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住宅問題



2008年8月14日 ハバナ  


 キューバでは、話題が住宅問題に移れば、個人の逸話は、長年にわたり蓄積された国の住宅不足と同じほど多く出てくる。既存の住宅や建物はぼろぼろに崩れ続けているが、建設の努力はニーズを満たせていない。

当局は、2008年に5万戸の住宅を完成することを望んでいる

「それは、大変な問題ですが、いますでに手にしている維持や復旧を含めたプログラムで少なくともカバーされています。それは、最初から建てるのと同じほど複雑で、同じほどのコストもかかります」

 修理中の32のアパートブロックの住民委員会長であるマリア・レイヴァさんは、ハバナのエル・べダド区のアパートや他の建物が今年の修復プランに含まれているという幸せに感謝すべきだと語る。

「多くの建物の修復はとても貧弱で、修理のチャンスも低いんです」
そう彼女はため息まじりに語る。

 だが、住民の中には、建築業者たちが、仕事を始めるのも遅く、月曜日から金曜日までしか働かず、昼も全く食べないので、早びけしがちだと指摘する人もいる。

「今週は誰もきていません。建築資材が全くないからだと言うのです」
あるひとりは言う。

 当局は、2008年末までに新たに5万戸を建て、25万戸を修理できる資材があると述べ、その修理は、保護と回復作業からなっている。だが、このプランは3年前に発表されたものよりも控え目だ。2005年半ばに、政府は、年間に10万戸という住宅目標をたてたが、それは資金不足で半分にカットされた。

 公式統計によれば、2008年6月までには2万2558戸の住宅と13万3000戸の修理が完了しているが、 全国住宅庁のビクトル・ラメス長官自身、7月前半に2008年のプログラムが必要水準よりもかなり低いことを認めている。同庁は、全国的な住宅不足が2003年の53万戸からアップし、約60万戸あると評価する。

 都市部では住宅は手に入りやすいが、質的な面も含めると全体的に不足し、暮らし向きは悪くなっている。
220万住民が住むハバナの状況がそのひとつの例証だ。統計によれば、首都の住宅目録は、50万戸以上にもなる。

「ですが、この数値は、近代的で頑丈に建てられた家、過去20年の間に建てられた多くの家族のための団地、トタンや木板のような不適切な素材で即席で作られた小屋のすべてをひっくるめたものなんです」

住宅部門にかかわる専門家は言う。

 ハバナには、6,000以上のテナントの建物や数家族が占有するルームハウス(cuarterías)、そして、1万8000人以上が6,200戸以上の一軒家で暮らす46のスラム街もある。こうした状態下で暮らすことが社会的な緊張を高め、多くの暴力事件を起こすことを当局も認めている。

 専門家による研究は、首都が彼らの故郷を去ると決めるキューバ人の圧倒的多数を魅了していることを示す。最近のセンサスによれば、2002年から国内で他地域から移動する人々の約41%が目指すのがハバナなのだ。

 ハバナの住宅不足への責任は、移住してくる何千人ものせいではないが、流入は確実に問題を一層深刻化している。

「もし、住宅がハバナ住民にとって難事ならば、ここに来て、滞在したい人々にとって、それが何に似ているのかをイメージしてください」

 ある若い大学生は、フーベン・レベルデ誌で述べている。この国営新聞は、ハバナ東部のサン・ミゲル・デル・パドロンのムニシピオの貧民街、ラス・ピエドラスで暮らす2,000人の生活状態を報告した。そこでは、ゴミ捨て場から拾った資材で人々は土でふむ小屋を建設している。ストリートもなく、雑草を切った経路だけで、送電線もなく、代わりに物干し綱が多数あるのだ。

「人々は「llega y pon」(「到着してそのまま滞在」というスラムの俗語)の近くを走るパイプから水を手に入れています」

 フーベン・レベルデ誌は報告し、1990年代の深刻な経済危機の間に国内での移住が増えたと言い足す。州からの移住者の流入を抑制しようと試みる、あるいは、少なくとも規制しようと1997年に規則が導入されたが、専門家は農村地域で生活の質を高める最近の開発プログラムが、多くの人々をハバナへ動かせることを思い切らせることを望んでいる。

 市当局は、2008年に新たに5,000戸の一軒家を完成させようとし、「違法な」貧民街を整理し、破損状態の家屋のすべてか一部で損失を被る人々のための解決策を見出すべく取り組んでもいる。

「屋根が落ちてくる危険性があったので、家を出なければなりませんでした」

 いま、家が修理されるまで友人のところに滞在しているひとりの女性は言う。

 公式統計によれば、1987年にハバナでは3,170戸の新住宅が完成し、1989年には9,114戸を記録した。その後の経済危機で、建設業は急落し、2002年年には723戸の新住宅が建てられただけだった。この経済危機後に建築数は、2003年の1,552ユニットから、2005年2,838、2006年9,443(1989年より多い)、2007年6,342と増えている。だが、1990~2002年の間の住宅不足で蓄積された要求は、供給をはるかに越えている。

 さらに状況を悪くしているのは、住宅の多くの貧しい条件が、とりわけ、ハリケーン被害に傷つきやすく、再建は新住宅用の資材を取ってしまう。一例をあげれば、2005年7月にキューバの数州を荒廃させたハリケーン・デニスでは、12万戸以上の家屋がダメージを受け、うち1万5000戸は完全に崩壊し、2万5000戸は部分的に壊れた。強風は2万4000戸の家屋の屋根を破壊し、別の6万戸の一部を破損した。

 公式報告は、過去40年間で260万戸の一軒家が建設されたが、それは国の住宅ストックの75.4%になることを示す。この期間に状況の悪い住宅の数は減り、電気や飲料水のような公共設備への全体的なアクセスも広がった。だが、当局は、この数年の国の投資がいまだに状況を解決せず、きちんとした住宅を確保することがキューバの人々が直面する主な障害のひとつに残っていると認めている。


 Patricia Grogg, Putting Their Houses in Order, Inter Press Service, Aug 14,2008.