アメリカ

A Visit to One of Cuba's Democratic Sugar Cane Cooperatives

Bill Caspary

 IIS会議のメンバーはハバナから南西、ハバナとは反対海岸の近くの田舎町Melena del Surを旅し、そこで先駆的なサトウキビ協同組合を訪れた。

 協同組合は、180人の構成員からなり、うち23人が女性である。協同組合の統治は、我々が言う限りでは、完全に民主的である。すべての組合員が月例会議に参加し、農業生産と労働の組織化について議論し、決定に投票する。

 規定で選ばれた幹部は、協同組合長、技術マネージャー、資材マネージャー、組合代表(たいていは女性)である。幹部たちは、短期間的な実行決定を会議によって行う。資材マネージャーのダビド・マルチネス(David Martinez)氏が我々に語った。

 生産や収穫に問題がある時は、それは全員の問題である。国営の企業では、一人の支配人だけが考えていたが、全員の考えが解決策、より良い結果となるアイデア、を見つけるために持ち出される。それぞれの労働者が、自分たちの決定の成功への責任を感じているので、アイデアはより効果的に実行される。協同組合の組合員は、それが組合員間の相互支援であり、高モラルであり、そのことで、ロシアからの支援が撤回された後の危機を突破できているのだと、協調した。

 1993年の以前には、技術がキューバのサトウキビ生産を支配し、輸入燃料、化学肥料、殺虫剤、除草剤に依存させていた。1991年のソ連崩壊後は、ロシアは、キューバとのソ連との経済的協定から撤退し、結果として、燃料と化学資材の深刻な不足となった。サトウキビ生産の危機が、続いて起こった。Melena del Sur の二つの国営農場の産出は以前の10%のレベルまで落ちた。劣化したサトウキビは低収量しかもたらさず、これは投入資材の不足で激化した。、
 それら国営農場は、崩壊の縁から生産を戻すのに必要な大変な努力をなしえないと判断された。そして、三つのUBPC(協同組合生産基礎単位・Basic Units of Cooperative Production)に分割されたのである。

 これが特徴づける二つの姿は、第一には、民主的に運営されることであり、二つ目は、土地の利用権が協同組合の労働者に属することである (土地そのものは、国が所有する)。それゆえ、生産コストをうわまわった販売額は、組合員の間で分配されるか、再投資される(編集者注:UBPC協同組合はいま、キューバの農業セクターで突出したものになっている。我々は、Melena del Surにおいては、誰もが、しっかりとした民主的な方法でやっていると確信した。しかしながら、それ以外は訪れてはいない)。

 生産はエーカあたり100以下まで落ちた後、組合員の精力的な努力により、250トンまでしっかりと回復した。植えかえ労働にインセンシブを与えるため、幹部のプロジェクトは2000年にエーカーあたり400トンを目標としている。しかしながら、有機肥料もわずかしか供給されていないので、化学資材と機械的な投入のピーク時に達成されたエーカーあたり1000トンの収量は、誰も期待していない。とはいえ、こうした投入資材の高コストは大きく引き下げられている。

 協同組合の構成員の農場は1500ヘクタールで、ほとんどがサトウキビだが、40ヘクタールが協同組合の構成員のための野菜園である。限られた石油燃料が与えられ、耕起の多くが動物トラクターによってなされ、耕作は手で。
きゅう肥が肥料の主な源である。
 労働集約型の生産に戻ったことで、協同組合は、都市へと移動していた以前の農業労働者たちを呼び戻さなければならならなかった。サトウキビ栽培の厳しさに彼らを戻す上で、民主的な自治のアピールが説得上大きな効果があった。サトウキビの収穫労働はとりわけ激しいが、 サトウキビを生産するには、組合員が植付け、耕作し、装備や動物を世話し、年間を通じて餌を育てることが必要なのである。

 収穫されたサトウキビは国へ販売される。指定トン数の契約書は、季節のはじめに起草される。それよりも多くが引き出されれば 、利益があがり、ボーナスが組合員の間で分配されるが、もし少なければ、協同組合は課税され、翌年の収穫からこれを支払うのである。
 協同組合は、購入者が選択できる解放市場では、販売していない。砂糖の世界市場が下落した時には、国の購入保証は歓迎される。このことは、なぜ協同組合が農業を多様化しないのか疑問を起こす。土地のいくらかで作物を交換する自由があるので、米を作りたいのですと、協同組合のリーダが答えた。

 これには技術が必要だが、求められる資本や必要な専門技術が不足している。サトウキビを栽培し続ける中で、砂糖からの生産物の製造も開発されている。サトウキビからのアルコールの蒸溜は伝統的だが、高技術がともなわなければ商業用の品質には適さない。

 Sociosはしとやかに生き、彼らの労働は骨がおれるものだ。栽培はいつも利益があるわけではないが、キューバ全体で労働者たちは、生存を保障されており、協同組合もまた、自分たちで食物を育てている。いつの日にか、利益は組合員の間でわかちあわれ、自転車やテレビ、ステレオ、衣服、住宅の改善といった消費項目に使われるであろう。組合員たちの満足は、自分たちの仕事を管理しているという意識とそこからの報い、協同組合コミュニティへの連帯感、キューバとその革命へ貢献しているという意識から来ている。