2008年5月23日 本文へジャンプ




2008年5月23日 ハバナ

 2009年後半に開催予定されている第6回共産党大会に向け、ラウル・カストロにより約束された「構造変化」の速度はスピード・アップしており、現状に見合った開発戦略へ道が開かれている、と専門家は語る。


 インター・プレス・サービスが話したエコノミストは、1997年に開催された第5回共産党大会における経済政策は、変化する現実に追いつかれ、もはや現実を反映していない、と語る。党大会は過去5年の動きを反映し、来る5カ年の方針を決めることになっているが、2002年に予定されていた第6回大会は延期された。

 ハバナ大学キューバ経済研究センターの副所長、オマル・エベレニイ・ペレス・ビヤヌエバ氏は、キューバ経済の変化の一例には、専門医療サービスからかなりの収益が上がっていることがある、と語る。1990年代後半にはそうではなかった。公式には確認がなされてはいない統計であるとはいえ、医療サービスの収益は年に50~60億ドルに及び、燃料や食料等の戦略的輸入や国民健康サービス用の設備や医療技術の購入に用いられている。

 ハバナ大学キューバ経済研究センターの副所長、オマル・エベレニイ・ペレス・ビヤヌエバ氏は、キューバ経済の変化の一例には、専門医療サービスからかなりの収益が上がっていることがある、と語る。1990年代後半にはそうではなかった。公式には確認がなされてはいない統計であるとはいえ、医療サービスの収益は年に50~60億ドルに及び、燃料や食料等の戦略的輸入や国民健康サービス用の設備や医療技術の購入に用いられている。

 2004年のエネルギー危機ではエネルギー備蓄やさらなる省エネ、再生利用資源の利用に向けたエネルギー政策の改革を強いられたが、ペレス氏は、この数年の経済はこうした緊急課題に対応し、ファッションのように発展していると語る。氏によれば、キューバは、危機から危機と場当たり的な解決策を考えている現状を改め、財政政策から産業や農業生産と直接関連する政策まで、幅広い政策を含めた開発戦略に向かい始めなければならない。

 キューバ経済研究センターのエコノミスト、アルマンド・ノバ氏は、キューバが40年間以上にもわたる米国の経済封鎖の圧力下でやりくりしなければならなかったことを指摘しつつ、こう言う。

「私どもは、どこに向うべきかを定め、その段階を示し、社会主義構築にかかわるタスクを設定するプログラム、一連のガイドラインが必要です」

 ノバ氏は、「明確なルールで生産力が開かれる必要がある」とペレス氏他の学識経験者の見解に同意する。

「生産や労働にインセンティブを与えるために市場を広げる必要があり、過度の中央集権やビジネスへの資金的・生産的な制限は撤廃されるべきです」と氏は言い足す。

「国内市場が発展の原動力となる真の、そして、具体的なツールと認められなければなりません。もちろん、今のままの制度を残すことはできませんが、以前の中央集権的な流通体制の代わりとして、計画経済と市場とが互換性があるように、経済的メカニズムで管理されるべきなのです」とノバ氏は言う。

 事実、講じられた政策で、農業の構造変化に通じたひとつは、小規模農家が直接に必要な物資を買える店舗の創設だ。2007年中旬、当時暫定首相であったラウル・カストロは農業生産をあげるため「必要に応じて構造と概念改革が導入されなければなるまい」と述べた。輸入食品は2008年には約19億ドルになる見込みだ。

 キューバ経済研究センターの研究によれば、全体として経済への「波及効果」があるため、農業での政策から着手することが望ましい。専門家が提唱する抜本的な改革には、計画の地方分権化や生産を奨励する環境の創造がある。

「多くの土地を農業者に分配するという現在の計画は重要ですが、農地改革は、市場、クレジット、交換の魅力的レートと手を携えてならなければなりません」と専門家は強調する。

 これまで、ビジネスで上の為替レートは、兌換ペソ1ペソ当たりキューバ1ペソだが、国の両替ショップでは24ペソでCUCが買われ、25ペソで売られる。当局が、土地を農民に提供することを考えているのは、可耕地の約50%が遊休化していると評価されているためだ。ノバ氏によれば、1990年代以来この条件下で20万haが貸与されており、一般にその受益者となっているのは、家族農業に従事する個人的な小規模農家や農業協同組合だ、とノバ氏は言う。政府は、農業部門の改革を最優先しており、増加する輸入食料を国家安全保障の問題と見なす。専門メディアは、現在実施されている企業のリストラが今年の半ばには完成されると言う。

 1980年代までは、キューバの工業製品は、圧力釜、冷蔵庫、ガスレンジ等を生産してきた。ペレス氏の見解では、国内市場や他のカリブ海諸国に輸出するために、こうした産業も必要があれば対外投資の参入を通じて蘇るべきである。

「どんな社会であれ、農業や工業の貢献なくしては発展を期待できません。サービス業だけで国をやり続けることはできません。いま、経済がどのように動いているかを基礎としたシフトのためには根本的改革が必要です。さもなければ、私どもはいつも危機管理モードにとどまることとなりましょう」と氏は語る。

 今年頭には、兌換ペソしか使えない店舗においてだが、コンピュータや携帯電話の販売が初めて許可された。それ以前は、ビジネスマン、外交官と外国人しか使えなかったのだ。また、現在では、外国人旅行者しか予約できなかったホテルも滞在できる。

「こうした対策は、断じて存在すべきではなかった禁止を修正するために実施されましたが、構造変化をなしていません。もちろん、それは、市場が良い経済結果を達成する一助となることを認める方向に向けたステップかもしれませんが」とノバ氏は言った。


 Patricia Grogg, A New Model in the Making? , Inter Press Service,May23,2008.