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2006年5月3日 ハバナ 

サトウキビの収穫量は4月30日の時点で110万トンとなっているが、それは期待に添うものではなく、海外への輸出や国内の消費需要をカバーしない。専門家はこのように警告する。


「うち、70万トンは1120万国民のために使われるでしょう。残りの40万トンは中国市場向けです」とある研究者は語る。専門家によれば、たとえ、収穫が5月まで伸ばされたとしても、最終的な収穫量は120万トン以下となるという。

「5月は通常は雨の月で、湿度と暑さはサトウキビの糖含有量に悪影響を及ぼします」と、彼は説明する。

 独立した情報源は2005年の生産量を130万トンと評価するが、公式目標は、これに合致させることだった。ホセ・ルイス・ロドリゲス経済計画大臣は、2005年の経済結果の国会リポートにこの情報を含めていない。

 あるエコノミストは、今シーズンの収穫には以前より30も少ない40ほどの精糖工場が参加しているが、適切な工場の稼動の担保に欠かせない基本的な供給不足によって危険な立ち上がりからは切り離されていると指摘する。

 2月14日にフィデル・カストロ国家評議会議長と砂糖産業のリーダーとが会合したことに続き、新たに農機具、燃料、肥料、除草剤、その他の資源が緊急的に供給されたことで、状況はいささかは改良されている。

「我々は農業や製糖業の労働者たちによってなされた努力には満足している。彼らは生産性を高めるために疲れを知らずに働いた」

 メーデーの祝典でカストロは月曜日にこう語った。4月末までの収穫高の発表で、カストロは、2月中旬からの努力で、キューバにさらに2億ドルがもたらされたと語った。

 だが、専門家は、国内需要を満たすには、キューバは最大で8000万ドルの輸入砂糖の代金を支払わなければならないと評価する。

「以前は、ブラジルやコロンビアから砂糖を買っていたのです」と語る。

 4年前にキューバは、当時、暴落していた国際価格に見合った生産性をもたらすため、旧基幹産業をリストラし、156ある製糖工場のうち70を解体した。

 だが、世界の砂糖市場は徐々にだが、再び上向きに転じている。何人かの専門家は、それが偶然ではなく、むしろ市場の構造変化のためだとする。砂糖の生原料価格は、2004年から着実にあがり、2005年11月以降は時にはポンド当たり20セントにまで達し始めた。

 このブームのメリットを受け、2006~2007年の収穫期にはその結果はでないだろうが、ハバナでは投資や資源配分を続け、サトウキビの栽培を広げている。

 キューバのアルマンド・ノバ教授の予測によれば、「価格は高いままでとどまり、たとえ下落することがあったとしてもポンド当たり最低でも15~16セントとなろう」と、この問題に関する記事で書いている。

価格が上昇した要因のひとつは、2011年には年間約350万トンに達するとされる世界的な消費の高まりと、不利な気候条件等の困難でその生産が制約を受けていることだと、ノバ氏は述べる。しかも、2005年に承認されたEUの砂糖市場改革が7月からは実施される。それは、過剰生産を取り除くため、生産水準を落とし、補助金に大鉈をふるう。アフリカ、カリブ海、太平洋茎のACPグループのサトウキビ生産者の優遇状態は下がるだろう。

 多くの専門家は、砂糖価格の高騰をエタノール・ブームの結果とも考えている。サトウキビを原料としたアルコール他の有機化合物が、自動車の燃料としてポピュラーになってきているのだ。ノバ氏は限られた石油資源の着実な減少と新たな油田を場所採掘でのコストの上昇が、新たな燃料とエネルギー源の検索を不可欠なものとしていると指摘する。

「サトウキビ廃棄物を燃やすコジェネ技術での発電がますます実現可能となってきた。それは最も経済的で、自己持続型で、再生可能で、無公害の利用可能な選択枝のひとつだ」と書く。そして、氏は、砂糖価格の値上がりが構造変化の結果であれば、こうした要素は予想できないことではないし、長期的にも明らかだと結論を下す。

 キューバ政府は、こうした分析を意識しているように思える。製糖業は、1959年1月の革命以降に国有化されたが、サトウキビの栽培や精錬に海外からの投資を直接受け入れることも構わないと考えていることであろう。砂糖省の保護下で運営されている民間企業、セルス社は、砂糖ビジネスや投資プロジェクトの開発や管理を行っており、2002年の改革以降、より大きな役割を担っている。


 Patricia Grogg,Sugarcane Harvest Falls Short, Inter Press Service, May3,2006.