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アグロエコロジー 第5章 エコロジスとと伝統農民の知恵の対話



 何世紀にもわたり、何世代もの農民たちは複雑にして多様で地元に適合した農業システムを発展させてきた。それは、長い歳月をかけた巧妙な実践で、たいがいはコミュニティの食料安全保障や天然資源と生物多様性の保全につながっていたのだった。農民たちの戦略はリスクを最小限度に抑え、長期的に収量を安定させ、食の多様性を促進し、低い技術水準と限りある資源下での見返りを最大とする。こうした農的遺産の小宇宙は、開発途上地域中ではいまだに見出すことができるし、1000万ha以下をカバーし、農村住民に一連の文化的、生態的サービスを提供している。伝統的な形式での農耕知識、ローカルな作物や家畜品種、土着の社会文化組織の保存など人類にも貢献している。こうしたシステムを研究することで、エコロジストたちは複雑系のダイナミック、とりわけ、生物多様性とエコシステムの機能関係についての学びを高め、その結果、エコ理論を豊かにする。そのうえ、開発途上地域の小規模農場主にとって、適切で持続可能な農業システムのデザインを実用化するための原則も引き出せる。事実、近代的なアグロエコロジーの進展のいくつかは、伝統的な農業生態系の研究から既に生じており、一連の斬新な農業生態系のデザインは成功した伝統農法システムをモデルとしているのだ。


伝統農業のエコ的多様性


 ラテンアメリカ、アフリカ、アジアの農業者の大多数は、たいがいは特有で自給的(subsistence)農法を利用する周辺環境において、いまだに狭い区画を耕す農民たちだ。これらの伝統農法の特徴のひとつはその高い生物多様性にある。

 Polyculturesは小規模な農民たちの間では一般的だし、西アフリカの耕作地の少なくとも80%をカバーし、ラテンアメリカでは、キャッサバの40%ト以上、トウモロコシの60%、マメの80%はそれ以外の作物との間作で栽培されている(Francis, l986)。こうした多様な農業生態系は、外部の投入資材、資本、あるいは科学知識にアクセスすることなく、何世紀にもわたる文化的で生物学的な発展の上に現れて、農民たちの環境との対話を通じて蓄積された経験を表すものだ(Wilson, 1999)。外部の投入資材の利用が乏しく、限界耕作地におかれているにもかかわらず、自律的な経験に基づく知識と、地元で利用できる資源を用いて、農民たちは現地状況に適合した農業システムを発展させ、その生存ニーズを満たす持続的収量を生み出せているのだ(Wilken, 1987; Denevan 1995)。このパフォーマンスの一部は、伝統的な農業生態系の高度な農業多様性とリンクしている。そこでは農業生態系機能が前向きに影響している(Vandermeer, 2001)。高くした圃場、テラス(写真2)、polycultures、アグロフォレストリーシステムなどで、何百万haも伝統農業が存在していることは、土着の農業適合戦略が成功している証だ(Altieri, 1999)。

 生物多様性を促進し、化学農業資材なしに繁栄し、年間収量を支えることから、伝統農業のこうしたミクロ・コスモスは、他領域に有望なモデルを提供する(Denevan, 1995)。確かに、開発途上地域中の多くの資源が乏しい農民たちによって用いられた伝統的な作物管理実践のアンサンブルは、複雑な農生態系で働くメカニズムを理解したがっていたエコロジストにとって豊かな資源だ。生物多様性と生態系の機能との相互作用や農業生態系デザインのテンプレートとしての自然の遷移の利用のようにだ。エコロジストたちが多様な伝統的な農業生態系の美徳を認めたのは最近のことで、その持続性は彼らがフォローする複雑な生態学モデルに横たわる。伝統的な農業生態系とそこで農民たちが生物多様性を維持し用いるやり方を研究することは、アグロエコロジーの原則の出現をかなり促進できる。それは、先進国と開発途上国の双方で、より持続可能な農業生態系と農業生物多様性の保全戦略を開発するうえで緊急に必要だ。事実、そうした研究は、すでに、何人かのアグロエコロジストたちが農民たちのローカルなアグロエコロジーで社会経済的な事情によく適合させられた目新しい農場デザインを作成するのを助けている(Altieri, 2002)。鍵となる挑戦はそうした原則の天然資源管理の実際的戦略に翻訳することにかかわっている。にもかかわらず、工業的な農業開発の犠牲者としてこの新石器時代(Neolithic)のエコ的遺産が失われる前にさらなる研究が緊急になされなければならない。まことに、これは21世紀のエコロジストにとって、最も重要なタスクのひとつかもしれない。

伝統的農業の範囲と意味


 農業の増加する工業化にもかかわらず、農業者の大多数は、小規模農民(peasants)か小規模生産者で、小規模で、複雑で多様な農業システムで農村景観内に散らばっている(Beets, 1990; Netting, 1993)。アフリカ、アジア、ラテンアメリカの約9億6000万haの耕作地(arable)と永久作物があると評価されているが、うち10~15%は伝統的な農民によって管理されている(表3)。ラテンアメリカでは、小規模農民の人口が約ラテンアメリカの総農村人口の2/3となる7500万人に及ぶ。

 ラテンアメリカの平均農場規模は約1.8haだ。とはいえ、一般的な食料生産では大きく貢献している。1980年代には、国内消費用の農業生産の約41%に達し、地域レベルではトウモロコシの51%、マメの77%、ジャガイモの61%の生産を担っている(Browder, 1989)。アマゾンと南メキシコには様々な先住民族約200万人が暮らし、自給自足(subsistence)とローカルな地域市場を対象とする生産で、統合的なアグロフォレストリーの特徴を持つ(Toledo, 2000)。

 アフリカでは、農民の多くは女性で、全農場の2/3が2ha以下で、90%の農場は10ha未満だ。こうした小規模農家のほとんどは、資源に乏しく、地元資源に基づくが、中には外部投入資材を控え目に使う者もいる。この少資源の農業が、穀類の大半、ほとんどの根菜類、塊茎、食用バナナ、マメの大部分を生産しているのだ。ほとんどの基本的な食用作物は小規模農民により、肥料がないかわずかの使用と改良された種子で育てられている。だが、この状況はここ20年間で変化し、食物一人当たり生産が落ちるに応じて、穀類でかつては自給していたアフリカは、現在、そのギャップを補うために何百万トンも輸入しなければならない。この輸入増にもかかわらず、小規模農民はいまだアフリカの食料の大半を生産している(Asenso-Okyere and Benneh, 1997)。アジアに住む2億人以上の稲作農業者は2ha以上はごく少ない。中国だけで、1,000年以上前に使用されたものと同様の農法をいまだに行う7500万人の稲作農民がおそらくいる(Hanks, 1992)。

 ほとんどが高地の生態系か、降雨条件で栽培するローカルな栽培者が、農村の貧困者により食される米の大半をなす。近代的な半わい性(semi-dwarf varieties)品種の広い地域は、都会の密集地の米のほとんどを供給している。

在来の知識の複雑な本質


 在来農業システムの品種や遺伝資源が多様なことは無作為の適応過程の結果ではない。伝統農業の生態系は、自然と社会システムの複雑な共進化の過程の結果であって、それが、エコシステムの巧妙な戦略をもたらしている。多くの場合、農業の物理環境変化の背後にある先住民族の知識は非常に詳細だ(Brokenshaw et al., 1980)。民族植物学(Ethnobotanies)が最も一般的に記録された民衆分類だ。メキシコでは、ツェルタル(Tzeltal)、プレペチャ(P’urepecha)とユカタン半島マヤ族は、それぞれ、1200、900、500種類の植物種を認識できる(Alcorn, 1984)。土壌類型、地力の度合い、土地利用のカテゴリも農民たちにより詳細に区別されている。土壌の型はたいがい色、織地(texture)、そして、味によってさえ区別されている。そして、移動耕作はたいがい植被状態に基づいて土が分類されている(Williams and Ortiz Solorio, 1981)。
特別な認識力と知覚システムを通じて、最も適応力があるか役立つ情報が環境から抜粋されて、代々の口頭か実験手段を通じて選ばれる。生態系についての在来民族の知識から、たいがい多次元の生産戦略がもたらされている。つまり、多くの品種のあるエコシステムを使うのだ。こうした戦略によって、領域の農民たちは、ある生態的、技術的な制約下で食料を自給している(Wilken, 1987)。
最も伝統的な農業は特定の生息地と文化時間内で進化している。そして、これが、それが成功する場所と理由だ。もし、土壌、ツールと社会組織が異なれば、他の場所と文脈への特定の技術の転送は失敗するかもしれない。 これは、アグロエコロジストが特定の技術に集中せず、むしろ、彼らの食料生産システムの環境要求事項を満たすために伝統的な農業専門家により用いられた原則に集中する理由だ。事実、農業システムが無数にあるにもかかわらず、ほとんどの伝統的な農業生態系は以下の構造的で機能的な共通点をわかちあっている(Gliessman, 1998)。

  • 時空間内(作物の垂直と水平な組織の双方)で数多くの品種と構造的な多様性を結合している
  • 圃場や領域内で最大限の範囲の微環境(土壌、水、温度、高度、スロープ、肥沃などの違い)を利用している
  • 効果的なリサイクルによって、資材と廃棄物の閉じたサイクルを維持している
  • 生物学的な相互依存性の複雑さに依存し、高レベルの生物学的病害虫抑圧をもたらしている
  • ローカル資源と人間、家畜エネルギーに依存し、結果として、低レベルの入力技術を使用し、前向きなエネルギー効率比を示している
  • ローカルな作物変種に依存し、野生植物と動物の使用を取り入れる。生産はたいがいローカル消費用で、所得水準は低い。そのため、意志決定への非経済的要因の影響は実質的だ



 農村住民の知識の強さは、鋭い観察に基づくだけでなく、実験的学習にも基づいている。特殊な環境に向いた品種選択で実験的なアプローチは非常に明らかだが、それは特定の生物学的、社会経済的な制約を克服するための新たな栽培方法のテストでもある。ほとんどのローカルな農民たちは、彼らを取り巻くエコ的な力については詳細な知識を持つが、その経験は比較的狭い地理的、文化的な設定に制限されている。そうした緊密な地元経験は、エコロジストの一般化された知識とはマッチしないし、ローカルな農民の経験的な知識はエコロジストの洗練されたトレーニングともマッチしない。エコロジストが地元農民の詳細な知識からもたらされる豊かな織地に感謝できない事実にもかかわらず(Vandermeer, 2003)、これが「智慧の対話」がエコロジストと伝統的な農民たちとの中で必要な理由だ。事実、それは真のエコ農業開発の必須の前提条件だ。そこでは、知識を所有する人々は計画過程の一部でなければならない。ローカルなスキルは参加型の開発アプローチに使え、適切な農耕技術のデザインと普及で外部機関のそれとローカルな農民の知識と技能を結合できる(Richards, 1985)。


エコロジストが伝統的な農民から学んだこと


 伝統的な農業生態系では、複雑で多様な作付形体が普及していることが農民たちにとって重要だ。作物、家畜、樹木の相互作用によって、農業生態系は、地力を維持し、害虫を防除し、生産性を支える有益な相乗効果ができている(Altieri, 1985; Reinjtjes et al., 1992)。

 こうしたシステムを研究することによって、エコロジストは、複雑系のダイナミック、とりわけ、生物多様性と生態系の機能とのつながりについてさらに学ぶことができ(Tilman et al., l996)、より持続可能な農業システムをデザインするための実践的な原則を引き出せ、エコロジー理論を充実できる。伝統農業の研究から多くが学べることには疑問の余地はない。例えば、間作を通じて農民たちはその作付形態で自らストックした栄養分をリサイクルする能力を用いている。伝統的な農業生態系では複雑な構造内で、病害虫や雑草による作物のロスを最小に抑えているのだが、これを解読すれば、それを決める生物学的なメカニズムを改良でき、有害生物管理をさらに進歩させられる(Altieri, 1994)。事実、伝統的な農業生態系を研究することで、すでにいくつかの近代的なアグロエコロジーが進展しているし、一連の斬新の農業生態系のデザインは、成功した伝統農法システムをモデルとしているのだ。いくつかの例をあげてみよう。

自然をまねる アグロエコロジー戦略の中心にあるのは、タイトな栄養分の循環、複雑な構造、強化された生物多様性を示すローカルな生態系の機能を農業生態系がまねるべきだとのアイデアだ。そうした農業的に模倣したそうしたものが、その自然モデルのように生産的で、害虫に強く、栄養物を保全できるという期待だ(Ewel, 1999)。この発想は、様々に成長する様々な作物を導入し、何世紀もにわたって効率よい土地利用で自家菜園をデザインしてきた熱帯の小規模農民たちには何ら目新しくはない。その結果は、熱帯林と同様の構造で、アグロフォレストリーは多層構成で様々な種を示す(Denevan, 1995)。そうしたシステムの収量は、安全な家庭食料に加えて、過剰農産物をローカルな地方市場向けにも確保できる。そうした「森林と似た」農業システムでは、日陰の下で伝統的なコーヒーを栽培するケースのように、養分循環はきつく閉じられ、日陰樹から収穫による窒素損失が十分に代償されている。きわめて高く共進化したシステムで、研究者たちは、コーヒーの木に花を咲かせて実を結ばせることで、高い窒素需要の時期と分解するリターによって窒素が土壌に移動するピークが同期している証拠を見つけた(Wilken, 1987)。

 Ewel(1986)は、この戦略を「継承アナログ方法(succession analog method)」と命名しているが、それには、特定環境下における自然生態系を詳述し、潜在的な作物のあらゆる要素の特殊化(characterization)が必要だ。この情報が使えれば、第一歩は、自然生態系内の植物と構造機能的に同類の作物種を見つけることになる。その次には、自然生態系での植物の空間的で年代的なアレンジメントが、類似の作物システムをデザインするのに用いられ、研究者たちは植物的、構造的、生態学的に同様の栽培品種による野生種の空間的時間的交換を行う(Ewel, 1986, photo 3)。

 Ewel(1999)によれば、本来複雑な生態系内で、高投入を通じた戦いよりも自然生態系を模倣する方が有利な領域は多湿の熱帯低地だ。この領域は、非生物的なストレスが低いにもかかわらず、圧倒的な生物的な複雑さという環境がある。この領域で農業を成功させる鍵は、①栄養分と経済的な重要性の合致するアウトプットへとつながる生産性、 ② 園芸的に管理しやすいシンプルなシステムで損失を補完する適切な植生の多様性の維持、③関連する抵抗をファシリテートするための植物と草食動物の管理、④地力を維持し、土壌浸食をガードし、資源を完全に利用するための多年生植物の使用だ。

マルチ種のアグロエコシステム 小規模農民たちによって開発された最も複数な作付様式では、単位面積あたりの収穫可能産物量では、同レベルのモノカルチャーでの管理よりも多い。その収量のメリット20~60%にも及ぶ。この違いは、雑草、病害虫によるロスが減少し、水、光、栄養物の利用可能資源がより効率的に使われることを含めたファクターの組み合わせから説明できる(Vandermeer, 1989)。

 メキシコではトウモロコシ、カボチャ、マメを1haで混作したのと同量の食料を生産するには、トウモロコシを1.73haに植えなければならない。おまけに、トウモロコシとカボチャとマメを複合栽培(polyculture)すると、トウモロコシのモノカルチャーの2t/haと比べ、土壌中に鋤き込むための乾物がり最大4t/ha生産できるのだ。もっと乾燥した環境では、間作用のトウモロコシは、モロコシとなるが、それは、ササゲ(cowpeas)やマメの生産力に影響せず、1.25~1.58のLER値をもたらす。モロコシは旱魃に対してずっと耐性があるから、このシステムの生産性はすばらしく安定している(Francis, 1986)。

 様々な農業生態系で高生産をもたらすメカニズムは、促進(facilitation= (植物間たすけあい相互作用)に埋め込まれている。例えば、ある作物が、問題となる草食性動物の群衆密度を減らしたり、二番目の作目が摂取できる栄養分を放出して二番目の作物に恩恵ある環境を変えると、これが起こるのだ(Vandermeer, 1989)。促進は、作物間の競争が実質的にあるところでさえ「過剰収量」をもたらすかもしれない。例えば、polyculturesは、モノカルチャーの場合より、旱魃時の生産性の落ち込みが少なく、収量安定性が大きい。NatarajanとWilley(1986)は、水分のストレスを操作することで、ソルガム(Sorghum bicolor)、ピーナッツ(Arachis spp.)、アワ(Panicum spp.)のpolyculturesへの旱魃の影響を調べてみた。作付期に適用された、水は湿度の5段階の有用性で一貫して297~584mmと変化したものの、いずれの間作も常に過剰収量をあげた。まことに興味深いことに、水のストレスがあっても過剰収量(overyielding)率は実際に増加した。モノカルチャーとpolyculturesとの生産性の相対差は、ストレスが大きくなるにつれさらに強調されるようになったのだ。

植生の多様性と病害虫の発生 研究者たちは、害虫(植物食昆虫)の圃場での密度が栽培植物(domesticated plants)に比べて、野生の穀物品種(crop wild relatives)で在来品種では少ないことを示している(Rosenthal and Dirzo, 1997)。近代的な品種改良と農学でもたらされた変化があいまって、草食性動物の豊富さが病害虫を増やすのは、植物多様性が減って、伝統的なやり方が近代化される時にすぎない。事実、伝統的な農民たちは昆虫で作物に被害が出ることを意識しているかもしれないが、めったにそれを病害虫だとは考えていない。グアテマラ高地のマヤ族の伝統的な害虫防除法を研究したときに、モラレス(Morales)やPerfecto(2000)が体験したようにだ。マヤ族の態度に影響されて、西側の科学者たちは、その研究課題をいち早く再公式化し、マヤの農民たちがどうやって病害虫問題をコントロールしているのかよりも、農民たちが病害虫問題を持っていない理由に焦点をあわせた。そして、研究者たちが農民たちがいかにして病害虫に対して弾力性のある作付様式をデザイン・管理したかを理解し、健全な農業生態系のベースとなるメカニズムを探ったとき、このラインがより生産的であることがわかったのだ。  このラインに沿って研究は、伝統的な農業生態系で様々な植物種の間作が、いかに害虫の蓄積(pest buildup)を防ぐ助けになるのかの理解に集中した。いくつかの場合は、ひとつの作物が牽制的なホスト(diversionary host)として植えられ、それ以外のより影響されやすいか、より経済的に貴重な作物を深刻な被害から保護していた。別の場合は、同時に栽培される作物が、病害虫密度の生物学的抑制を提供する捕食者と寄生体の豊かさを高め、結果として、高価で危険な化学殺虫剤を使う必要性を最小にしていた(Altieri, 1994)。

 農業生態系内で植物の多様性を減らせば、草食性の昆虫が増えることにつながるとの理論を、何年もかけて多くのエコロジストたちが実験テストを通じて行ってきた(Andow, 1991)。こうした実験の多くは、特化した草食性昆虫の一次ホスト(primary host of a specialized herbivore)に、ある植物種を混ぜるとかなり一貫した結果が得られることを示す。たいがい、専門化した害虫種は多様な作物システムよりモノカルチャーで多いことが示されているのだ(Altieri, 1994)。

 農業生態系内の昆虫群生は、天敵を呼び寄せ、病害虫の攻撃を直接的に抑制する植生構造を作り出せば、安定化できる(Smith and McSorely, 2000)。作付システムを多様化すると、病害虫群衆の減少につながり、多様な作付とシンプルな作付体系とで、病害虫数に違いがでるのは、草食性動物(herbivores)の活動、植民地化(colonization)、生殖行動(reproductive behavior)、そして、天敵活動で説明できることを示す実験事例についての文献が数多くあるのだ(Altieri and Nicholls, 1999) (Andow, l99l; Altieri and Nicholls, 1999; Landis et al., 2000, photo 4)。

アグロエコロジーの研究を通じて伝統農業を適正化


 疑いなく、数多くの資源が乏しい農民たちが用いてきた伝統的な作物マネジメントの実践は、小規模農民たちの地元のアグロエコロジーや社会経済事情によくマッチする斬新な農業生態系を作り出そうとする現代の労働者たちにとって豊かなリソースだ(DeWalt, 1994)。小作農民たちは、投入集約型よりもむしろ知識集約型の傾向のある多様なテクニックを用いてはいるが、そのすべてが、明らかに効果的で適切なわけではない。だから、変更と適合が必要かもしれないし、農民の原理と知識に基づいて、そうした変更の基礎を維持することが挑戦課題なのだ。

 「伐採と燃焼」やミルパ(milpa)は、 おそらく熱帯農業を管理するための在来のエコロジー戦略の最良の事例のひとつだろう。作付地や休閑地の下でいくつかのモザイクな土地を維持することで、農民たちは、生態遷移の典型的な土壌再生の自然のプロセスの本質を獲得している。ミルパの合理性を理解することで、現代の発見、つまり、緑肥利用が、人口増加によって長い休閑地の確保や森林の牧草地への転換がそれ以上できない領域で、ミルパ集約化へのエコロジーな道をもたらした。 (Buckles et al., 1998)。

 中米の経験はハッショウマメ(velvetbean, Mucuna pruriens)に基づくトウモロコシのシステムが毎年かなりの収量(たいがい2~4 mg ha-1)と安定していることを示す(Buckles et al., 1998)。 とりわけ、ハッショウマメのマルチ層が土壌中の保水の助けとなり、干ばつのストレスを大きく減らしているように見える。十分な水と栄養分が主要穀物の収穫と良くシンクロしている。おまけに、ハッショウマメはほとんどの雑草を抑え込む。雑草が発芽したり、ハッショウマメのサイクル間に長期間生き残ることを物理的に防いだり、土壌表面のリターでは雑草の根が浅くなって、それを管理するのがより簡単になるからだ。農民の知識に基づくハッショウマメとトウモロコシのシステムは、毎年の輪作しても、天然資源の基盤の少しも衰退せずに、少なくとも15年は高水準の生産性を支えられることがデータからわかる(Buckles et al., 1998)。

 ハリケーン・ミシェルの後に中米の丘陵地では調査がなされたが、ハッショウマメのようなカバー・クロップ、間作、アグロフォレストリーなど持続可能な農法を用いている農民たちが、慣行農業よりもさほどダメージを受けていないことがわかった。調査は、カンペシーノ運動(Campesino a Campesino movement)が先頭に立って、100名の農民技術チームが動員され、1,804地区で、1,743人の農民が持続可能な農場と慣行農場のアグロエコロジーの指標を観察した。この研究は、ニカラグア、ホンジュラス、グアテマラの360のコミュニティと24郡(departments)に及ぶものだったが、持続可能な土地では、20~40%も表土、土壌水分が多く、浸食侵食も少なく、慣行農業よりも経済的損失も低かった(Holt-Gimenez, 2001)。こうしたデータは、資源が乏しい、辺境で暮らす農民たちには大きな意味がある。これは、高生産性と気候変動に直面する中での大きな弾力性につながるので、作付システムの多様化の天然資源マネジメント戦略の基礎となろう。

 ハッショウマメで描いたように、アグロエコロジーと伝統農法システムの文化人類学(ethnoecology)な理解が増えることが、現代のシステムを発展し続けるのには必要だ。ローカルのスケールでの適合とイノベーションは、典型的には、構造化された科学研究を通じて得られる知識よりも、経験的な知識と世代によるわかちあいに基づくやることで学ぶアプローチによってファシリテートされている。

 エコロジストには、各サイトでの伝統的な戦略の範囲、社会文化的なプロセス、それと関連する信念、受け入れられる天然資源管理を伸ばす枠組みを必要とする。二つのディメンジョンは大きく関連する。(1) エコロジーの知識に基づく伝統的マネジメント実践、(2)こうしたマネジメントを支える社会的なメカニズム(儀式、民俗学、式典)。それが基づく生態系のプロセスについての伝統的な資源マネジメントと知識は、たいがい洗練された社会的な制度の中に埋め込まれている。それゆえ、大きなタスクは、個人やコミュニティにより用いられる伝統的な知識フレームワークと資源マネジメントの実践を特定、評価し、ローカルな農業システムの持続可能なマネジメントの基礎としてその価値を描き出すことだ。このことは、アグロエコロジーと文化人類学の方法論を用いた包括的な研究からなされ、次に農民たちがいかに彼らの環境を知覚しているか、そして、いかにそれを変えるかの条件となる無数の要素を決定する一助として使われ、その後、在来の農業生態系のダイナミックな保護を促進する実用的なマネジメントのスキームに、そうした情報が翻訳される。

結論


 伝統農業システムを特徴づけるのは、polyculturesやアグロフォレストリーのパターンでアレンジされた高レベルの農業生物多様性(agrobidoversity)だ(Thrupp, 1998)。貧しい農民たちにとって、社会経済や環境条件の変化に対して、耐性力が高い多様な農業システムはとても貴重だ。というのも、多様なシステムが、自然や人間によって誘発される生産条件の変化に対するバッファーとなるからだ(Altieri, 2002)。

 伝統農業についてなされた人類学や生態学の多くの研究から、経済、あるいは、政治的な力によって混乱させられることがなければ、在来の生産モードが一般に最も強力なエコ的な基礎を持ち、生物多様性や天然資源の再生・保存につながることがわかる(Denevan, 2001)。長期的に農業マネジメントを成功させるという見方を提供することから、伝統的なやり方はとりわけ役立つ。いくつかの鍵となる原則がそうしたシステムの持続性の基礎となるように思える。

  • 時間・空間的な品種と遺伝子の多様性
  • 家畜の統合
  • バイオマスと栄養物のリサイクルの強化
  • 有機物の集積
  • マルチと水保全を通した資源損失の最小化
  • 高レベルの機能的な生物多様性の維持


 エコロジストたちにとっての挑戦は、ローカルな機会、資源制約と市場によりながらも、資源が乏しい農民たちが、生産、安定性、弾力性を高めるために様々な実践的技術と戦略にそうした原則を翻訳するのを助けることだ。これは、より多くの問題解決とより多くの参加を行うよう環境研究の方向転換を必要とするから、農村住民とも関係してくる。伝統農法システムの持続性の基礎となるエコロジーのメカニズムを理解し、それを、大規模な数の農業者にとって様々な場所で利用可能で適切な技術的な形態を取る原則に翻訳することが主要課題であろう。伝統的農業の美徳を無視する農業近代化の努力に対して警告しつつ、エコロジストは、より先を見越す役割をとらなければならないであろう。それは自給農業(subsistence agriculture)をロマン的に解釈することでもないし、もし、関心が伝統農業の改善にあるならば、研究者たちは、ただそれを置き換えるよりは、むしろ変えるべき農業のことを理解し、それから構築しなければならない。遺伝物質と再生農業技術の源としての伝統農業の役割を強調することは重要だ。それは、資源が乏しい農民たちに向けられた持続可能な地域開発戦略の基礎をなす(Toledo, 2000)。

 その一部は生態的な指導不足のためなのだが、農業近代化はモノカルチャー、新しくより少ない品種、農薬のパッケージ、収量増加のための決定的前提条件として知覚されたすべて、労働能率と農家所得を促進する。プレーでの強いプレッシャーが、自給から、キャッシュの農業経済への転換を後押しし、これが起こると、多くの農村社会の生物多様性の損失が驚くべき率で進んでいる。近代品種と農薬のパッケージの採用で特徴付けられた領域では、伝統的なパターンがしばしば混乱させられ、在来技術知識に伴う在来品種(landraces)と野生品種(relatives)が次第に打ち捨てられ、遺物となるか絶滅していく(Brush, 1986)。バイテクの出現をベースとする農業の技術的進化によって、この状況は加速化され、農業の画一化へと向かっていく(Jordan, 2001)。そうした画一化や遺伝子汚染によるローカル品種の遺伝的統合性の変化から生じるローカルな作物不足の社会的環境への影響は、開発途上地域の辺境では無視できない場合がある。多様な領域への遺伝子組換え作物の導入の潜在的な問題は、小規模農民に好まれるローカルな品種が遺伝子操作された穀類の特性の普及がこうした品種の自然な持続性を希釈するかもしれない(Altieri, 2000)。 極端な周辺では、作物の損失がたいがい進行中の生態系の退化、貧困、飢餓、そして飢饉さえ意味する。生物学的、文化的な多様性に関連する伝統的な技術と資源がそうした農村の人々が彼らの生産過程を維持したり、回復するために利用可能であるべきだとというのが僻地の条件なのだ。

 この点で、参加型の開発プロジェクトとつながったエコロジストは、かなり貢献できる。もちろん、小規模農場主に対する偏った政策は大きく変えなければならない。そして、エコロジストたちはオルタナティブな政策シナリオを示すことでその役割を果たせる。社会的学習と参加型アプローチでオルタナティブな技術を促進し、資源へのアクセスやフェアな市場へのアクセスを改善し、貧しい人々のためにインフラとサービスを改良するために公共投資を増やすのだ。

 貧しい条件下では、取り残された農村住民には、ローカルな食料安全保障を確実にするには、主に構造化される低リスクの農業生態系を維持する以外には選択肢が皆無だ。辺境の農民たちは近代的な投入資材を欠くなかで地元コミュニテイ向けの食料を生産し続けなければならない。そして、これは、その本来の場所のエコロジーに適合させられた農業の多様性を保存することで達成できる。これが、地理的に孤立した伝統的な農業生態系のエリアや遺伝子のさまざまの材料のプールを維持するのが必要な理由だ。というのも、不適当な農業近代化計画から生じる潜在的な生態の失敗に対して、こうした伝統的農業のこれらの島が実在のセーフガードとして機能できるからだ。それは、まさに多様な作物の遺伝資源を生み出し、維持する能力だ。それはより好ましい土地で一定の栽培品種で他の農業者を模写できない辺境の農業者ユニークなニッチの可能性を提供する。 

 伝統的なシステムに根ざすこの「違い」は、伝統的な農業生物多様性をローカル、全国、または、国際的な市場にリンクするために存在する限りのない機会を掘り出すことで戦略的に利用できる。こうした活動が慎重に計画され、草の根のコントロール下にとどまる限りはだ。エコロジストには、この過程で、とりわけ、伝統農法と文化人類学的知識に基づく地域開発戦略のデザインで助けることで、主要な役割がある。これは価値ある遺伝資源の利用と維持を担保するのみならず、不確実な経済の時代に、農民たちの自給戦略の多様化にとっても、極めて重要な課題だ(Uphoff, 2002)。さらに、伝統的な農業生態系と小作農民たちが生物多様性を維持、使用するやり方を研究することは、工業的農業を特徴付ける非持続可能性の傾向を逆転する手がかりを提供できる。

参照
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 Agroecology: Transitioning Organic Agriculture Beyond Input Substitution, Agroecology and the Search for a Truly Sustainable Agriculture,2005.