2002年1月 本文へジャンプ


キューバの農業改革



「自由になるためには教育されなければならない」ホセ・マルティ

 カストロは言う。

「40年以上もの革命を通じてまかれた我々と意識と思想が我々の武器だ。革命は、歴史には意味があることを意味する。それは改革されなければならないすべてを変えている。それは完全な平等と自由だ。それは他者を人間として扱う。それは、自らの努力を通じて解放を達成している。それは、社会や国家的な枠があろうがなかろうが、内なる挑戦の強い力だ。それは、われわれがいかなる犠牲を払っても守ろうと信じている価値を守っている。それは、謙遜と無私と利他主義と連帯感とヒロイズムだ。それは、勇気、知性とリアリズムをもって戦っている。それは、決して倒れることはなく、倫理的な原則を損なわない。それは、真理と思想の力を押しつぶすことができる力はこの世にはないという深い確信だ。革命は統一を意味する。それは独立だ。それは、キューバと世界にとっての正義の夢のために戦っている。それはわれらが愛国心、われらが社会主義、そして、われらが国際主義の基礎なのだ」

                2000年5月1日の革命メーデー広場でのスピーチ

 40年以上、キューバは空前の革命的な作品を作り出してきたが、今、それは現在進行中の「思想の戦い」でさらに強化されている。平等の機会は制限しない。だが、可能性は広げるというのがキューバの概念だ。教育、文化、暮らしの質の改善を通じ、社会的な側面の完全性を追求し、この惑星の一部としての人間の尊厳を守ることは、グローバル化する世界からははるかにほど遠く、キューバの大地で生まれる特権を持つすべての人々に新たな挑戦、新たな目的、そして、新たな希望を生み出しているように見える。

ソーシャルワーカー集中訓練校


 国内に4校あり、計7,200人が入学している。17~22歳の若者たちで、革命を公約し、生活するコミュニティ内で社会的な仕事に取り組んでいる。彼らは、大学教授から10カ月の集中コースで訓練され、遠隔教育や稼働コースの組み合わせで、より高い学習を続けている。また、人文科学の22の大学研究プログラムを選択することもできる。

 4校は、ハバナ、ビジャ・クララ、オルギン、サンティアゴ・デ・クーバ州にあり、最初の1079人のソーシャルワーカーは既に卒業し、ただ家庭や家族を訪問するだけでなく、学校、教師、全コミュニティを交えながら、子ども、ティーンエイジャー、老人とともに働いている。国内の全ムニシピオで、300人の住民あたりに少なくとも1人のソーシャルワーカーがいるよう、少なくとも3万5000人のソーシャルワーカーを訓練することが目標だ。


小学校教師の緊急養成校


 キューバでは、一人の教師に対して生徒が15人という夢のような状況がどの学年でもほぼ現実のものとなっている。教育の質を高めるには、多くの教師が必要だ。小学校教師を緊急養成するため、5,500人以上の16~17歳の若者たちが5校に入学している。彼らは10カ月間、教師として訓練を受け、出身地のコミュニティの小学校で働くが、同時に、自分で選んだ22の人文科学の大学研究プログラムのひとつで、もっと高度な学習も続ける。最初に緊急養成された1000人の教師は既に働いており、2002年9月には、キューバの全小学校のクラスで、一人の教師に対して10~20人の生徒を受け持つことになる。

芸術インストラクター校


 国内の全州に15校ある。そこでは、小学校、中学校、高校、大学、そして文化団体で働くために15歳の若者が芸術教師として訓練を受けている。学習期間は4年だが、その間に、生徒たちはただ授業を受けるだけではなく、自分たちが暮らすムニシピオの文化生活にも活発に参加する。最も小さく最も孤立した町から、最も大きく最も人口密度が高い都市まで、毎年、4,000人の新入生が入学している。現在、1年生と2年生7,789人がいるが、ビジュアルアート、音楽、ダンス、劇場の分野で、広範な訓練を受けている。彼らには、その専門分野で大学で研究を続ける機会もある。教育、文化、社会開発の推進という原則を満たしつつ、キューバが世界で最も文化的に洗練された国となるよう、こうした若者たちは、一般・包括的に文化水準を高めるうえでとても重要な役割を担うことだろう。

失業中の若者たちのためのアップグレードコース


 キューバでは、最低中学3年までの教育をほとんどの国民が受けているが、それを終えた後は、学んだり働いたりしようとはしない一定の若者たちがいる。研究は、学んだり働こうとはしない若者たちが、専門家の家庭にはたった2%しかおらず、こうした若年たちの態度がその家族状況に主に依存していることを明らかにした。これは、教育や文化と犯罪との関係性を確認することに役立つ。こうした若年層のために「新しい仕事」が作られている。それは、学ぶ仕事だ。こうした若年たちが知識や文化を獲得することが目標だ。アップグレード、学習、社会的統合、生産活動やサービス提供に参加する機会があることが欠かせないからだ。

 究極の目標は、キューバの若者のすべての完全雇用だ。こうしたアップグレード・コースは2001年10月に全国でスタートし、4,813人のインストラクターと共に、17~29歳の7万4453人の若年が333の学校に入学している。63.9%(47,648人)は若い女性で、うち25.2%(18,903人)には子どもがいる。彼らは、週4回、3時間のクラスで、コンピュータ、英語、地理、歴史、数学などを学ぶ。

視聴覚プログラム


 視聴覚プログラムは、思想の戦いの最初のプログラムで、テレビやビデオを用いて、全国の子ども、ティーンエイジャー、若者たちに総合的な教育を提供するのが目的だ。ソーラー・パネルが必要なエネルギーを供給し、電気がない農村部の小学校1,944校を含め、こうした新たな教育ツールが国内の全校に導入された。今では、どの教室にもテレビがあり、年齢に応じて、3つの教育番組がある。成長のための私のテレビ(小学校レベル)、学びのための私のテレビ(中学生レベル)、そして、知るための私のテレビ(高校生レベル)だ。キューバのテレビは今2チャンネルしかないが、教育番組が専門の3番目のチャンネルを作る仕事も進んでいる。


小学校でのコンピュータ教育プログラム


 2002年3月には、幼稚園から小学校6年生の子どもたちにコンピュータを教えるコンピュータ教室が国内の全小学校に導入されるだろう。現在、1,250人の高校2年生たちが、コンピュータのインストラクターとして小学校で働くため、ハバナで訓練を受けている。また、それ以外でも、1万5000人以上の小学校の教師や高校3年生たちが、2001年8~12月に集中コースを受け、今、コンピュータ技術を教えている。アクセスが困難でソーラー・パネルを用いる学校では、その学校の約2,000人の教師が再教育された。


それ以外のプログラム


 全国のあらゆるコミュニティには350の若者ビデオ・クラブがあり、そこでは国民は映画を鑑賞するだけではなく、映画を通じて学び、映画を通じて世界文化への認識や知識を高める機会も持つ。

 計3491台のコンピュータとともに全国に300の若者コンピューター・クラブがあり、そこでは、子ども、若者、成人、高齢者が新たな情報技術の使い方を学んでいる。高等コンピュータ科学コースとともに、基本的なコンピュータ操作、ウィンドゥズ他のOS、マルチメディア、ホームページづくりのコースもある。

 2000年10月2日には「全員のための大学プログラム」がテレビで全国放送された。それは、教育と文化的なアップグレードの機会を全人民に提供しており、現在、英語、フランス語、キューバ史、地理、科学、芸術、話術、他のコースが提供されている。その目指すところは、簡便で、快く、経済的なやり方で、より高度で一般的な包括的な知識や文化を全人民に提供することにある。

 カストロはこう宣言した。

「教育がすべてだ。教育は価値観を蒔き、それは倫理、人生に対する態度を発展させる。教育はフィーリングを蒔いている。教育は、人間の魂のすべて良きものを求める。その陶冶は利己主義に向かう本能的な傾向や打ち消さなければならないその他の態度と相反する力への闘争ある。そして、認識を通して打ち消すことができる」


Centro de Estudios sobre la Juventud2002.