ネットのようなツールへの私的アクセスを除いているが、キューバのコンピュータ技術政策は、情報技術とテレコミュニケーションの社会的な用途を最優先させている。
イグナシオ・ゴンサレス・プラナス情報技術コミュニケーション大臣は、外務省が開催したインターネット・フォーラムで「我々はそれを活用できるし、新たなエリアが開かれるであろう」と断言した。だが、大臣は、自宅のパソコンでの私的アカウントからのネット・アクセスにこの「新エリア」が含まれる可能性があるのかについては明言しなかったし、その選択肢は、いま計画されているようには思えない。計画は、あくまでも社会的な活用面を開発することに重点を置いているのだ。
公式情報によれば、2005年6月でのコンピュータは100人あたり2.98台、33万5000台となっているが、うち、2004年にネット利用できたのは1000人に13人だけだった。
2005年の学校年では、小中学生は計4万6290台のコンピュータが利用できる状態となっている。うち、93校は生徒が1人しかいないのだ。
キューバでは、全国民が無料で教育を受けられるし、科学研究所や国営メディア他の機関と同じく、全大学もネットにつながっている。だが、コンピュータを買ったり、輸入するには厳しい規則を受けることがあり、海外のウェブサイトに私的にアクセスすることもそうなのだ。
「コンピュータの部品を父が海外から持ってきてくれました。ここで、それを組み立てたんです。そして、電子メール・アカウントも取得しました」
エコノミストのマリア・デル・カルメンさん(26歳)は言う。
彼女は、ネット・サーフィンよりもメール利用の方が多いが、それでも民間部門では制限を受けることがあると述べる。
「オフィスでは、ネットとつなげますし、大学で勉強しているときには必要があれば使っていました」と、彼女は言う。
「闇市場」でパスワードを買い、自宅でネットを見るには40ドルかかるが、それでも1日に3時間アクセスできるだけだ、と彼女は説明する。
ゴンサレス・プラナス大臣は、キューバの経済状態からネットへのアクセスが妨げられており、それゆえに政府は資源を、集合的なセンター、メール、ウェブ・サーフィン用のルーム、学校、大学、そして、若者コンピュータ・クラブで社会的に活用することを選んでいると述べている。
「これが確実により効果的で、多くの市民がアクセスできるのです。例えば、ごく少数の家庭にインストールすれば、わずかなサイトしか利用できず、私どもの帯域幅のかなりの部分があがってしまうからです」と大臣は言う。
だが、メールやウェブ閲覧をできる空間は限られているし、主に観光ホテル内にある。おまけに、キューバ人がいつも使えるわけではない兌換ペソだけなのだ。
今のところ、キューバには国内需要を満たすだけの十分な接続帯域幅がなく、ネットには衛星を通してリンクしているだけだ。専門家によれば、キューバとフロリダ間の光ケーブルがつなげられれば問題は解決するのだが、米国の経済封鎖がこれを邪魔している。
「ですが、もし、経済的な理由から市民が家庭でネット利用できないなら、既存のサイトを幅広く配布したり、適度な値段でサービスを提供するといった他の選択肢が奨励されるべきです」
意見が異なるマヌエル・クエスタ・モルラ氏は言う。氏の見解によれば、イデオロギー的な理由から「マスクをかけること」に経済が使われている。
「それは、表現の自由の規制を広げるやり方です。技術面よりも重大な弊害です」と氏は主張する。
クエスタ氏は、穏健な反対派の連合Progressive Rainbowのスポークスマンで、ちょうど電子雑誌Consensusの4版を発行したところだ。
「我々はネットにアクセスするため資金をプールしています。我々のものがキューバ内からの唯一の反体制電子雑誌なのです」
キューバ政府は、反体制グループはいずれも「帝国(米国)に仕える傭兵だ」と考えている。だから、こうしたグループのいくつかは、海外のサーバにウェブページを置いている。
キューバは2005年の11月16日~18日にかけ、チュニスで開催される世界情報社会サミットの第二フェーズで代表となろう。情報技術コミュニケーション大臣率いる20人の代表団が参加する。その会議で議論されるべきひとつは、インターネットのガバナンスだ。ウェブサイトの技術的、政治面がいかに管理されるべきか、そして、いかにドメイン名や数が割り当てられるべきかだ。発展途上国政府や市民団体は、ネットの統治方法への参加を求めている。もともとウェブは米国で作成・開発されたのだが、米国政府がその管理を支配し続けている。
また、キューバは米国からキューバに向けた違法なラジオやテレビ放送を止めさせることを要求する機会がこの会議にはあろう。専門家によれば、この放送は週に2,425時間にも及び30周波帯で放送されているのだ。
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