないのでしょう?。なぜ医師ではないのでしょう?なぜ、農民たちは経済学について語ることができないのでしょう?。

 私たちがソーシャル・エコノミーについて語るとき、私たちは新自由主義経済や古典経済の背景にある理論からは、遥かに遠い経済、オルターナティブ・エコノミーについて話をしています。私たちがソーシャル・エコノミーについて語るとき、私たちはボトムからトップへともたらされる人民の経済について話しています。それは、労働やそれらの間にある関係と関連しています。

 私たちがソーシャル・エコノミーについて語るとき、私たちは異なったタイプの人民の仕事をともに得なければならないこと、異なったタイプのオルターナティブな仕事、環境を保全し、私たちが創設する必要がある新たな社会のダイナミックを理解する一助となる異なったタイプの活動を意味しています。

ソーシャル・エコノミー:エコノミーとエコロジー


 私たちが、ソーシャル・エコノミーについて語るとき、私たちは、ソーシャル・エコノミーにはひとつの大きなミッションがあると言っています。すなわち、それは、ヴエルヴァン・カラス・ミッションととても密接なもので、社会的な阻害を克服し、環境劣化をも避けることになるのです。私たちが経済学について、エコロジーについて話すとき、エコロジーとはあなたの家の世話をすることを意味し、経済とはあなたの家を良く管理し、あなたの協同組合を良く管理することを意味します。エコノミーとエコロジーはともにかかわるわけで、それが、私たちにとってソーシャル・エコノミーでもあるのです。

内発的発展


 ソーシャル・エコノミーは、新たな開発、開発の新しい概念です。私が言うように、内発的発展(nucleus endogenous development)の概念です。その概念は、天然資源を考慮に入れなければならないことを意味します。限界も考慮に入れなければならないし、あなたのポテンシャルも考慮に入れなければなりません。あなたは、交渉し、ロビーをし、良い取引をするよう試みる能力を考慮に入れなければなりません。内発的発展とは、コミュニティの資源を用いて、コミュニティのために、コミュニティに対してコミュニティ内部で行う開発です。それが、ソーシャル・エコノミーの本当の概念です。

自由と環境


 そして、それ以外に、二つの自由(liberty、freedom)の概念を管理しなければなりません。ひとつは、環境にダメージを与えず、環境を保全することです。もし、環境を劣化させるならば、あなたはそれほど家をよく管理していません。そして、あなたの家を管理(managing)し、管理(administering)することについて話すとき、私たちは、あなたの家、あなたのコミュニティ、あなたの郡(county)、あなたの州(state)、あなたの国、あなたの大陸、地球全体について話しています。地球全体とは、来るべき世代のための地球を保全したいと思うことを意味します。私たちには来るべき世代への負債があります。私たちは、その負債をどう処理していますか?。その過程で、私たちはどういうヒューマニティの概念に直面していますか?。そう、私たちは、環境を保全したい、地球を保全したいと思うので、ソーシャル・エコノミーは、社会経済学がエコロジー経済学なわけです。

参加する自由


 そして、もう一方のとても重要な自由の概念は、あなたが参加できる政治システムの自由です。あなたの恐怖に打ち勝つために。おびえることに打ち勝ち、あなたの要望を表現するために。あなたの気持ちを表現するために。あなたが考えていることを表現するために。つまるところ、ベネズエラの革命は、ベネズエラ人民のための革命であるといいたいのです。そして、私たちは、直接民主主義の参加型民主主義のとても高度で適切な事例を示しているのです。

ニック ヴエルヴァン・カラスはどう翻訳できるのでしょう?

ミゲル 私たちの独立のための重要な戦いのひとつ、スペイン人の敵を破るという愛国主義が呼びかけたのは、「Vuelvan Caras」、「戦いへもどれ」でした。「Vuelvan」は「行け」で「Cara」は「面せよ」です。あなたが馬上を進んでいるとき、そして、あなたが敵によって負かされているとき、あなたは「Vuelvan Caras!」と言います。「戻れ、そして、それに面せよ!」 あなたは、顔を振り返り、馬の向きをかえ、そして、動きはじめます。

憲法と密接にありつづけること


ニック 大統領のアドバイザーとして、あなたは何をしていますか?

ミゲル チャベス大統領のアドバイザーとして、私には、チャベスに対して言うことが多くあります。ひとつは「憲法と密に保ってください」ということです。「憲法から離れないでください」とは、私たちの参加をさらに改善する必要があることを意味します。チャベスは、多くのベネズエラ人民の背後にあるものに耳を傾ける必要があります。私たちは、私たちの生物多様性や文化的な多様性のおかげで、知識が豊かな国民です。憲法を通じて、チャベス大統領は、私たちが憲法とともに、そして国の発展についてやれることについて、新鮮なアイデア、新たなアイデア、とてもスマートなアイデア、とても賢いアイデアを持つ人民に耳を傾ける必要があります。私は、内発的発展の意味を適用することには賛成しますが、私たちは、将来的に使う技術のタイプについてさらに話し、より深くやらなければなりません。私は、チャベスがこれらの問題に非常に敏感な男であることを知っています。

もうひとつの世界は可能だ


UTEBAのアグロエコロジー研究所が、だれが地元の農業者の子供である学生に「参加型の研究」の方法論を使うことを教えている。バリナス州のサバネタ(Sabaneta)
カカオの種子がチョコレートを作る

ニック IPIATの国際労働組合の代表として、それ以外の世界の地域でも持続可能な開発に取り組む前進がなされているとみられていますか。

ミゲル 私は、その質問について丸一日お話することができます。ですが、それを要約すれば、世界中の多くの経験から、ラテンアメリカ、アフリカで、そして、アジアで、もうひとつの世界は可能であると私は信じていますし、確信しています。私は、2年前のポルト・アレグレ(Porto Alegre)での会議から出されたことを繰り返し言おうとしています。それは、世界中の社会運動に多くの経験がある事実から、もうひとつの世界は可能である、ということです。それらは、とてもよく、この社会の中でうまくやるオルターナティブをとてもよく正確に示しています。多くの経験、多くの運動、多くの行動、そして、多くのオルターナティブな可能性があることは、「社会の中でで、もうひとつの世界が可能だ」ということを示しています。

 私の国際的な見解からは、私たちは、南から南への、北から南への橋わたしをする努力をしなければなりません。なぜなら、NGO、農民たちの間でのそうした橋は、あなたに強さ、多くの尊厳、多くの幸せ、そしてあなたがしていることがまさに正しいものであると理解できる可能性をもたらすからです。例えば、私は自分がやっている仕事に対してとても誇りを感じています。

 私はアグロエコロジーの原則で働いています。私たちは政府から多くのお金を得ていませんし、私たちは、お金を持つことを頼んでいますが、この政府が革命政権であり、本当にアグロエコロジーに向けて多くのものを動かしたがっていると信じています。

 私は、ベネズエラのアグロエコロジーが政治上のプッシュを持て、将来恐らく政治運動になると思っています。私は、IPIATの人々がしているアグロエコロジーの仕事について誇りを感じていることを告白しなければなりません。私は、多くの尊厳に値するものを感じます。私は他の人民のために働いていますし、私がしていることは私がなさなければならないことだと確信し、私は、とてもオープンでとても広い方法で働いています。国際舞台の場では、私たちと同じ感覚を持ち、同じ思想を持つ人々を見出す機会を持てます。なぜならば、同じ問題は自然の品種と共にあるからです。つまるところ、私たちには、同じ問題があります。

アイデア、種子、技術、友情をわかちあう


 ですから、あなたが結びつかず、アイデア、種子、技術、友情をわかちあわなければ、あなたは弱くなるでしょう。私たちは他の人民、他の運動、他の社会運動、他のアグロエコロジーの運動、そして、アグロエコジーのネットワークで、国際的な連帯を実践しなければなりません。そして、そのすべてがオルターナティブを意味します。オルターナティブについて話しているとき、私たちは「もうひとつの世界が可能であること」について話しています。私たちはそのような国際的社会運動から学んでいます。

持続可能、実用的な社会はいかに民主主義と結びつくのか


バリナス(Barinas)の木の中のイグアナ

ニック いかにして持続可能な開発を行うかと、いかに民主主義を構築するのかのやり方を発見することの間には直接関係があると見ていますか。

ミゲル もちろんです。直接です。その理由がおわかりですか?。持続可能な開発は、参加型のプロセスと民主主義を発展させる必要があることを意味します。私たちが、ここベネズエラでやっている新たな民主主義は、参加型であり、その例を示すことができます。行動、参加型民主主義におけるより適切な行動とは、人民による公共方針の社会的なコントロールです。私がここで言わんとしていることはとても重要なことです。私たちが公共方針について話しているとき、私は、いかにして人民がモノを見て、問いかけ、評価するのかについて話しています。「私の郡は何をしているのだろう?」「私たちたちが評価し、意見を与えられる可能性は何だろう?」「私たちはどんなタイプの政権を構築しようとしているのだろう?」「何が自治体レベルで起こっているのだろう?」と。

 社会が持続可能な実践についての最も高い知識を持つまさにその時、コミュニティでは持続可能な実践が求められはじめ、政治も変革しはじめます。そこには、コミュニティと政治運動の別のタイプの政治上の関係があることになります。

知識を増やすこと


バリナス州、サント・ドミンゴ(Santo Domingo)川

 参加型のデモクラシーは、どのような社会を私たちが持つ必要があるのかについての知識を高めることを意味します。私たちは、子どもたち、来たるべき世代に対して、どのような社会を必要としているのでしょう。それについて話すには、公共政策について語り、公共政策の社会的なコントロールについて話さなければなりません。そして、公共政策の社会的なコントロールで問題となるのは、「私たちはコミュニティでどのような持続可能な活動をしているだろうか?。そのような持続可能なプロジェクトを手にしているだろうか?」ということです。

 私にとっては、それを試し、理解することがとても重要なことです。持続可能な実践、持続可能な実際の社会はどのように民主主義とリンクされるのでしょうか。議会制民主主義は、持続可能な取り組みに反対します。なぜならば、議会制民主主義は、人民のために持続可能な取り組みをしようとしますが、人民たちはそのタイプの方針に参加したがっているからです。彼らは意見を与えたがっています。人民たちは、コミュニティであなたが何をしているのかを知りたがっています。あなたがどのようにコミュニティにエネルギーを注いでいるのかを知りたがっています。コミュニティに向けられた何がコミュニティの利益になるのかを知りたがっています。どうしたら、コミュニティ内で利得をわかちあえ、利益をわかちあいながらもやっていけるのかを知りたがっています。どうしたらそのタイプの民主主義で関係性を保全できるのかを知りたがっています。

 もしも、まともであり、健全な社会的な関係性をコミュニティ内で保持できれば、持続可能な取り組みを見いだすことができるでしょう。それには疑問の余地はありません。 参加型デモクラシーは、持続可能な取り組みと結婚することを求めているのです。


 interview with Miguel Angel NuñezFarmers are Demanding Agroecology: Making Democracy Participative,2004.