1999年

ハバナ、都市農業国際会議

 発展途上国では、農業は農村地域に限定されない。町や市内での農業の重要性が急速に認識されつつある。重要性が増えているのは、都市への食料供給、新たな雇用創出、エコロジカルな都市開発のためである。これが、他の国際開発協力機関の参加のもとDSE-ZELにより組織された、「都市の成長、食料増産」と命名された国際的なワークショップが1999年10月にハバナで開催された背景にある。

 この会議には、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの23ケ国、さらにヨーロッパ、北アメリカから、研究者、国・都市自治体・NGOの代表、都市計画家、専門家70名が参加した。

 都市農業は、食料危機の後、それが最優先されるべきだと自治体、国家が考え、支援を提供したこともあり、ハバナの市民生活に欠くことが出来ないものとなっている。

 4コースの中で、ワークショップへの参加者たちは、ボジェロス(Boyeros)、プラヤ(Playa)、アバナ・デル・エステ(Habana del Este)、ラ・リサ(La Lisa)地区、そして大規模な有機農場(オルガノポニコ)やシード・ハウス、農民市場、研究所を訪ねた。

 都市農業は、都市及びその近郊で、食料やその他の野菜、畜産物を生産、販売することから、三つの本質的な機能を果たしている。食料供給の確保、収入増と雇用の創出、そして、生態的に健全な環境を都市にもたらす一助となっていることだ。都市農業は、生存のための農業から、家庭内での食料加工、純粋な商業的農業に至るまで幅広いテーマにわたるダイナミックな概念である。

 都市農業の重要性は、農業部門を越えて広がっている。土地利用政策、水道政策、健康や環境政策、食料確保政策といった農業以外のセクターにも影響することから、都市開発計画の中で、総合化される必要がある。

 講義や情報で示されたいくつかのケーススタディの助けも得て、ワークショップでは、都市農業政策についていくつかの選択肢が特定された。

 現在の都市農業政策は、支援よりも規制になちがちである。この理由から、参加者たちは、上述した都市農業の食料確保、収入創出、環境保全の三点について詳細な勧告を記述した。

 この会合は、DSE-ZEL、農業と農村協力への技術センター (CTA)、スウェーデン国際開発協力機関 (SIDA)、キューバ家畜生産協会の技術的・財政的な協力の賜物である。そして、技術的な支援は、ETCエコカルチャー、持続可能な農業分野におけるNPO、技術協力のためのドイツ機関(GTZ)、ドイツ農業アクション (DWHH)が行った。


  Eberhard Gohl:Urban Agriculture ZEL Workshop in Havana,1999.サイト消滅

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