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文化と芸術の振興



2008年11月20日 ハバナ  


キューバでは、国際援助を通じ、人の心の求めに接する開発で、伝統的な見解を豊かにするアプローチでの文化プロジェクトが促進されている。

 

 ヨーロッパの2組織、スイス開発協力庁とオランダの人道援助団体「ヒボス」は、政治外交情勢が変化したにもかかわらず、その目的を念頭に置きつつ、キューバで援助を続けている。

「海外からの開発援助は、直接、人々のスピリットを強化することになります」
 ハバナから800キロ以上東にある街ハマイカの「文化の家センター」のヨアニ・サルミエント(33歳)所長は言う。ハマイカは、グアンタナモ州で2番目に大きい。このプロジェクトは2006年からスタートしたが、国連開発計画(UNDP)の資金援助を受け、コミュニティの社会・文化生活を活性化させることを目指し、文化センターに技術的な機器も提供している。

「鑑賞ワークショップの数も増え、芸術作品の質も桁違いに高まりました」と音楽インストラクターであるサルミエント氏は言う。

「私たちは、芸術が目的ではなく、芸術が果たす社会文化的な役割のために支援をしています」

 コスタ・リカのサン・ホセにある中米・カリブ海のためのヒボスの芸術・文化プログラムのコーディネータ、スサナ・ロチャナさんは言う。

 ヒボスは、世界30カ国で活動しているオランダの人道主義のNGOだが、文化も含め、様々な分野で地元組織と協働し、独立した芸術活動を支援しているのだ。

「開発協力やその懸念と芸術とを結婚させると、興味深い効果があります。というのも、それが社会的な意識を誘起する一助となるからです。かなりアバンギャルドな反体制の芸術を支援することで、人々の反応を刺激し、変化を作り出し、人々を目覚めさせているのです」

 ロチャナさんはそう語る。ヒボスの文化資金援助を受けるNGOは800に及び、うち150はラテンアメリカとカリブ海にある。プログラム「市民の声を聞こえるようにする」を通じて、ヒボスの文化支援は、技術の使用にまで及び、情報アクセスと通信技術も促進している。

 イボスが、芸術と文化プログラムで優先するのは、芸術の質、新たな「言葉」の検索、幅広い聴衆への芸術作品の普及、そして、芸術家の社会的なコミットメントだ。

 イボスは、キューバにおいては、多くの文化団体の発展に決定的な貢献をしていると言える。パブロ・デ・ラ・センター、レタゾス・ダンスカンパニー、ウンベルト・ソラスが組織した低料金の国際映画フェスティバル、オネリオ・ホルヘ・カルドソ・センター、文学ワークショップなどだ。

「イボスからは、センターを開設するための立ち上げ資金も受けました。私たちは文化省から承認され、支援も受けていましたが、立ち上げの設備を購入する資金がなかったのです」

 政府のオネリオ・ホルヘ・カルドソ・センターのイボネ・ガレアノ所長は言う。

 創作コースでは、1998年にキューバの短編小説家エドゥアルド・ヘラス・レオンによって設立されたセンターが、都市、町、僻村出身の500人以上の若い学生たちに教えている。結果として、それ以前は大都市に席巻されていたキューバの文学マップは変わった。

 対外援助のおかげで、センターはコンピュータ・ルームを設立し、メイン事務所を設置し、出版社カハ・チーナを確立した。短編の選集を出版し、「El Cuentero」という四半期の文学雑誌も出している。

 3月には、センターは第一回国際若者ライターフェスティバルというキューバを超える仕事に取り組んだ。ラテンアメリカとカリブ海から100人以上の文学関係者が集まったが、これはイボス、スイス開発協力庁、そして、キューバの文化当局の支援で実現した。

 また、11月6日~8日にかけては、コミュニティ・イニシアティブの交流参照センターのコーディネートと4州の文化プロジェクトの支援で、2つの国際援助機関がハバナのネプチューノ・ホテルで文化協力ワークショップを開催した。

「アイデアに命を生み出し、人々を生き返らせることから、私は、融資が鍵だと信じています」

 ロチャさんは言う。ロチャさんによれば、ヒボスの予算は約1億ユーロ(1億1800万ドル)で、うち約5%が芸術文化プログラムだ。

「活動を続けるためのベースを提供し、能力が構築されて、それが保証できるほど長く支援を続けたいと思っています」と彼女は語り、「支援が終わるとき、専門的なチームと同じく、人々は、大きな誇りと経験、そして、技術的な資源が残ります」と言い足す。

 意見が異なる人々を大量逮捕したことに対し、EUは外交制裁を科した。スペインとベルギーを除いて2003年にEUとの関係が断たれてからというもの、キューバは文化についてEUから公式援助を受けていない。だが、10月下旬にEUとキューバとの関係が再び結ばれたことから、この状況は変わるかもしれない。

 文化援助は、全国で芸術活動を高め、創造的な生産を促進し、文化遺産を保存し、研究を実施し、人間の潜在力を開発することを目的としている。2007年後半に、キューバは39カ国、110の地方政府、102のNGO、そして、20の民間資金から援助を受けた。2008年に進行中のプロジェクトは、1億900万ドル以上となっている。


 Patricia Grogg: Foreign Aid Helps Fund Cultural Activities in Cuba, Inter Press Service, Nov 20,2008.