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書 評 |
2010年5月23日(日)
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世界の人口が増えても食べてこられたのは、緑の革命による食糧増産があったためだが、その内実は水資源と化石燃料を大量に使うことで成り立っているという。現代農業は、石油がなければ早晩行き詰まる可能性がある。これからどうすればいいのか。著者が行き着いたのは、先進国が見下しがちな途上国の農業だった。
中米では窒素固定農法によって、トウモロコシも豆も化学肥料を使わずに収量を10倍に増やし、アフリカのマダガスカルでは、水の供給を減らしてコメの増収につなげている。いずれも資源を収奪しない農法だ。目からウロコの一冊。
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書 評 |
2010年4月18日(日)
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従来の化学肥料農業とも有機農業ともちがうアグロエコロジーが、地球を救う鍵となると説く。豆を間作や被覆作物として使い、トウモロコシの収量を10倍アップさせる。あるいはインカ文明の古代農法を復元して3倍の収量アップも。高価な化学肥料や、バイオ肥料を使わずに、貧しくとも実行できる現実的な農法が数多く紹介されている。農薬を撒くと害虫が増える仕組みの説明には意表をつかれた。
著者は農業大学校勤務の先生。普段の授業をもとにした本書には、随所にアニメ・キャラクターのセリフが引用される。サービス精神の旺盛な先生だ。新農法の夢を熱く語る一方、情報を鵜呑みにしないように、と釘を刺す(緑慎也)
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書 評 |
2010 年3月29日(月)
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タイトルから、何やら怪しい農業を連想するがこれは誤解だ。石油が枯渇すればトラクターが動かず、農薬も化学肥料も利用できないため、これに代わる農業のヒントをキューバなどの有機農業をもとに提示するまじめな本だ。
専門の研究者ではないが、情報処理の方法、農学の歴史などについて、なかなかの博学ぶり。農業の知的好奇心をくすぐる。
キューバについては、米国の経済封鎖で「有機農業で自給する」との情報もあるが、真相は「完全無農薬ではなさそう。圏全体ではまだ完全自給はできていない」と指摘する。
グアテマラでは、豆科植物や土壌浸食を防ぐ草の導入で、トウモロコシの収量を格段に向上させた。化学肥料などに頼らない農法だ。先進資本主義の掲げる農法とは違った農法に、新世紀農業の可能性が見える。
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