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ハバナ9月9日。ハリケーン・グスタフがキューバの西部にもたらした被害が完全に評価されもしない中、ハリケーン・イケが9月7日(日曜日)に北東海岸に上陸し、月曜日には西向に流れを変え、再度キューバに襲来する前にそのパワーをあげる兆しだ。
「カリブ海の水温は31~32度となり、このサイクロンをあおっています。強度はこの数時間で多少落ちましたが、また強くなるでしょう。海上に出るにつれて、さらに激しくなるかもしれません」
キューバの気象学者、ホセ・ルビエラ博士は語る。
キューバの東部では激しい豪雨、巨大な波、強風が続いているが、気象研究所の国家気象予報センターのルビエラ所長は、サイクロンの目が月曜日の現地時間午前10時30分頃
(グリニッジ標準時14時30分)には海に戻ったことを確認した。
現在、一番危険なのはキューバ西部で、明らかにハリケーンの経路となっている。ハバナも危険ゾーン内にある。
「人生で最悪の夜でした。古びてはいましたが、とても頑丈で堅いマホガニーの机の下に隠れることが、チャンスだろうと思ったんです」
ハバナから540キロ東のカマグェイに住むジェアナ・サンチェスさんは電話でそう語る。
「屋根のタイルも樹木も空を飛んでいて、中庭もめちゃくちゃになり、どれだけの家屋がつぶれたのか、何人が家を失ったのか誰もわかりません」
カマグェイの歴史的な中心街は、2008年、ユネスコの世界遺産リストに加わった。
「ですが、とても古い家の多くが、とても荒廃した状態にあるんです」と、彼女は言う。
ルビエラ所長は、この極めて危険なハリケーンが、最大持続風速195キロでキューバを見舞い、月曜日の朝の電話では、強風と沿岸部の浸水のために、東部では深刻な被害の報告があったと説明する。
当局によれば、これまで4人が命を落としたと言う。
報道によれば、ハリケーン・イケは、キューバに向けて海上を移動していた時は、カテゴリー4だったが、ドミニカ共和国で1万1915人が難民となり、タークス・アンド・ケイコス諸島では80%の家屋を破損し、ハイチでは約60人の死者がでた。ハイチはここ3週間で熱帯暴風雨やハリケーンに4度も見舞われている。
国連人道問題調整事務所は、熱帯風によってハンナ発生した氾濫が、ハイチのゴナイーブ市だけで500人以上が死亡し、死亡者数は洪水がひくにつれ、さらに増え続けるであろうと語る。9月6日に国連は「25万人以上のハイチ人がこの3日間何も食べていません」と述べている。
カテゴリー3のハリケーンとしてイケがキューバに襲来する数時間も前から、当局は組織化された避難を進めていたが、国営テレビはキューバ内でも最も古い街のひとつ、最東にあるバラコアで大波が通りの建物よりも高く洗っているシーンを映し出していた。
カマグェイのようないくつかの都市では民間防衛対策が実施されても、やってくる嵐のパワーには対抗できないのではないか、と恐れている人もいる。
オルギンでは、Politburoメンバーで、州の市民防衛委員会のミゲル・ディアス・カネル委員長は、ハリケーンに慣れていない地域では、直面する危機を人々が完全に自覚していないかもしれないと、日曜日に認めた。
州から入る様々なリポートから計算すると、総人口1120万人のうち、今までのところ120万以上が避難している。ほとんどは、隣人、友人、親類の家に引っ越したが、海岸近くの町と山岳地帯が特に避難の目標となった。
市民防衛の職員や革命軍を含む約7万人が民間人の保護のために動員されたが、彼らには、仕事をこなすための輸送やエンジニア機械の手段等、必要なすべての資源があると、市民防衛の司令官ホセ・ベタンクール大佐は言う。
ベタンクール大佐は、日曜日の晩までには、1,700の避難所と900の野外炊事場が設立され、避難民に利用できるようにしたと語る。
「命と暮らしを守るため、1,355の指導組織が行動に入っています」と、彼は言い足す。
観光省は、9,210人の外国人を含め、1万3000人以上の旅行者が、ハバナから140キロ離れたバラデロのビーチ・リゾートから避難したと発表した。航空便は全便が欠航したが、当局は、なるべく多くの外国観光客が帰国できるよう、ツアー・オペレータと調整している。
教育省は、国内の全校と教育センターを閉鎖し、週末に計画されていた遠足も中止された。
「わが国家は、今、戦争でいう戦闘警戒と呼ばれるものにある」
フィデル・カストロ元国家評議会議長は日曜日に語った。
カストロは、いつものコラムで、「被災した家族は、必要ある限り、物的援助と食料が与えられる。浪費、寄生、そして、縁者びいきに対抗する合理的な計画と戦いは、ますます前進している。デマや譲歩、臆病や日和見主義はまったくなく、絶対的な正直こそが必要だ」と書き、この革命の歴史的な指導者は、グスタフが通りぬけた後に提供された海外からの協力に感謝を述べた。
8月30日、数知れぬ人々から住居を奪い、莫大な経済的損失を引き起こし、キューバ西部に大被害をもたらしたグスタフのピナル・デル・リオ州や青年の島の被災者を助けようとの意志を表明した国の中には、ロシア、スペイン、中国、ベネズエラ、そして、東ティモールがある。
エル・サルバドルのプレス・リポートによれば、9月6日に国連世界食糧計画は、人道的な対応からエル・サルバドルの地域センターから45トンの食料をキューバに送ったという。
一方、米国は9月3日に、ほぼ半世紀にわたる緊張し、敵対的な関係の中で、「ハリケーン・グスタフで引き起こされた損害額を適切に評価するために人道主義の査定チームを訪問させてほしい」とハバナに依頼した。適切な国際援助組織を通じ、それが直ちに人道援助をキューバの人々に提供する準備となろうと述べた。
だが、9月6日にキューバ外務省は、「いかなる人道主義の評価グループの支援も必要としない」と答え、ワシントンに対して、キューバに対する必需品の販売を許し、米国企業が国内で購入した食料を民間企業が我が国に提供することを妨げる規制を撤回するよう求めた。
キューバ政府は「全員が規律、合理性、そして、先見性をもって抜本的な対策を講じようとの呼びかけのメッセージを出したが、カルロス・ラヘ副首相は最悪の準備をハバナ市当局に求めた。
ラウル・カストロは、危険な各州の市民防衛委員会に対し、個人的なアドバイスと指示を電話で行い、最高位の団体、国家委員会、共産党、そして軍を危険地帯に送った。
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