
キューバで使用されている医薬品の約80%は、地元で製造されている。そして、当局は今後、数年をかけて、この割合をさらに高くしようとしている。
地元の製薬工業の成長は、医薬品の内需をカバーするだけでなく、国際市場でも競争力のある製品開発につながっている。1990年代の半ばには、製薬業は輸出収入で年間に約1億ドルをもたらすまでになったのだ。例えば、髄膜炎Bに対し有効なワクチンを作り出した世界唯一の国なのだ。ワクチンも国内ではすべての子どもに無料で接種され、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、メキシコ等に販売されているのだ。
キューバで販売される医薬品785のうち、178は輸入されている。厚生省によれば、国産の医薬品は、薬局ネットワークによって政府の補助金が付いた値段でキューバ・ペソで販売されている。
とはいえ、2000年末に地元紙ボヘミアが実施した製品調査では、1100万国民の健康をケアするため、政府が作成したリストのうち、211の医薬品が薬局では見つからなかった。
「医薬品の不足はもう深刻な問題でないと言われますが、私は何日もこの薬局でアスピリンを買おうとしていているのです。そして、いつもないと言われるのです」
年金生活者のマリア・ドロレス・ペーニャ(60歳)さんは、近くの薬局の外で不平をもらす。一般的なアスピリンでさえ、処方箋なしで得られるわずかな製品の中に数えられている。
ペーニャさんは、同じ午後に鎮痛剤と解熱剤、dipyroneを買うのに必要な処方箋を得たいと思っていたが、「今日はありますが、すぐになくなります」と言われたと言い足す。だが、ペーニャさんは、彼女の甲状腺の治療に必要な薬がないままに済ませなければならなかったのは、彼女が「特別な期間」のピークだけであったことを認めた。
慢性疾患のある患者は、処方箋を提示するが、それは近所の薬局に登録され、必要な薬が確保される。だが、当局は、医薬品生産で欠かせない原材料の購入に必要な財源が不足し、しばしば影響を受けると言う。ある場合は、この経費の問題は40年もの米国による経済封鎖によって引き起こされた問題なのだ。
キューバの製薬業に用いられる原料の40%を安定した低価格で提供しているのは、中国なのだが、その距離から製品輸送に1カ月半かさらに長くかかることになる。
ワシントンからの報復を恐れて、多くの船舶が、キューバの港に寄航することを避けると政府の役人は指摘する。この事実から、キューバはやむなく原材料や医薬品をより値段のかかる航空輸送に頼ることになるわけだ。
こうした困難をすべて考えれば、国産品を生産することは医薬品を輸入するよりも安い。ボヘミア誌の記事によれば、臓器移植で患者の拒絶反応を抑える1瓶のサイクロスポリンは国際市場では約400ドルもするが、キューバの製薬業は60ドル未満で生産している。
地元の製薬業では12工場があり、エイズの治療用の抗レトロウィルス薬や臓器移植患者の治療用の免疫調節薬のような高価な薬さえ生産している。
この数カ月以内に、キューバは、ブラジルに100以上のノーブランド医薬品の輸出を増やす計画を立てている。それは、ブランド名が付いたものよりも60%も安い。
1996年以来、ブラジルは髄膜炎B型ワクチンで100万投与量、B型肝炎ワクチンで約10万の年間投与量をキューバから輸入している。それは、毎年、全世界では平均5万人の子どもや若者の命を奪っている病気だ。
今、ブラジルは現在、店頭で販売される鎮痛剤から癌やエイズ患者の免疫システムを高める化合物まで、様々な医薬品を輸入しようとしている。地元で製造される医薬品の最大のマーケターであるメディクーバは、現在、ラテンアメリカ、アフリカ、アジア、ヨーロッパと20カ国以上に輸出している。34カ国で260もの製品をregistered登録している企業のアルフォンソ・サンチェス・ディアス社長は、薬品の輸出で国内市場が不足することはないと述べる。
「それどころか、多くの製品が売れれば、ここで生産されていない医薬品を購入するお金が増えるのです」
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