2006年8月18日 本文へジャンプ



キューバ、ジャワで医療活動

 

 2006年5月27日のジャワ島での地震(注1)の後、インドネシアにやってきた国際的な救援チームの多くは帰途についた。だが、キューバからの医療班は、とても人気があり、地元から、さらに半年現地にとどまるよう依頼されていることがわかった。

 地震から2カ月以上たった後も、135名の強力なキューバの医療班は、ジャカルタから30kmはなれた被災地に設立された二ヵ所の野外病院で、日最大1,000人の患者を治療している。

 近くには、倒壊した住居や瓦礫の山があり、6,000人以上を殺傷し、10万戸を破壊した地震の惨状が残っている。ジャカルタ政府からは、わずかの医療サービスしか得られないことを考えれば、多くのインドネシア人たちにとってキューバは最後の希望だ。

 だが、キューバが重要な役割を果たしているのは、ここジャワだけではない。キューバの医療班は、普通ならば豊かな国の領分と考えられるグローバルな人道的援助活動で使命を果たすことを静かに、しかし、当然のことと自覚している。2005年10月には、キューバは、2,000人以上の医療スタッフをパキスタンに送り、30もの野外病院を設置し、地震後に150万人以上の人々を治療している(注2)。

文化的な敏感さ


インドネシアのキューバ人医師の約半分は女性だ

 ジャワにある二ヵ所のキューバの病院は、地震の被災者の骨折やそれ以外の一般的な負傷を治療するため、X線機器、実験室、手術室、専門家で完全に装備されている。

 プラムバナン野外病院で、ルイス・サンドバル博士は、「コミュニケーションで通訳に感謝します」と、インドネシアの医大生のボランティアの翻訳グループをあげ、「患者を理解するにはわずかな問題しかない」と語る。

 大きな相談テント内では、数人の患者が、同時にファミリー・ドクターのチームによって診察されている。医師の約半分の65人が女性であることが、女性が男性の医師に診察されることに躊躇するイスラム教の国では大きな利点となっている。

 「最も大切なことは、医師と患者との関係です」

ジャワにおけるキューバの支援
二ヵ所の野外病院
6月以来の治療患者数4万7000人
手術実施900人
破傷風予防接種2,000人

 グアンチワルノ野外病院の集中治療ユニットで働いているキューバのオスカル・プトル医師は、説明する。

「患者は私どもを信頼してくれています。彼らは、私どもが医師であるだけではなく、人間でもあることをわかってくれているのです」

 パキスタンの緊急時に働いたキューバの医療班の姿を目にしたユニセフのカリダ・アフマドもそのことに同意する。

「彼らは、モノとしてではなく人間として患者を治療しています。私が話した誰もがとても感謝していました。彼らは、言語上の障壁があるにもかかわらず、いつもキューバの医師に質問にいけると感じていました」

 キューバ人医師のほとんどは、2004年12月にインド洋で生じた大規模な津波の生存者をインドネシアやスリランカで援助する経験を持っていた(注3)。

驚き


 クラテンの地域医療コーディネーターのロニー・ロキト博士は、キューバの援助に熱中している。

野外病院はよく装備されている

 「私はキューバの医療班に感謝しています。彼らのスタイルはとてもフレンドリーで、医療水準はきわめて高い。キューバの病院は、まったく完璧です。そして、我々の政府からの資金援助がなくても無料なのです。我々は、フィデル・カストロに感謝しています」博士はそう語る。

 パキスタンでもインドネシアでも、キューバから援助に来ることを予想していた地震の犠牲者はごくわずかしかいなかった。

 「我々は、少ししか知らないほど遠い国、貧しい国からやって来る医師たちにとても驚かされました。我々はキューバの医療システムから学ぶことができます。彼らは、負傷や損傷をとてもすばやく治療し、エックス線をかけ、すぐに手術します。地震の被害を受けなかった人々も、無料の治療を受けるためにジャカルタからたくさんやってきています。なぜならば、彼らは貧しすぎて診療費を支払えないからです。人々はそれが無料であることにとても喜んでいます」

そう、ロキト博士は言い足す。あるひとりの医師が帝王切開手術をやった後、ありがたく思った両親は、感謝の意をこめて、自分たちの子どもを「キューバ」と名づけることにした。

成功


 多くは語られていないが、現在、現在、3大陸、68カ国で約2万人のキューバ医師が、働いている。ハバナは、それに対し、いかなるひも付き援助も拒絶する。

 「私どもは、純粋に人道主義的動機からここにいます。全世界の政府が、健康を最も重要なことと見なすことを願っているのです」そう、プトル博士は言う。

 1959年の革命の初期から、フィデル・カストロ国家評議会議長は、新たな社会の柱として教育と健康を最優先させてきた。そして、WHOによれば、現在キューバの1人あたりの医師率は世界最高である。ポスト・カストロ時代には多くが変化するであろう。だが、ほとんどのキューバ人は、彼らの並はずれた医療福祉制度の成功を害するどんな試みにも猛然と抵抗することであろう。

 Tom Fawthrop, Cuba doctors popular in quake-stricken Java, 18 August 2006.