
2005年に印象的な経済成長を達成した後、キューバは今、国の生産基盤をより完全に発展させる必要性を無視することなく、国民の暮らしの改善に大きな資源を注ぐという難局に直面している、とエコノミストは語る。
差し当たり、キューバ革命を破壊できるのは、キューバ人自身だけであるとのフィデル・カストロ国家評議会議長の宣言から、国の資源の転換や犯罪と戦う努力を続けながらも、カストロ政権が2006年に反対者に対して断固たる処置を取り続けるのはほとんど当然の結果となっている。
2005年の国民総生産(GDP)成長率は11.8%だったとの政府の発表は、多くのキューバ人たちにとっては意外なものだった。深刻なエネルギー危機、引き続く干ばつ、数度に及ぶハリケーン、そして、米国の経済制裁の締め付けで、この1年は難儀な暮らしをおくってきたからだ。キューバはこの高度成長で、2005年の国際収支は8億ドルもの黒字だったが、この黒字を発展に振り向け、多くの雇用を創出し、給料をあげるために国はその生産基盤を広げる必要があると、ある経済学者は語る。彼は、中国、イラン、マレーシアとの合弁事業で実施されるバイテク・プロジェクトでキューバいかに大きな発展をとげたかを指摘する。輸入品を国産品に置き換え、さらに多くの産業を創設することが今の挑戦だ、と言い足しこの研究者は「こうしたプログラムは持続可能な開発を意味します」と語る。
「もし、すべてが消費に向かうならば、腹が満たされても、成長は発展にはつながりません。公共交通、農業生産、食品、被服、靴・履物産業靴産業を改良する発展にはつながらないでしょう」と、その拡大が、大きな個人の幸せにつながっているのは、ごくわずかのセクターであると言及し、エコノミストはコメントする。
輸入の大半を占めるのは、食料と燃料で、2005年には輸入が36.4%も増えた。国営食料輸入公社アリムポルトの数字によれば、輸入食料購入に計17億ドルが費やされている。
ラテンアメリカカリブ経済委員会によれば、ラテンアメリカのGDP成長をリードしているのは産油国ベネズエラで9%なのだが、キューバの成長は11.8%で、それすらもうわまわる。2005年のキューバの経済成長率は、この10年、年平均9%でGDPが成長し、世界で最もダイナミックな中国経済すらも凌いでいる。
だが、この目覚しい結果の理由のひとつには、キューバ政府がそのGDPの計算に教育や医療といったソーシャル・サービス経費を2004年から含め始めた事実がある。通常、これらは、収益を生み出さないことから除外されるのだが、ハバナは1120万国民にこのサービスを無料で提供するため、かなりの資金を割いているのだ。
しかも、2006年のGDPの計算には「多くの国、とりわけ、ベネズエラへのソーシャル・サービス輸出をかなり含んでいた」とラテンアメリカカリブ経済委員会の情報はコメントしている。ラテンアメリカカリブ経済委員会は、その領域の経済成長への仮報告書にキューバのそれを含めていない。なぜなら、通常は地域の国連機関で用いられる計算方法でカリブ海諸国の結果を評価しているからだ。
ただ、この統計は別としても、キューバの各世帯は、2006年に政府が誓約したように国の発電の危機が最終的に終わるとの高い望みに率いられている。6~7カ月以内には頻繁な停電は過去のものになるであろう。
発電インフラに大きく投資をしたことで、2006年中頃には、キューバが「十分以上の電気を持つ」とカストロは評価する。また、政府は、電気料金の値上げ、廉価な省エネ家電の販売、家庭や職場の白熱電球を省エネ電球に交換するといった政策の成果も頼りとしている。正規職員によって盗まれていた天文学の金額とガソリンに対応するため、若きソーシャルワーカーの本当の軍隊による国営のガソリン流通施設とスタンドの給油所の「占拠」で、10月に立ち上げられた反汚職十字軍もカストロは率いている。
国家が管理するプレスのリポートによれば、キャンペーンは、それが必要と考えられるあらゆる場所に広げられ、国の唯一の公式の支配政党、共産党員のリーダーシップで、この数カ月の間の議論は「不正、犯罪、違法性に関連する様々な病理」に焦点を合わせ、この種類の多くの悪行を終わらせることがその目標とされている。
「多くの窃盗行為、多くの国の基金の流用ケース、そして多くのにわか成金の源だ」と、カストロは11月の演説で述べたが、それは、過去47年間導いてきた革命がそれ自身の誤りの重さで崩れることができることをカストロが初めて認めたときでもあった。
「この国は自滅でき、この革命を破壊できる。今、米国はそれを破壊できやしないが、我々はそれを破壊できる。それは自業自得なのだ」と、カストロは述べた。
フェリペ・ロペス・ロケ外務大臣(40歳)は、2006年12月下旬にこの視点を繰り返している。フェリペ・ロケ外相は、最若手の国の指導者だが、こう語る。
「ワシントンは40年間以上もハバナと闘争を続けてきましたが、今は、キューバ革命を打ち破る望みに賭けるよりも、むしろ「後で」、つまり、言葉を換えれば、現在79歳になるカストロの死後に賭けています」
ペレス外相は、革命を起こした「歴史的世代」が去った後に社会主義体制を維持するうえで基礎となる前提を3つほど列挙している。
第一は、厳格さやタスクへの献身度を設けることで得られる権威に基づき、リーダーシップを維持することだ。ペレス外相は、人民にとって指導者が特権を持っていないことが、明確でなければならないと語る。第二は、思想と信念に基づき、人民の支持を維持すること、そして、第三の前提は、支配階級が再発することを防ぐことだ。
「鍵となるのは、収入と所有権の双方が「帝国主義」に身を売られた少数者ではなく、人民や大衆に保証されていることです。というのも、キューバでは他国のように、国家や愛国的ブルジョアジーとしてのそうしたことがないからです」とペレス・ロケ外相は言う。
反体制派は米国から資金を受けている傭兵として政府からは見られているが、こうした強力なカードから、2006年の譲歩には少ししか期待できないとは言えるのではないか。
「政府から発信されているメッセージは、ゼロ・トレランスです。私はこれがつらい年になると思います」と、反体制グループ、アルコ・プログレシスタのスポークスマン、マヌエル・クエスタ・モルア氏は述べた。
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